株式会社の制度について

株式会社の制度について
株主
• 株主を購入した人や団体のこと
• 保有する株式数に応じて権利と責任を
株主の権利について・・・
株主の権利(会社法第105条)
• 配当請求権・
・・・企業利益配分を受ける権利
• 残余財産分配請求権
・・・会社解散時の財産を受ける権利
•
経営参加権
・・・企業経営方針の決定に参加する権利
株主の責任(会社法第104条)
株主有限責任の原則
• 株主が責任を負う範囲は株式購入額のみ
• 会社倒産時の負債などは課されない
株主有限責任の利点
• 投資リスクが減る
↓
株式投資家が増える
• 損失額が予想の範囲にとどまる
↓
一般家庭など、参加投資家の幅が広がる
株主平等の原則(会社法第109条)
• 株主は保有する株式の数に応じて平等な扱
いを受ける
• 株主の権利
「議決権」「配当請求権」
• 「残余財産分配請求権 」 などに適用
• 例外1)権利内容の異なる種類の株式
• 例外2)単元未満株式
を保有する株主
単元・・・株式売買の最小の単位。企業が決める。
譲渡自由の原則(会社法第27条)
• 株主の保有する株式は、自由に他人に譲渡
できる
「譲渡自由の原則」の目的
会社側
• 長期に安定する資金の必要
• 資金を出資さえしてもらえればよい
• 「株主有限責任の原則」で請求は不可能
投資家側
• 投資資金が長期間固定されるのは好ましくない
• 投資リスクの回避
「譲渡自由の原則」の例外
• 定款により、制限が課せられている
(株式譲渡制限会社)
非公開株式会社
株式会社の経営について
1.株式会社はだれのものか
株主主権論
• 株式会社の所有者は出資している株主
→反論「従業員主権論」
会社従業員の経営があっての株式会社
結論
• 資本主義社会では出資者がオーナー
• 株主主権論が伝統的な見方
2.会社経営は誰がするのか
株主
• 資金を持つ
• しかし経営能力が低い
• 会社経営に関心がない者も多々
→経営の効率が悪い
会社経営者
• 株式会社の所有者ではない
• 優秀な経営能力を持つ
→効率が良い
「所有と経営の分離」
• 経営能力はないが、資金を有する者
株主 =所有
• 資金はないが、優秀な経営能力をもつ者
経営者=経営
社会的効率性を高める
3.企業経営と企業統治
企業経営(マネジメント)
• 企業の目的を達成する為の戦略
• 企業戦略(全社戦略)
→いかなる事業をてがけるか
• 事業戦略(競争戦略)
→事業をいかにしてこなすか
• 経営資源獲得、配分、戦略の効率性 etc…
企業統治
企業統治(コーポレート・カバナンス)
• 企業経営の目的そのもの
• 企業経営の上位になる概念
• 企業活動が目的に沿ってるかの監視
• 多種多様な目的がある
• 利益最大化
• 様々な利害関係者
企業の経営方針の適正化と合理化を図る
株主総会
• 株主を構成員とする
• 会社の基本的な方針や重要な事項を決定
• 「株主平等の原則」
経営方針の決定権限における最高機関
取締役会
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取締役全員による構成
株主総会で決定された企業方針に従う
会社経営について決定する
取締役を監督
会社経営の決定権限における最高機関
監査役会
• 3人以上の監査役が必要
• 半数以上は社外監査役
• 監査役から情報を受ける
• 監査報告の作成
• 監査役の職務執行に関する事項の決定
4.コーポレート・カバナンスの主権
~誰の利益を優先するか~
• 株式会社は誰のために経営されるべきか
• 伝統的な「株主主権論」
適切なのか
4.コーポレート・カバナンスの主権
~誰の利益を優先するか~
• 利害関係者=ステークホルダー
• 多種多様な利害関係
• 企業と関わるのはメリットがあるから
• 全てのステークホルダーを考慮すべき
4.コーポレート・カバナンスの主権
~誰の利益を優先するか~
• 「株主主権論」で株主の効用最大化を目指す
• その他ステークホルダーの離反
• 効用最大化ならず
• 「会社は社会の公器」
• 「企業の社会的責任(CSR)」
• 社会全体の効用最大化を目指すべき
企業統治の問題点について
プリンシパル=エージェント問題
―モラルハザードー
• 「所有と経営の分離」=「委任者と受任者」
株主=委任者(プリンシパル)
• 企業の状態に無知、また知識も乏しい
経営者=受任者(エージェント)
• 経営状況、財政状態を詳しく把握
「情報の不一致」
プリンシパル=エージェント問題
―モラルハザードー
• 情報格差
経営者=情報優位者
• データ改ざん
• 不正な経営
• 2001年 エンロン事件
モラルハザード
プリンシパル=エージェント問題の解決
策
• 2003年、委員会等設置会社を導入
→指名委員会、監査委員会、報酬委員会
• すべての株式会社は任意で設置
委員会
• 指名委員会
→株主総会に提出する取締役の選任に関
する議案内容の決定
• 監査委員会
→監査役と同じ権限、職務
• 報酬委員会
→取締役及び、執行役の報酬の内容の決定