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ICSE 2011勉強会 (2011年7月5日)
担当者: 丸山 勝久 ([email protected])
ICSE 2011勉強会の開催にむけてご尽力
頂いた方々に感謝いたします
企業における実際のデータを分析したことで得
られた結果や知見は資料価値が高い - ★★★★
定量的分析と定性的分析の両面から,結果
に対する丁寧な解釈を与えている - ★★
MDE導入における良い影響だけでなく悪い影響に関する知見も得
られるようにデータの収集方法(質問項目)を工夫している - ★★★
MDEやデータ分析手法に関する前提知識を要求し,
一部の読者には読みにくい -
?
MDEを導入するかどうかを決め
るための方針が足りない
研究動機
調査手法
良い影響
悪い影響
12ヶ月間の
実証的研究
MDEを導入すると
MDE
実践者
論文
技術的側面だけでなく
組織や社会的側面からも調査
22人の専門家(17の企業から)に
電話インタビュー(定性的)
 企業において,どのように
Webサイトを通して250件以上の
アンケート結果を収集(定量的)
SPES 2011
MDEが適用されているのか
 MDEの成否に影響を与える
重要な因子は何か
調査目標
1

アンケートに関する情報



およそ15分以内(短時間)に完了するような質問を設定
アンケート回答者
 ソフトウェア工学の実践経験が10年以上が44%
 開発者/設計者が36%,チームリーダ/プロジェクト管理者が
37%
 従業員数が100人未満の企業が52%, 1000人を超える企業が
19%
 60%が複数のMDEプロジェクトにおける経験有り
 83%はMDEを良いと思っている.5%は良いと思っていない
 58-66%はMDEが生産性と保守性に効果があると思っている.
17-22%がそう思っていない
インタビューに関する情報


およそ45-60分間,電話で直接会話
 全体でほぼ20時間分(130,000個を超える単語)を記録
企業における経験を考慮して決定
 学術会からの紹介から開始し,雪だるま式に回答者を追加
SPES 2011
2

アンケートにおけるデータの収集と解釈



単純な統計処理により数値化(定量的分析)
 複数回答可.Likert scale(X段階評価)を採用
良い影響と悪い影響のバランスに関する知見が得られるような質問
を用意
 ただし,相反する質問であることに気付かれないように工夫
最初の質問
次の質問
コード生成を利用することは,あな
たの生産性を向上させるために重要
な観点ですか?
あなたが現在関わっているプロジェクトに
おいて自動生成されたコードを組み込むこ
とは重大な問題となり得ますか?
インタビューにおけるデータの収集と解釈


結論ではなく,興味深く示唆的な結果が得られるようなやり取り
 因果関係の発見よりも,MDEの経験や実践に対する感性を抽出
“grounded theory”を用いた定性的分析
 単なる分析者の意見とはならないように考慮した分析手法
 インタビューの筆記録に現れる特徴語やパターンに基づき知見
を導出
SPES 2011
3
参考: MDEを導入することによる影響 [Table 1から引用]
Impact Factor
生産性
移植性
MDEの影響に関する具体的な例
良い影響(positive)
悪い影響(negative)
開発時間
コードを自動生成することで減
少
機械処理可能なモデルの作成やモデ
ル変換の実現のために増加
テスト時間
自動生成されたコードにはつま
らない誤りが少なく,モデル
ベールでテスト可能なので減少
モデル変換の正しさの検査やモデル
の妥当性検査に費やす手間により増
加
より創造的な解や全体像を得や
モデリングに
すい
おけるROI
モデル麻痺に陥りやすい(モデル作
成に費やした労力の割に得られる効
果が少ない)
新しい環境へ 新しい環境に即した変換セット
の移植にかか を単純に適用するだけなので減
少
る時間
新しい変換セットの用意や既存の変
換セットのカスタマイズの手間によ
り増加
自己文書化されているので新し
いスタッフが既存システムを理
解しやすいので減少
自動生成されたコードは理解しにく
い可能性を持つため増加
理解に
かかる時間
保守
保守時間
モデリングレベルで保守可能で, モデルとコードを常に同期させてお
追跡可能性リンクが自動的に生
くことが必要なために増加
成されるので減少
4