プログラミング演習Ⅱ 第8回 マクロ・列挙体等 情報・知能工学系 山本一公 [email protected] 前回の課題の解説・ポイント(1) • 課題6-1 – プログラムそのものは特にどうということはない – 出力は全部 unsigned にキャスト – – – – – – – – char / signed char / unsigned char : 1 byte signed short int / unsigned short int : 2 byte signed int / unsigned int : 4 byte signed long int / unsigned long int : 8 byte signed long long int / unsigned long long int : 8 byte float : 4 byte double : 8 byte long double : 16 byte 前回の課題の解説・ポイント(2) • 課題6-2 unsigned lrotate(unsigned x, int n) /* 左回転 */ { return (x << n | x >> (sizeof(unsigned) * 8 – n)); } unsigned rrotate(unsigned x, int n) /* 右回転 */ { return (x >> n | x << (sizeof(unsigned) * 8 – n)); } – 説明スライドの通り – 右シフトと左シフトを組み合わせることで回転を実 現する 課題5の採点結果から • 課題5−2 – 今の関数呼び出しが初めてかどうか(Wを直接返すか どうか)を判定するために、変数を用意すること自 体は正しい – その変数の初期値として0を代入しておき、その変数 が0なら初めての呼び出しなので、1を代入すれば良 いだけ – 呼ばれる度にその変数に1を加算する必要はない • 初めてかどうかだけが判定できれば良いのだから • 加算し続けると、そのうち0に戻ってしまって、予期せぬ不 具合が起きる可能性がある 課題6の採点結果から • 課題6−2 – ビット数を数える必要がある • やり方は正しければ何でも良い – 大域変数countを用意して、count_bits()でカウ ントさせている人がいる • この場合、rrotate()/lrotate()より先に、count_bits()が 一度呼び出されている必要がある – それをプログラマがやらないといけない • 関数が独立していない。使うとき注意が必要にな る – 実装としてあまり好ましくない 今日の内容 • 教科書 pp.183~193, 198~205 – 再帰は来年になってから • 関数形式マクロ – コンマ演算子 • 列挙体 – 列挙定数 • 入出力と文字 – getchar(), putchar(), EOF – JISコード (ASCIIコード) 関数形式マクロ(1) • 関数っぽくマクロを書くことができます #define sqr(x) ((x) * (x)) /* 二乗を計算する関数形式マクロ */ … printf(“その数の二乗は%dです。\n”, sqr(nx)); – 引数・返却値の型を気にしなくてもよい • ただし、自動的に型が拡張されるので注意! – マクロなので、コンパイル時に展開される • 通常、プログラムサイズ⇒大、速度⇒高 関数形式マクロ(2) • 副作用に注意 – sqr(a++) ⇒ (a++)*(a++) – 意図しない結果に! • 引数・マクロ全体を ()でくくろう! – 式を入れるとおかしなことに #define add(x,y) x + y … z = add(a, b) * add(c, d); ⇒ z = a + b * c + d; 意図しない結果に! 関数形式マクロ(3) • “{“と”}”で囲んでブロックを作って、その中に 処理(複数の文)を書く • 「手続き形式マクロ」とも呼ぶ #define putsa(str) { putchar(’_a’); puts(str); } • 教科書では間違いの例として紹介されているが 、 if文のブロックを”{”と”}”で囲まなかったのが問 題 • この書き方自体が悪い訳ではない コンマ演算子 • “,”で式をつなぐと、一つの式になる – 左から順に評価される – これを利用して、先の例を常に問題が出ない ように書き直すことができる – 警報を発して文字列を表示するマクロ #define putsa(str) ( putchar(‘\a’), puts(str) ) 関数形式マクロの 展開のされ方を見る • コンパイルするときに、gccにオプションとし て”-E”を与える – “gcc –E list8-1.c” のようにする – コンパイルされず、前処理 (preprocess) だけが行われ る • C言語ソースファイル中の”#”で始まる行の処理(#defineや #include)だけが行われる • 関数型でもマクロなので「コンパイル前に文字 の置き換えが行われるだけ」なことに注意せよ 列挙体(1) • 値の集合を表すデータ構造 – メンバーに順番に値が割り当てられる enum animal { Dog, Cat, Monkey, Invalid }; /* Dog = 0, Cat = 1, Monkey = 2, Invalid = 3となる */ enum animal select(void) /* 返り値がenum型 */ { int tmp; … return (tmp); /* 実際の返り値はint型 */ } – 列挙定数はint型 列挙体(2) • 列挙体メンバーは定数 – case文で使える enum animal selected; do { switch (selected = select()) { case Dog : dog(); break; case Cat : cat(); break; case Monkey : monkey(); break; } while (selected != Invalid); – 上手く使えれば便利 列挙定数 • 列挙定数は値を変えられる enum animal { Dog = 1, Cat, Monkey, Invalid }; /* Dog = 1, Cat = 2, Monkey = 3, Invalid = 4となる */ • 途中でも変えられる enum animal { Dog, Cat = 3, Monkey, Invalid }; /* Dog = 0, Cat = 3, Monkey = 4, Invalid = 5となる */ • 月名と月数の対応 enum month { January = 1, February, March, April, …, December }; 入出力関数とEOF • getchar() – 標準入力(キーボード)から1文字読み込む – 返却値は int 型。読み込んだ文字を返す – ファイルの終端かエラーでEOFを返す • EOF: ファイルの終端( End of File)の意。 stdio.h内で定義されている。 • putchar() – 標準出力(端末画面)へ1文字書き込む – 返却値は int 型。書き込んだ文字を返す – エラーでEOFを返す 文字(1) • 文字には「文字コード」という数値が 割り当てられている – 文字はコンピュータ内部では数値として 扱われている • JISコード表(p.200, Table 8-1) – アルファベット・半角カナと文字コードの 対応表 • アルファベットの部分はASCIIコードと同じ 文字(2) • 1文字をシングルクォートで囲むと 文字コード(数値)になる ‘0’= 0x30, ‘1’= 0x31, ‘A’= 0x41, ‘a’= 0x61, …… • 拡張表記 – p.203, Table 8-2 – printf()やputs()の中でも使う 今週の課題 1. 教科書p.187, 演習8-3のプログラムを作成せよ。 main関数等も作成して、完成したプログラムを 作成すること。 gccに”-E”オプションを与えて、関数形式マク ロが正しく展開されていることを確かめること。 2. 教科書p.205, 演習8-8のプログラムを作成せよ。 ※ヒント:基本的には、1文字ずつ読み込んで、 改行があったら数えている行数を増やせばよい。 行の途中でEOFは出ないと考えて良い ※キーボードからEOFを出すには”Ctrl + D” レポートについて • 電子メールで提出 – 提出先は [email protected] – Subjectを「プログラミング演習2 課題7提出 号・氏名 」とすること – C言語ソースファイルを添付する 学籍番 • メールの本文には何も書かなくて良いです – ソースファイルの頭にコメントで以下の情報を入れる • 学籍番号・氏名 • プログラムの説明(どのように動くのか、工夫した点等) • 実行結果(長い場合は一部)を貼る – 提出締切は、12月12日(水) 12:00 (1週間後) 授業用Webサイト • URL: http://www.slp.cs.tut.ac.jp/~kyama/programming2/ – 課題のpdfファイルが置いてあります。 – 授業で使ったpptファイルを置いていきます。 • 質問メールは、以下のどちらかのアドレスまで – [email protected] – [email protected] • C-515へ直接質問しに来ても構いません
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