大阪信用保証協会 中期事業計画の概要 信用保証協会の

大阪信用保証協会 中期事業計画の概要
■ 信用保証協会のミッション
■ 現状(保証実績等)
信用保証協会法に基づいて設立された
法人として、府内中小企業者に対し
「信用保証」を行うことにより、中小企業
金融の円滑化という社会的使命を継続
的に果たしていくことを通じ、中小企業者
の健全な発展と大阪産業の活性化
に資する。平成26年5月に旧大阪市信
用保証協会との合併により、地域で唯一
の保証協会となったことを踏まえ、経営資
源の有効活用、経営基盤の強化を図り、
中小企業者の経営の安定・成長を行う。
府内中小企業・小規模事業者におけ
る資金需要は、景気の緩やかな回復
基調の中にあっても、低金利下での競
合から生じる中小企業・小規模事業者
の厳しい選好により、協会保証付融資
に対する積極的な資金需要の増加に
つながっていない状況。
また、各種政策効果や期中支援態勢
および金融機関との連携強化などにより
延滞事故発生は減少し、代位弁済額
も減少。
(単位:百万円)
保証承諾額
保証債務
残高
H24
H25
692,542
681,889
H26見込
684,000
3,160,313 2,908,434 2,670,000
代位弁済額
96,215
75,703
66,500
回収額
22,952
20,785
16,500
■ 課題認識
 合併により、地域で唯一の信用保証協会となった
ことを踏まえ、経営資源の有効活用、経営基盤の
強化に努めることで信用保証業務を充実させ、中
小企業・小規模事業者の創業、成長、経営安定
を支援の強化が求められている。
 金融円滑化法により条件変更先が増加している
中、府内中小企業の業況悪化を未然に防ぎ、代
位弁済を抑制するうえで、期中支援に注力してい
く必要がある。
(※旧府協会 旧市協会合算数値)
信用補完制度の持続性を高めるため、責任共有制度の更なる利用促進を図り、地域に密着して府内中小企業者をサポートできるよう、7の目標
事項を掲げ、役職員一丸となって取り組んでいく。
■ 7の目標事項と具体的取り組み
【1】 適正保証の推進・安定的な資金供給
○ 責任共有制度保証(金融機関提案型融資、提携保証等)の利用を
積極的に推進。
○ 金融機関の適正保証の取組みに関する認識の強化。
○ セーフティネット保証等による資金供給を通じた下支え。
○ 保証審査研修体系の充実による目利き審査能力の向上。
○ 中小企業のニーズに対応する利便性の高い保証商品開発に向け、金
融機関等と検討を進める。
○ 関係機関との連携等による情報共有化や審査体制の強化により、反
社会的勢力排除・不正利用の防止。
【2】 創業支援の充実
○ 創業予定者に対する創業計画策定支援・創業ノウハウ等の習得機
会の提供。
○ 同機会等の利用により、適正な創業計画を策定した創業予定者等
への積極的な保証取組みによる金融支援の実施。
○ 創業者の経営の安定、発展を支援することを目的とした、保証取組み
後のフォローアップ、経営指導等の経営支援の実施。
【3】 期中支援・経営支援・再生支援の強化・充実
○ 条件変更先に対するモニタリング態勢の強化及びフォローアップ態勢の
構築を行い、中小・小規模事業者の経営改善を図り、事故を未然に防
ぐ取組を強化。
○ 金融機関の再生支援部署や中小企業再生支援協議会等との連携。
○ 事故延滞発生時の金融機関との連携強化による実態把握の徹底。
【4】 回収の最大化・効率化
○ 期中管理部門との連携強化による、早期に回収相手方に応じた効果
的な回収手段を着手。
○ 無担保求償権を原則、サービサー委託とし、督促管理を強化。
○ 債務者等の状況を考慮しつつ、有担保求償権は担保物件の処分促進。
○ 回収見込みのない求償権の管理事務停止及び求償権整理。
【5】 経営基盤の強化
(1)人材の確保・育成
○ 人材の固定化、組織硬直化を回避するため、組織力の強化に資する
人材確保。
○ 職員の専門性の向上や指導力・マネージメント力向上に主眼をおいた
各種研修制度の実施。
(2)効率的で活力のある組織運営
○ 職員の活躍推進への取り組みによる人的資源の活用。
○ 人事諸制度に基づく厳正で公平な処遇による人事管理の継続等に
より、効率的で活力ある組織運営。
(3)人的資源の重点配置
○ 保有する人的資源について、経営支援業務などの重点業務への配置。
(4)職員の健康保持増進
○ 職員の更なる健康の保持増進。
(5)安全かつ効率的な資金運用
○ 安全かつ効率的な分散投資を行うことで、安定的な運用収益の確保。
(6)危機管理
○ 緊急事態対策について周知を図るとともに、避難訓練・安否確認訓
練を実施することで、危機管理態勢の維持・強化。
(7)広報の充実
○ ホームページ等を活用した広報活動や各種セミナー等に参加すること
による認知度向上や信用保証制度の理解向上。
(8)コンプライアンス態勢の維持・向上
○ コンプライアンスを推進し、コンプライアンス態勢の維持・向上に努め、健
全かつ適切な業務を遂行。
○ 年度ごとに策定するコンプライアンス・プログラムの進捗状況の
把握、達成状況の評価等をコンプライアンス委員会で実施。
○ 研修等を通じた、コンプライアンスに係る知識の習得とマインド
の醸成。
○ 個人データの安全管理対策の維持・改善。
【6】 顧客サービス向上への取組み
○ 顧客アンケートを実施し、顧客満足度向上に向けて業務改善。
○ 苦情発生時の速やかな原因分析・再発防止策の周知と防止
策実施のフォローアップ。
【7】 ORBITコンピュータシステムの共同化・システム
統合に向けた取組み
(1)ORBITコンピュータシステムの共同化
○ 新たにORBITコンピュータシステムの運営・管理を行う運営
会社を設立するなどORBITコンピュータシステムの機能強化・
発展を目指す。
(2)システム統合に向けた取組み
○ 合併効果の最大化を図るために、最終的なシステム統合に
向けた取組み。
■ 事業計画
26年度
27年度
28年度
対前年度
計画比
29年度
対前年度
計画比
見込
金額
693,000
684,000
700,000
101.0%
730,000
104.3%
2,620,000
2,660,000
2,340,000
89.3%
2,270,000
97.0%
2,250,000
99.1%
代位弁済額
74,800
66,500
63,000
84.2%
57,000
90.5%
52,000
91.2%
実際回収額
16,500
16,500
13,000
78.8%
10,900
83.8%
9,400
86.2%
保証承諾額
保証債務残高
金額
対前年度
計画比
計画
金額
770,000 105.5%
※ 信用保証協会法第35条第1項に基づく国への報告事項
● 保証承諾額
景気の低迷により、前向きな資金需要が乏しい状況であったが、昨今の景気回復基調により、保証承諾の低下傾向は下げ止まりの状況となっている。
ただ、現在の資金需要については、金融機関の金利競争が激化する中、保証協会の保証付融資については、かなり厳しい状況を勘案し、平成27年度を7,000億円とした。
平成28年度以降は、一定、景気の回復が見込み、約定弁済の進行に伴う資金需要が徐々に発生すると考えられることから、28年度7,300億円、29年度7,700億円の見込みとした。
● 保証債務残高
平成26年度残高見込に、承諾額(27年度7,000億円、28年度7,300億円、29年度7,700億円)、代位弁済(27年度630億円、28年度570億円、29年度520億円)、
償還額(27年度9,570億円、28年度7,430億円、29年度7,380億円)を加減して算出した。
● 代位弁済
各種政策効果や期中支援態勢および金融機関との連携強化などにより延滞事故発生は減少し、代位弁済額も減少している。また、計画においては、条件変更残高は減少してい
るものの、保証債務残高に占める条件変更残高の構成比は高止まりしており、事故を未然に防ぐ取組を強化すること等により、引き続き実績見込を下回るものとした。
● 実際回収
新規の有担保保証の代位弁済の減少や、第三者保証人を徴求しない無担保保証の増加等により実際回収額の減少傾向が続く見込みとした。
■ 収支計画(参考)
(単位:百万円、%)
26年度
計画
27年度
見込
金額
28年度
対前年度
計画比
金額
29年度
対前年度
計画比
金額
対前年度
計画比
平残代位弁済率
2.71%
2.41%
2.52%
93.0%
2.47%
98.0%
2.30%
93.1%
収 支 差 額
7,427
7,711
4,804
64.7%
3,442
71.6%
2,471
71.8%