通信教育課程のレポートの書き方

通信教育課程でのレポートの書き方
通信教育部副部長
岡原正幸
2012/10/20
レポートの目的
① テキスト内容の整理と習得
② 試験勉強の土台作り
③ 卒業論文作成に必要な論理的思考能力・文章力
の強化
④ 卒論のテーマづくり
⑤ 科目単位修得
⇒ レポ-トの作成は、学ぶ力をつけ、将来自分が
答案や卒業論文を作成するための基盤を固める
意味がある。レポート採点は、そのための教育的
指導の機会であり、通信教育の根幹となるもの。
教員からのコメント 日本史概説(専門科目)
• 文章をまる写しせず、内容を咀嚼して、自分の言葉で書くこ
と
• 文章が論理的であること
• 事実と自分の意見を書き分けること
• 参考文献の選定が学問的であること
◎学問的な成果に基づいて著された一般向け新書、概説書、
専門書、論文
×ビジネスマン向けの処世術書、歴史小説
教員からのコメント 生物学(総合教育科目)
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テキストをしっかり読むこと
自分の言葉で書くこと
(文献に引きずられない)
自分自身で考えること
文を短くすること
問題の趣旨を正確に理解すること
教員からのコメント 社会学(総合教育科目)
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テキストは参考文献のひとつ
自分の言葉より他人の言葉を集める
他人のものは他人のものと明示する
「社会学的に」つまりテキストを土台にする
論述内容の優劣より、論述形式の優劣
教員からのコメント 『学習のすすめ』より
• 「レポートの書き方」
• 「レポートの作成方法・表記
法・引用法」
• 「よいレポートを作成するため
に」
• 『テキスト科目履修要領』
レポート作成の実際
テキストの内容を理解していることを採点者に伝え
るための文章を書き、合格を得る。
テキストを読む
レポートを書く
テキストを読む
1.テキストを選ぶ
2.テキストの読み方
3.書き出し作業
テキストを読む
1.テキストを選ぶ
2.テキストの読み方
3.書き出し作業
• 自分で選ぶ
(理解できるものを探す努力をする。
文献には相性もある。
誰にも読みやすいものはない)
• 1冊だけではだめ
(複数のものをまとめるときに自分らしさを出せる)
テキストを読む
1.テキストを選ぶ
2.テキストの読み方
3.書き出し作業
・ わからない部分は気にせず通読する
(まず全体像をつかむ)
設問を意識しながら読む
・ 何回も読む
(次第に鮮明になってくる)
・ 全体と部分の連関をとらえる
(設問の意味を正確に捉えるようになる)
テキストを読む
1.テキストを選ぶ
2.テキストの読み方
3.書き出し作業
・ テキストにマーカーをひく/ポイントやキーワード
(疑問や思いつきなど、書き込みを入れる)
・ 重要な箇所の書きうつし(カード、メモ帳、PC)
・ 要点の箇条書き(サブノート)
レポートを書く
1.材料
2.構成
3.執筆
4.文献
5.推敲
5.推敲
テキスト、参考文
献、資料、調査や
実験データ
6.脱稿
レポートを書く
1.材料
2.構成
3.執筆
4.文献
5.推敲
・ テキストの文章を自分の文章で組み立てる
(設問の理解に自信がないならテキストの理解がまだ
足りない)
教科書を(ざっと)読む
設問を理解する
教科書を(設問に照らして)読む
テキストの理解
が第一
設問に適う
レポートを書く
1.材料
2.構成
3.執筆
4.文献
• ①序論 ②本論 ③結論 ④文献リスト
• 段落の素案を練る(見出しがつけられる)
(段落ごとに言いたいことは一つのみ)
• 段落間の関係を考えて配列を決める(物語になる)
具体的アドバイス
・ 声に出してみるとよい
・ 単語ではなく文章で書く
5.推敲
レポートを書く
1.材料
2.構成
3.執筆
4.文献
• 段落内での流れが明確になるように
• 事実と自分の意見を明確に区別する
• 平易な文章、短い文章で書く
• 論証/論述
http://project.lib.keio.ac.jp/kitie/write/02.html
5.推敲
構成がしっかり、
できている
レポートを書く
1.材料
2.構成
3.執筆
4.文献
5.推敲
・ テキスト+5冊以上(ネット上の資料)
文献を利用する→参照/引用する
・ 参照/引用→他者の意見や事実の出所を明記
・ 著者名、書名、出版社、発行年、参照引用ページ
・ その他、学問分野ごとの流儀を守る
文献を使いこ
なす
レポートとは
「文献蒐集」
レポートを書く
1.材料
・
・
・
・
・
•
2.構成
3.執筆
4.文献
5.推敲
言いたいことが伝わるか(声に出す)
論理的矛盾はないか、物語としての流れがあるか
誤字脱字はないか
句点読点は適切か
文体は統一されているか
禁則処理や用紙の使用
レポートは他者に
向けた「作文」
1. レポートの「形式」に関する評価項目、実
質的内容主張に関しての評価ではない
1. 「論述する」ことの練習
1. 学問的な「知識」の習得
1. 「卒論」の準備段階
レポートの形式
1.材料
2.構成
3.執筆
4.文献
5.推敲
• レポートという「型」を早く身につけること。
• 型の必須項目は、「構成」と「文献」であること。
まとめ
• レポートという作業
テキストの内容を理解していることを採点者に伝え
るために、特有の形式で文章を書くことが「基本」
テキストを読む
レポートを書く
読者=採点者に、自分がテキストの内容を理解していることを
伝える努力をする
A
① 必要な情報が的確に言及されていること
→ テキスト内容の十分な理解と文献参照
② 議論の流れが円滑で、構成がしっかりして
いること
→ 十分な準備の形跡
③ 新たな発見に向けた知的好奇心の旺盛さ
が反映されていること
→ 学ぶことの喜びと問題意識の深化
D
① 準備に労力をかけた形跡が見られない、お手軽な
レポ-ト
→ 不鮮明な論旨、ずさんな構成、テキストや
参考文献のパッチワーク
② 設問の意味や注意事項を理解していないレポート
→ 何でもいいから何か書けばいいというもの
ではない
×
a 窃盗(剽窃/引用の不備という過失)
b 暴行(殴り書き)
c マルチ商法(意見や感情の押し売り)
d 差別(著者などの属性からだけ解釈)
e 詐欺(使い回し、他人のレポートの借用)
http://project.lib.keio.ac.jp/kitie/cite/basics/16.html
参考ウエッブ
• 私の私的な通信学習用ホームページ
http://correspondence.jimdo.com/
• 日吉教養研究センター版アカデミックスキルズ
http://project.lib.keio.ac.jp/kitie/index.html
おわりです。
お疲れさまでした。今日の話を参考にして、テ
キスト科目のレポートを、どんどん提出して、
どんどん合格しましょう。
レポートに向けた学習は、みなさんの総決算で
ある卒業論文への第一歩です。
着実に。
ありがとうございました。