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飲酒運転の危険性
理学部 数理化学科 平成21年度入学
09311035 橘 隼人
1.飲酒運転とは
何故人は「酔う」のか。「酔う」とはどのようなことを言うのか。
酒類に含まれるアルコールは、中枢神経系に作用して脳の神経活動
を抑制(麻酔作用)する物質である。つまり酒を飲むことで、運動機能
の低下、理性・自制心の低下、動体視力・集中力・認知意能力・状態判
断力の低下などが人の身に生じる。これが「酔っている」状態である。
多くの国において免許の有無にかかわらずアルコールの影響下にあ
る状態での運転を禁ずる法律が作られている。日本においては、道路
交通車両等の場合は道路交通法第65条代第1項で「何人も、酒気を帯
びて車両等を運転してはならない」と規定されており、この法律の「車
両等」には自動車やオートバイ(原付含む)だけでなく自転車等の軽い
車両、さらにトロリーバス、路面電車も含まれる。鉄道車両や、航空機、
船舶などもそれぞれ別の法律で酒気帯びの操縦は禁止されている。
2.飲酒事故の推移
(件数)
飲酒事故年推移(発生件数) 件数
4000
3500
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
13年
14年
15年
16年
17年
18年
19年
20年
(年度)
飲酒運転による交通事故は、平成13年の道路交通法改正に
よる飲酒運転者に対する厳罰化、平成19年の更なる厳罰化や
飲酒運転した者の周辺者に対する罰則の強化により大幅に減
少している。
飲酒事故年推移(死者数) 死者数
(人数)
60
50
56
45
35
40
30
24
25
15年
16年
26
23
22
20
10
0
13年
14年
17年
18年
19年
20年
(年度)
前スライドのグラフと比べるとわかることだが、飲酒事故の発
生件数事態は減少しているものの、死者数については平成15
年以降ほぼ横ばいの状態が続いている。
3.飲酒運転の処罰
運転者に対する処罰
運転者以外の周囲の責任についての処罰
[罰則]
酒酔い運転
酒気帯び運転
5年以下の懲役又は
100万円以下の罰金
3年以下の懲役又は
50万円以下の罰金
[違反点数] ※平成21年6月1日の法改正から点数引き上げ
違反種別
点数 改正後
酒酔い運転
25点
35点
酒気帯び運転
0.25mg以上 13点
25点
0.25mg未満
(呼気1リットル中のアルコール濃度)
6点
13点
(0.15mg以上)
[車両提供者は運転者と同じ処罰に!]
運転者が酒酔い運転
5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
運転者が酒気帯び運転
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
[酒類の提供・車両の同乗者]
運転者が酒酔い運転
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
運転者が酒気帯び運転
2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
平成19年9月19日に施行された改正道路交通法では、未だに
なくならない飲酒運転や飲酒運転を隠そうとする悪質な運転者
(ひき逃げ)に対する罰則強化のほか、道路交通法では罰則が
なかった車両提供や酒類提供、飲酒運転車両への同乗につい
ても罰則が設けられた。
また、道交法以外にも刑法208条の2より飲酒運転で人を死傷
させた者は、危険運転致死傷罪の適用を受け、最長20年の懲
役を科せられる。
さらに、刑法の改正以前は、「四輪以上の自動車」が対象だっ
たが、「自動車」に改められ「二輪や三輪の自動車」や「原動機
付自転車」も含まれるようになった。
4.飲酒運転対策
飲酒運転が社会問題化するなか、酒類提供飲食店等に対す
る目も厳しいものとなって、道路交通法の一部改正(平成19年9
月19日施行)により、直接罰則を受けることとなった。
それに対する取り組みのひとつとして、財団法人「全日本交通
安全協会」が全国的にすすめている飲酒運転を根絶するため
の運動「ハンドルキーパー運動」(平成18年10月27日から実施)
がある。「ハンドルキーパー運動」とは、「自動車で仲間と飲食店
などへ行く場合に、お酒を飲まない人(ハンドルキーパー)を決
め、その人が、仲間を自宅まで送り届ける運動」のことである。
道交法改正により同乗者も刑事罰の対象となった今、このよう
な働きは必要ではないだろうか。
5.参考・引用
参考ホームページ
・警視庁ホームページ
URL: http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/anzen/sub2.htm
・Wikipedia(飲酒運転)
URL: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%B2%E9%85%92%E9%81%8B%E8%BB%A2