fig09

Local resource competition 理論
オスは生まれたパッチを出てほかのパッチで交尾。
メスは生まれたパッチに留まる。
パッチの資源が多いとき →
メス間の資源をめぐる競争がない
メスを多く産む
パッチの資源が少ないとき →
メス間の競争が激しい
オスを多く産む
LRCがあるときのESS性比
パッチにおける雌の最大収容数はnであり,生息地には,mの
パッチが存在する。雄は成熟すると産まれたパッチを離れ,他の
パッチの雌と交尾をする。雌は,産まれたパッチに残り,1雌あ
たりb頭の子供を産むがそのうち繁殖雌になるのはn頭である。性
比rの集団に,r'の性比で子を産む突然変異の雌があるパッチに
生じたとする。
Wt = r'遺伝子を持つ娘の数(孫を産む個体のみ)+ r'遺
伝子を持った息子と交尾した雌の数
突然変異が出現し
たパッチの総オス数
b(1  r' )
br'
Wt  n
 n(m  1)
(n  1)b(1  r )  b(1  r' )
(m  2)brn  (n  1)br  br'
突然変異メスが出たパッチで最終的に生き
残った突然変異遺伝子を持つメス数。どのメ
スも生存率は同じ
突然変異がでたパッチ以外のすべての
パッチにおける生き残りメス数 x
突然変異遺伝子をもつオス/オス全数
(雌が羽化したパッチで羽化したオスを
除く)
mがnに比べて十分大きいと,n(m-1)…の項はr'/r。
Wt
 0,
r '
r  r'
を満足するr’を求める
r’ =
n/(2n-1)
nが増加するにつれてrは減少
少。
霊長類
クロハラカマバチ
オス 有翅
メス 無翅
1.0
* **
Proportion males
0.8
0.6
* *
*
0.4
0.2
0.0
* **
10
20
40
80
Host density (log scale)
図2 寄主密度と性比(雄率)の関係。●, 2分以上パッチを離れた場合に実験を
終了した場合(2分離脱基準); ○, 3分以上パッチを離れた場合に実験を終了した
場合(3分離脱基準); *, 羽化数が3頭以下の場合。
性選択(Sexual selection): 配偶者を得る際の有利な形質の進化過程
同性内選択 intrasexual selection
理解しやすい
牡鹿の角,
カブト虫の雄の角,
ゾウアザラシの雄の大きな体
異性間選択 intersexual selection
なぜ以下のような形質が進化するのか?
クジャクの雄の羽,
ヨシキリのさえずりのレパートリー数、
グッピーの雄の美しい体色と大きい尾びれ
ガガンボモドキなどで見られる婚姻贈呈(nuptial gift)
(これは理解しやすい)
スゲヨシキリ
ガガンボモドキ
ラナウェイ仮説(sexy sons 仮説)
♂
♀
長い尾が好き
オスで長い尾を持つ
最初,長いオスを持った個体は適応度も高い
長い尾を好まないメスが突
然変異で出たとき,
この息子は相対的に短い
尾を持っている確率が高く,
メスと交尾するチャンスが
減り。不利である。
しかし、みんなが同様に長
いオスとなる遺伝子をもっ
ていれば、増えるかもしれ
ない。特に選り好みにコス
トがかかるときは。
雌間にある感覚上の好みの利用
ハンディキャップ仮説(handicap hypothesis)
雄の派手な飾りは,その個体がハンディキャップ(飾り)
に耐えられるあるいはそれを担うだけの能力を持っている
ことを示す確実なシグナルとして発達してきた
─────────────────────────────────
モデルの種類
ハンディキャップ雄 ハンディキャップがない雄
─────────────────────────────────
固定
HV* Hv*
hV hv おおよそのシグナル
条件付き
HV*
Hv hV hv
暴露
HV* Hv
hV hv 雌が識別できる
─────────────────────────────────
H:ハンディキャップを発現させる遺伝子,
h:ハンディキャップを発現させない遺伝子,
V:生存力を高める遺伝子,
v:生存力を高めない遺伝子
*がついた雄が選ばれる
ハンディキャップ仮説では,雄の間に適応度の遺伝的変
異があることを前提としている。しかし,自然界におい
ては,適応度(生存力)に関して常に大きな遺伝的変異
があり続けることはあまりないと考えられているため,
この説には,批判が多かった。
しかし,最近,Hamilton & Zuk (1982)は,寄主と寄生者
の関係を考えるとき,赤の女王効果のため,寄主の寄生
者に対する抵抗性に関しての遺伝的変異は常時あり続け,
その抵抗性を持っていることを雌に知らすため派手な飾
りが発達してきたと主張した。
3.両仮説が成り立つための基本的条件
a)両者とも,雌の好みが相対的であることを仮定している。
b)ラナウェイ仮説が成立するためには,尾の長さに遺伝的変異
が常時あり続けなければならない。一方,ハンディキャップ仮説
は,雄の適応度に関して遺伝的変異が常時あることを仮定してい
る
遺伝的変異が常時ありつづけるための原因
突然変異
赤の女王効果
Mφller(メラー)のツバメ)を使った実験
交
尾
に
い
た
る
ま
で
の
日
数
巣
立
ち
ひ
な
の
数
長い尾をもった個体
はメスに好かれる
切って直ぐつける
長い尾の個体は,
たくさんの子をもつ。
翌
年
の
尾
の
変
化
長い尾を持つの
にコストがかかる
長い尾を持つの
にコストがかかる
(b)(c)雛を入れ替える。
寄生者に対する抵抗力は遺伝する。
実の親の尾の長さ
育て親の尾の長さ
人為的に病原体を感染させる
死亡
生存
免疫物質
生存
死亡