日本語版ダウンロード - プロジェクトマネジメント学会

“Programme Management”を
定義するために重要な観点
(案)
プロジェクトマネジメント学会
標準化検討委員会
Rev 3, 2013.8.1
検討経緯
• PM学会標準化検討委員会では、「母体組織のプロジェクト推進機能」を
まとめたのに続き、ポートフォリオマネジメントについても検討してまいり
ました。さらに、ISO/TC258において「プログラムマネジメント」に関する国
際標準化活動が開始されることに備えて、「プログラムマネジメント」に関
する予備的な議論を重ねてきました。
• 「プログラムマネジメント」に関しては、複数の組織から標準やガイドが公
開されていますが、視点や強調する点に違いがあり、概念的に整理すべ
き事項が残されていると考えております。
• 当委員会では、プログラムマネジメントと見なしうる事例をあげて、その特
徴を分析することにより、プログラム、プログラムマネジメントとは何か、
どういうことが重要であるかを検討し、プログラムやプログラムマネジメン
トの概念を定義する上で重要と考える観点を整理しました。
1.プログラムマネジメントの便益
• プログラムマネジメントを実施するのは、そこに便益があるからである。
– 現実の事業活動において、その活動がプロジェクトであるか、プログ
ラムであるか、あるいはオペレーションであるかによらず、その事業
体の必要に応じた管理が行われる。
– 管理対象の活動をプログラムであると認識し、プログラムマネジメント
に関する知識、ツール、技法等を適用するのは、プログラムとして統
合管理することによる便益があるからである。
例1) 3つのプロジェクトA、B、Cが実施されており、それらを統合管理するこ
とによって、便益が生み出される場合、プロジェクトA、B、Cを合わせてプロ
グラムと見なす。
Programme
X
Project A
Project B
Project C
2.プログラムマネジメントの意図
• プログラムとしてあらかじめ狙った目標、目的があり、その達成に貢献す
ることをプロジェクトが意識していることが重要である。
– プログラムを構成するプロジェクトの全メンバがプログラム目標を意識している必要はな
いが、そのプロジェクトの振る舞いを左右するプロジェクトマネージャ等、主要メンバはプ
ログラム目標への貢献を意図している。
• プロジェクト等の活動の集合体が「プログラム」であるかどうかは、構造の
みによって規定されるのではない。
– 複数のプロジェクトをまとめて管理しても、プログラムではない場合もある。(マ
ルチプロジェクト)
例2) システム運用とシステム改造を同時並行的に実施する場合
– 単に要員や設備を共用しているだけではプログラムとは言い難い
– 運用と改造の活動を協調することで新たな価値を生み出す、または共同して新たな目標
を目指すのであれば、プログラムとなる
例3) 大規模システムを分割し、各サブシステムをプロジェクトとして開発する場合
– プロジェクト間で目標を共有し、調整活動が行われて、単なるサブシステムの集合体以
上の成果が生み出される場合はプログラムとなる
3.プログラムマネジメント機能の割り当て
• 特定の個人がプロジェクトマネージャとして、プログラムマネジメントの全
機能を提供するとは限らない。
– 組織内の複数の機関や個人が分担して機能を果たすことがある。
– プログラムマネジメント機能の一部は、プログラム外の組織に委任さ
れることもある。
例) ある組織にプロジェクトA、B、Cがあり、これらを合わせてプログラムと
してマネージしていたとする。このとき、プログラムマネジメントの機能は、組
織長や、組織長を支える複数のスタッフが提供することがある。また一部の
機能は、プログラム外の組織から提供されることもある。
Programme
Z
Staff-X
Project A
Outsource
Training, Procurement, etc.
Staff-Y
Project B
Function
P
Project C
Organization
S
Function
Q
Functrion
R
4.コンポーネント間の依存度
• プログラム目標の達成には、構成要素たるプロジェクトの成果が必要で
ある。
– プログラムを構成するプロジェクトには、プログラムの目標達成に向
けて、何らかの役割が期待される。
– プログラム目標の達成に向けて、配下のプロジェクト等の目標は、プ
ログラムの定めた戦略に基づいて、調整されることがある。
– 配下のプロジェクト等の成果を必ずしも必要とせず、一定の基準に
従って、プロジェクトの中止や入れ替えが可能な場合は、プログラム
ではなく、プロジェクトポートフォリオである。
5. プログラムの性質
• 組織のビジョン、ミッション、ポリシーに基づいて、組織の戦略および戦略
目標が設定される。
• プログラムは戦略目標達成の手段となる。
• プログラムには始まりと終わりがある。
– プログラムは、プロジェクトより長期間に及ぶことが想定される。
• プログラムは、戦略目標を達成するために、変更されることがある。
– プログラムは、プログラムの内部および外部の状況変化に応じて、配
下のプロジェクトの目標を精緻化、または調整する。
– プログラムは、プログラムの内部および外部の状況変化に応じて、プ
ログラムの目標や期間を見直すことがある。
– 上位のプロジェクトポートフォリオがこのような変更をマネージするこ
とがある。