内戦後のルワンダと政府の方針 吉田菜摘 野町美帆 ガバナンス指標の変化 全体的に改善傾向 特に「政治的安定性」の改善 が顕著 一方で「意見表明と説明責 任」は殆ど改善せず 武内「強権体制の成立と制度化」 依然として政治的不自由 「地元新聞社の40代の幹部は「例えば政府の批判記事を書い たら『民族分離主義者』として逮捕される。批判記事を書ける記 者は逮捕されたか、国外に逃げた」と話す。「融和にはもちろん 賛成だが、もはや民族の問題ではなくなっている。政府に都合 の悪い調査報道は命に関わる」と語った。 野党「ルワンダ民主緑の党」のフランク・ハビネザ代表はRPF の党員だったが、強権的な方針に疑問を感じて離れた。「虐殺 後の1年間は強権的な体制はやむを得なかったと思う。だが今 なお、ルワンダには民主主義、表現の自由はない」と訴える。」 (朝日新聞4月6日) 政権の安定は政府批判が統制されることに よっても成り立っている。 内閣構成の変化 • 政権はRPFのまま(大統領はツチ出身のカガ メ氏) • 内戦直後は大統領や内相といった重要ポスト にフツを起用 • 次第に少数派のツチがポストを独占するよう に ⇒ツチによる権力中枢の独占が進行 内閣構成の変化 「汚職抑制」は著しく改善傾向 少数派ツチを主な支持基盤 にするRPFが政権を維持でき る理由のひとつが「選挙制 度」 ⇒下院の約3分の1、上院の 全議席が地方行政機構など による選出・任命 武内「強権体制の成立と制度化」 政府の意向 • 武内「権力の制度化にあたって、政権はジェ ノサイドをめぐる歴史を政治的に利用してい る」 • ルワンダ憲法33条「エスニック・地域などの分 断を流布することが処罰の対象」 ⇒ジェノサイドの再発防止と共に、反体制勢力 の抑圧にもなる 参考)2003年の対抗勢力・MDRの解党 参考文献 Rwanda Constitution http://rwandahope.com/constitution.pdf Rwanda Education Policy http://www.mineduc.gov.rw/IMG/pdf/EDUCATION_PO LICY.pdf 武内進一「強権体制の成立と制度化―内戦後ルワン ダの国家建設―」、『アフリカレポート』、2010年。
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