廃棄物の処理における循環型社会 について ―埋め立てゼロを目指した廃棄物処理― 2015/1/14 塩生 篤志 1、現状 • ごみの総排出量年間4,523万トン(東京ドーム約 122杯分) • 1人1日あたり964グラム • 最終処分量465万トン(前年より3.5%減) • リサイクル率 20.5%(前年20.6%) H24年度環境省HPより 2、問題点 • 最終処分場がH8年以降減少し、確保が厳しく なっている現状から最終処分場の残余年数 は約14年と算出されており将来ごみを埋める 場所がなくなってしまうという問題がある。 • また、埋め立て処理自体が資源の循環と自 然環境との共生に反しているため持続可能 な社会に受け入れにくいものである。 3、理想 • 基本的に廃棄を再使用、再利用で済ませ、どう してもリサイクルが不可能なもののみを焼却処 分し熱エネルギー回収。直接埋め立ての廃棄物 を出さず、最終処分の廃棄物をゼロに近づける。 • 資源の循環、自然環境に与える悪影響や廃棄 物処理の際発生する温室効果ガス削減等の循 環型社会実現。 4、提案 • 生産の段階で大量消費が見込まれる製品の再利用性や分解可 能な製品であることを推奨させる。エコパックや千葉大のリ・リパッ クのような製品を一般化させる。 • リサイクル率を上げる。現在鉄及び鉄鋼や銅、アルミ、鉛などに比 べて金、銀などの貴金属やリチウムやニッケルなどのレアメタルの リサイクル率が低い。これはリサイクル技術の不足や経済性に見 合うまでの量の確保が難しいためであるが日本だけでなく、国家 間でのリサイクルなどの考えができれば可能性はあるかもしれな い。 • 大量消費を改めるために“もったいない精神”の文化を国の方針と し、国内外にPRする。 5、ゼロエミッション • 1994年に国連大学(UNU)が提唱したゼロエミッション (Zero Emissions Research Initiative)という考え方で今回の 考え方の参考とさせてもらった。 • “人間の活動から発生する排出物を限りなくゼロにする事 を目指しながら最大限の資源活用を図り、持続可能な経 済活動や生産活動を展開する理念と手法”と定義されて いる。 • ゼロエミッションは生態系の食物連鎖からヒントを得た発 想で、ある生産活動によって排出される不要物や排熱を 別の生産活動の原材料やエネルギー源として利用するこ とで環境中への排出量をゼロにしようという考え方。 従来の資源の流れ 理想的な資源の流れ (http://www.restyle.env.go.jp/bknbr/sp/033_01p1.html) 6、循環型社会のデメリット • 消費が抑えられると経済が縮小するおそれがある。 • 資源の消費を抑えると産出国との摩擦が生じるおそれが ある。 • リサイクルシステム等の循環システムの確立や運用にコ ストがかかる。 • 万人にとっての快適な社会となるか疑問である。 • 事業や研究をする際に枷になってしまう可能性がある。 7、まとめ • 今回廃棄物処理の観点から循環型社会について考えてみたが、 ゴミ処理の問題に関してあまり問題視されているという印象は今ま で持っていなかったが、現状は余裕がある状態ではなく、優先順 位の高い問題であると僕は思う。 • また、循環型社会は廃棄物処理問題だけではなく、環境面やエネ ルギー面での持続可能性に関して理想的な社会であるとおもった。 問題となるのは経済性や国民の意識であるが、現在以上にエコロ ジーやリサイクルを推奨して個人レベルでの関心を高める必要が あると思う。 • 江戸時代は循環型社会であったと言われているうえ、「もったい ない」という日本独特の精神があり日本が循環型社会を形成する ことは決して不可能ではないと思う。そのためには技術的、政治的 アプローチを国家的に働きかけることが必要であると思う。
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