クライd班 福嶋香奈・落合里紗・大城万葉・豊村未来 ガイドライン 分類 概数 分類基準 およその数量・数値等を表す数量詞や形容詞につく。 日時・順序・年齢・地点 日時・順序・年齢・地点など、時間・空間のある一点を示す。 分類番号 d1 d2 低程度 話し手が大したことないと思っている事柄や軽視している事柄につく。 d3 同程度 “~と同じくらい”というニュアンスを表す。 d4 それ以上のものが他にないことを示す。「AくらいBはない。」の形をとる。 d5 “ほどほどに”というニュアンスを表す。 d6 「どのくらい」「どれくらい」 d7 限定 “~くらい”を“~だけ”に言い換え可。 d8 強調 ある事柄を強調する際に用いられる。話し手の評価や強調の意を伴う。 d9 一方を嫌う例示 “~のほうがましだ”というニュアンスを表す。 d10 動詞 「位する」 d11 名詞 「位」 d12 その他 熟語の一部など d13 程度 最高の程度 適当程度 不定程度 d1:概数 • 分類基準 おおよその数量・回数・数値等を表す数量詞や形容詞に付く。 • 例文 ・10時間くらいかかる。 ・何人くらいいる? ・少しくらいの水。 d2:日時・順序・年齢・地点 • 分類基準 時間・空間の一点、又は日時・順序・年齢・地点などの区切りを示す。 • 例文 ・木曜日くらいには届くだろう。(日時) ・彼の背の高さは上から8番目くらいだ。(順序) ・60歳くらいまでは働く。(年齢) ・目的地を10m過ぎたくらいで止まった。(地点) d3:低程度 • 分類基準 話し手による、軽視/大したことはないという評価を表す。 • 例文 ・こんなことくらい余裕でできる。 ・お茶くらい、どうですか? d4:同程度 • 分類基準 “~と同じくらい”というニュアンスを表す。 • 例文 ・この夏は去年くらい過ごしやすければいいなぁ。 ・あの人くらい頭がよくなりたい。 ・手のひらくらいの大きさだ。 d5:最高の程度 • 分類基準 それ以上のものが他にないことを意味する文で用いられる。 「AくらいBはない」という形をとる。 • 例文 ・あの花くらい美しいものはない。 ・今日くらい幸せな一日はない。 d6:適当程度 • 分類基準 「ほどほどに」というニュアンスの文で用いられる。 • 例文 ・倒れないくらいに頑張りなさい。 ・それくらいにしておきなさい。 d7:不定程度 • 分類基準 「どのくらい」、「どれくらい」 ※この2つのみ • 例文 ・どのくらいの能力があるかは不明だ。 ・いったいどれくらいの人が訪れているのだろう。 d8:限定 • 分類基準 「~くらい」の部分を「~だけ」に言い換え可能。 • 例文 ・最後まで残ったのは君くらいだ。 ・こんなに贅沢できるのも今日くらいだ。 d9:強調 • 分類基準 ある事柄を強調する際に用いられる。話し手の評価や強調の意を伴 う。 • 例文 ・憎らしいくらいきれいだ。 ・そんなこと言うぐらいだからよほど自信があるのだろう。 ⇒下線部が の意味を強める働きをしている d10:一方を嫌う例示 • 分類基準 「~のほうがましだ」というニュアンスの文で用いられる。 • 例文 ・面倒なことに巻き込まれるくらいなら、初めから首を突っ込まない 方がいい。 d11:動詞 • 分類基準 動詞としての「位する」 • 例文 ・業界トップに位する。 d12:名詞 • 分類基準 名詞としての「位」 • 例文 ・彼は高い位に就いている。 d13:その他 (熟語の一部など) d1とd2の違い 「位」・・・物事の程度がどのレベルにあるかを漠然と示す、線引きをす る →日時・順序・年齢 ・60歳くらいの男性。→d1 ・60歳くらいまでは働く。→d2 ・半年くらい前 →d1 ・半年前くらい →d2 d1とd2の違い • 場所+クライ・・・空間の中の一点を示す。 (例)本棚の右下くらいに置いてある。 →d2:時間や順序・空間の中の一点を示す用法 ※「場所+クライ」の形が全てd2ではないので、文脈 によって判断が 必要 (例)ここから天神くらいだったらすぐ行けるよ。→d3 d3:低程度について 安部(1999)より (a) 目玉焼きクライ2分で作れるわ。 (b) 僕、徒競走は苦手なんだ。 ー?大丈夫、一位はとれなくても、最下位クライとれ るよ。 (c) 僕、あがってしまって、一位がとれるかどうか心配だ よ。 ー大丈夫、君のことだから、一位クライとれるよ。 d3:低程度について クライによって示される部分が表す事態について、 「簡単/たいしたことではな い」という意味に感じられる文だと言い換え可能。 つまり、 • クライによって示される当該事態が、発話者によって〈実現可能性が高い〉事態 であると位置付けられていること • その位置付けが発話者の主観的態度を示すものであること これによって「最低限/低評価」のクライを統一的に表すことができる。 強調と同程度 • 強調 「透き通るくらい肌が白い」 「XくらいY」という形で、Yを強調するためにXを用いる。 Xは事実である場合とそうでない場合がある。 • 同程度 「手のひらくらいの大きさだ」 「XくらいY」という形で、Yの程度をはかるためにXを用いる。 Xは事実、または実現可能な事柄でなければならない。 強調と同程度 • Xが事実に反する場合 「透き通るくらい肌が白い」 実際に肌が透き通っている訳ではないので事実に反する。 →強調 • Xが事実である場合 「その選手は歴史に名を残すくらい活躍した」 歴史に名を残したことは事実だが、強調の意図が感じられる。 →強調 強調と同程度 • 強調の意図が分かりづらい場合 「そこはテントが3つ張れるくらいの鞍部だった」 3という数字が大きいのか小さいのか判断しづらい。 →強調の意図があるのかどうかが分からない。 →主観的な判断に頼るしかないため分類が割れる。 ※主観によらない、より客観的な分類方法を考える必要がある。
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