講義 1: 素数と累積和 @kagamiz (Jayson Sho Toma) 素数とは? • 1 とその数自身以外に約数を持たない数 – ただし 1 は素数ではない – なぜか考えてみよう • 素数ではない数を合成数という 素数判定 • 数 n が素数かどうか判定したい • 試し割りをしていく方法 – 最悪 n に比例する時間がかかる – n = 1 の処理に注意 • 素数の性質を使う方法 素数判定 • 数 n が素数かどうか判定したい • 試し割りをしていく方法 • 素数の性質を使う方法 – √nまでの素数で試し割りを行う – 最悪 √n に比例する時間 (さっきより速い) – 何故これでいいのか? √n までの試し割り:証明 • n が合成数であれば, 定義より n = a × b と表せる. いま a ≧ b ⇒ a × b ≧ b × b = b^2. よって n ≧ b^2, √n ≧ b となり, √n 以下の約数があることが証明された.// 実行時間とプログラムの計算量 • ループの回数が大体 10^8 (1 億) で 1 秒 • 10^9 回の処理は約 10 秒程度かかる! • 10^8 回以下程度の処理を心がけよう – 詳しい話は「計算量 オーダー記法」で ググる or 先輩達に聞こう 素数の個数を数える • 区間 [l, r] の素数の個数を数えよう! • [l, r] の素数を試し割りで毎回数えると, √l + √(l + 1) + … + √r ≦ (r – l + 1)√r • [1, 10^6] の素数を試し割りで数えると, 10^9 回くらいの計算に – 実際はもっと速いため KCS でもこれで OK 素数の個数を数える • 効率的に数える方法として, エラトステネスの篩が有名 – 詳しくは先輩たちに聞く or ググる • 今回は, 複数の[l, r] のクエリに早く答える 方法を考えていこう. 高速化のアイディア 1 : 前計算 • エラトステネスの篩を用いれば勝手に 前計算がされている. ・試し割りをしている人は, 配列を用意して p が素数だったら 配列の p 番目の 要素を 1 にしよう 高速化のアイディア2:累積和 • 刮目せよ!!! • さっき作った配列を… 0 1 1 0 1 0 高速化のアイディア2:累積和 • 刮目せよ!!! • さっき作った配列を… 0 1 1 0 1 0 高速化のアイディア2:累積和 • 刮目せよ!!! • さっき作った配列を… 0 1 1 0 1 0 2 3 3 • 右に足していく 0 1 2 高速化のアイディア2:累積和 0 1 1 2 2 3 2 4 3 5 3 6 • この配列があると何が嬉しいか? – 考えてみよう!
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