一流男子バレーボール選手の跳躍能力に関する研究 山中 浩敬 秋山 央 谷川 聡 筑波大学大学院 Ⅱ.身長別の跳躍能力 背景 跳躍能力の割合(%) 走幅跳(High Jump) 陸上競技世界歴代30傑 年齢(歳) HJ 身長 100m 水平方向 鉛直方向 23.6歳でピーク 30 28 26 24 22 20 最大脚筋力,最大脚筋速度,最大脚筋パ ワー 15〜24歳をピークに減少(川初, 1-10 11-20 1974) 21-30 順位(位) 鉛直方向の跳躍 加齢の影響を受けやすい パフォーマンス の把握 効果的なトレーニングサイクルの循環 トレーニング 効果の評価 目標値となる多くの一流男子バ レーボール選手の跳躍能力データ 目標設定 トレーニング の実践 RJ-index RJA-index 100 95 90 85 80 S群 T群 3.統計処理 SJ CMJ RJ-index RJA-index 100 95 90 85 各種跳躍高 3.0 78.4 80.0 83.5 Index(m/sec) 100.0 69.0 54.1 60.0 47.2 45.8 39.3 40.0 20.0 100 95 90 85 TH群 TL群 反動を効果的に利用できていない TL群におけるSPJの跳躍パフォーマンス 下肢三関節の爆発的筋力発揮が影響 Ⅲ.年齢別の跳躍能力 平均年齢(25.3±3.3歳)を±0.5SDで3群に分類:Y群23歳以下,M群24-26歳,27歳以上 SPJ1 **:p<0.01 SPJ3 100.0 ** 90.0 77.4 80.0 87.7 90.0 跳躍高 80.0 加齢により低下 70.0 75.6 70.0 60.0 60.0 50.0 50.0 M群 SJ CMJ 83.3 RJ-index RJA-index O群 Y群 CMJA-mat 100.0 95.0 90.0 85.0 80.0 Y群 M群 O群 *:p<0.05 * 82.8 Y群 80.2 M群 O群 反動効果 110.0 105.0 100.0 95.0 90.0 85.0 80.0 Y群 M群 O群 CMJによる反動効果に差なし 足関節・膝関節の爆発的筋力発揮 O群におけるSPJの跳躍パフォーマンス 加齢により足関節・膝関節の爆発的筋力発揮が低下 SPJ3/SJ 2.131 反動効果 *:p<0.05 * SPJ3 速い助走・短い踏切時間 2.03 1.93 1.90 スピード・バネ型 SJ 反動なし・短縮性筋力発揮 力型 1.70 加齢によりスピード・バネ型から力型へシフト *** 2.423 2.5 T群 下肢三関節の爆発的筋力発揮 2.10 *** S群 CMJによる反動効果に差 2.11 index 80 RJ-index,CMJA-matに差 2.30 Ⅰ.跳躍能力の全体的傾向 85 80 TL群 TH群 2 群間および 3 群間におけるデータの比較は対応のない一元配置分散分 析を行い, 3群間のデータ比較において,有意水準に達したものについて は,多重比較(Tukey-Kramer 法)を行った.なお,有意水準は5%未満 とした. 跳躍高(cm) CMJA-mat RJ-index,RJA-indexに差 結果・考察 90 CMJによる反動効果に差なし 80 跳躍高(cm) SJ,CMJ,CMJA,RJ,RJA,SPJ1,SPJ3を各2試技ずつ行い,記録の良 かった試技を分析に採用.測定にはヤードスティック(Swift社製)およ びマルチジャンプテスタ(ディケイエイチ社製)を使用. 95 T群におけるSPJ3の跳躍高の平均値(81.2±8.4cm)より上位をTH群(89.1±4.6cm),下位をTL群(75.1±4.8cm) 跳躍能力の割合(%) 2.試技 100 足関節・膝関節の爆発的筋力発揮が影響 1.分析対象者 Vプレミアリーグ・関東大学バレーボール連盟1部に所属する男子バレー ボール選手58名 反動効果:{(CMJ-SJ)/SJ*100} 105 T群におけるSPJの跳躍パフォーマンス 100.0 方法 反動効果 足関節・膝関節の爆発的筋力発揮 個別性を考慮したプログラムデザ インが必要 トレーニング の計画 目的 一流男子バレーボール選手の跳躍能力に関する基礎的データを収集するととも に, 適切なトレーニングを処方するための有効な知見を得ること 41.7 CMJA-mat RJ-index,RJA-indexに差 100m 水平方向 26.2歳でピーク 跳躍能力の割合(%) 影響 跳躍能力 CMJ 反動効果の割合(%) スパイクジャンプの最高到達点 SJ 反動効果の割合(%) バレーボール 反動効果の割合(%) 平均身長(187.5cm)より上位をT群(193.0±3.7cm),下位をS群(181.7±4.8cm) 1.50 2.322 2.036 Y群 M群 O群 Ⅳ.まとめ 2.0 現場での問題点… 1.5 バレーボールの跳躍パフォーマンス 0.0 SJ CMJ CMJA mat RJ h RJA h CMJA yard SPJ1 RJ RJA SPJ1 SPJ3 ***:p<0.001 ※SJとRJ,CMJとRJAを除くすべての間に有意差あり (p<0.01) トレーニング SPJ 最高到達点,跳躍高 1.0 SPJ3 跳躍高・最高到達点のみで評価,プログラム SPJ-index:SPJ跳躍高/踏切時間 身長 年齢 トップレベルを志向する選手 個々の特徴が考慮されていない 各種跳躍能力 各種跳躍能力 目標値 340.0 80.0 60.0 40.0 165.0 320.0 n=58 r=0.673 p<0.001 175.0 300.0 185.0 195.0 身長(cm) 280.0 205.0 低身長 最高到達点 > 高身長 低身長 < 高身長 跳躍能力の評価 バレーボールの跳躍パフォーマンス SPJの跳躍能力に影響を与えている要因を考慮 SPJ 最高到達点,跳躍高 身長 年齢 SPJの跳躍能力を評価 複合的に考慮 身長を考慮して跳躍能力を評価する必要がある 各種跳躍能力 各種跳躍能力 個々に合わせたトレーニングをプログラム www.postersession.com www.postersessi on.com www.postersession.com 100.0 跳躍高 360.0 n=58 r=-0.346 p<0.01 最高到達点(cm) 跳躍高(cm) 120.0 より効果的なトレーニングをプログラムするために…
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