本日の内容(12/11) • (前回の続き) • 音楽情報科学(「聴く側」の処理) • 構造解析 • GTTM, IRM • 音楽情報検索 (前回資料への補足) • 「作る側」の処理 • 自動演奏・伴奏・合奏 • 自動作曲、コンピュータ音楽作品 1 音楽情報検索:何を探すか • (書誌的情報: タイトル、アーティスト等) ⇔ コンテンツ検索 • 特定の楽曲(「厳密型音楽情報検索」) 検索キー • 実際の楽曲データ(「音楽認識システム」) • ユーザ生成(ハミング検索等) • 与えた条件を満たす(「曖昧型音楽情報検索」) • 感性情報(感性表現語等) • ユーザの嗜好等 Cf: 帆足他:楽曲配信サービスを支える音楽情報処理技術 2 音楽情報検索: 対象データ • データの種類・属性 • • • • 音響データ(WAV ファイル等) 記号化データ(MIDI ファイル等) 「感性」パラメタ タグの有無 • 処理の手法・効率 • 索引の有無 • 学習によるパラメタの自動取得 • 照合アルゴリズムの処理効率 3 文献 (音楽検索、音楽データ表現) • ISMIR (International Society for Music Information Retrieval) http://www.ismir.net/ • SMDL / Music XML Languages http://xml.coverpages.org/xmlMusic.html • MIREX http://www.music-ir.org/mirex/wiki/MIREX_HOME • W. B. Hewlett & E. Selfridge-Field: Melodic Similarity: Concepts, Procedures and Applications, MIT Press (1998) BN 0-262-58175-2 • 帆足他:「楽曲配信サービスを支える音楽情報検索技術」、 電子情報通信学会誌(授業ページ参照), 4 MIREX(音楽情報検索コンテスト) • The Music Information Retrieval Evaluation eXchange (MIREX) 2005~ • http://www.music-ir.org/ http://www.music-ir.org/mirex/wiki/MIREX_HOME • 音楽情報検索に関わる様々なジャンルのコンテスト • ジャンル、作曲家、感性情報等の識別 • 構造解析(曲分割、メロディ抽出等々) • 各種の曲検索 • “Ground truth”: 人間が与えた「正解データ」 5 類似性を扱う上での問題点 • どのような観点の上で一致/類似を見るか • 近似(類似)としての類似性 • 「一致」としての類似性 ⇒抽象化、部分構造 • 記号数(音符数)が異なる場合、 時間的な長さが異なる場合にどう照合を行うか • 何をもって一致・類似していると考えるか。 「ノイズ」が入り込む余地はどれぐらいあるか。 6 「作る側」 • 音素材の作成(電子楽器・音響合成) • 音楽演奏インタフェース(『新世代楽器』) • 音楽情報処理システム・ツール • アートとしてのコンピュータ音楽制作 • 自動演奏・伴奏、即興演奏 • 自動作曲・編曲 7 「作る側」 • 自動演奏 • 自動伴奏・合奏 • 即興演奏(ジャムセッション等) • 楽譜の有無、リアルタイム応答 • 自動作曲 • 「創造性」、ランダム生成、テンプレート(タネ) • 自動編曲 8 *自動演奏 (1) • 演奏楽器: MIDI 音源、player piano 等 (通常楽器の自動演奏はまた別の話) • 楽譜情報に表情付けをした演奏を行う。 つまり楽譜情報は所与 • 楽譜通りの演奏: 「機械的演奏」 • 実際の演奏は、楽譜通り「正確に」行なわれるわ けではない: 意図的・芸術的逸脱 • 制御対象 • 音長 (agogics): onset のタイミング、長さ • 音の強弱 (dynamics) • 奏法・表情 (articulation) 9 *自動演奏(2) • 処理形態の特徴 • 全参照型 → 演奏計画 • 局所的処理と大域的処理 • 共通イディオムと個性 • アプローチ • (演奏情報の手動作成) • 演奏ルールを作りこむ。 • 人間の演奏から特徴を抽出する。 事例ベース、 analysis by synthesis • cf. 「Rencon (蓮根)」 http://www.renconmusic.org/ 10 *自動伴奏・合奏、即興演奏 • 形態: 自動伴奏 自動合奏 即興演奏 楽譜情報 相手 ○ ○ △ 単数 複数 単複 主導権 主に独奏側 交互に 交互に • リアルタイム処理が必要 • 演奏追跡 相手の演奏まちがいへの対応 • テンポ予測・合わせ方 • 演奏の自主性 11 *文献等(自動演奏・伴奏等) • Rencon: http://www.renconmusic.org/ (閉鎖中) • rencon music で検索すると関連論文、記事が検 索できる • 平賀瑠美: 演奏の表情づけ、 bit 別冊「コンピュータと音楽の世界」、5.2 節 • 堀内靖雄: 自動伴奏、 bit 別冊「コンピュータと音楽の世界」、5.1 節 • 青野裕司: ジャムセッションシステム、 bit 別冊「コンピュータと音楽の世界」、5.3 節 12 *自動作曲・編曲 • 自動作曲: 初期から研究されていたが、現在では主流とは言えない。 • ランダム・確率的な処理⇔創造性、創作意図 • 作曲家のスタイルの抽出とその模倣 ⇒ 研究的な目的 ( D. Cope 等) • 実現例:Orpheus(東大・嵯峨山研) 残念ながら現在閉鎖中 • 自動編曲 • バッキング・パターンの選択・利用 • 和声付け (Harmonization), Reharmonization 13 *課題・問題点 • 処理内容は(音楽的に)高いものと言えるか。 ⇒(必ずしも)言えない • • • • (音楽についての)知識のレベル 処理すべき内容が複雑・難しい。 とにかく動かなければ始まらない。 とにかく動いてしまう。 • 処理のモジュール性 • 融合的・統合的処理 14 (K. Ebcioglu: Harmonization of Bach-Style Chorales) Chorale 286 15 「アート」としてのコンピュータ音楽 • オフライン、非リアルタイムでの音・楽曲製作 ⇒ テープ音楽 • コンピュータの処理に自由度を持たせる ⇒ アルゴリズム作曲等 • リアルタイムでの作曲/演奏、合奏 • 電子楽器 • アコースティック楽器 「Cyber 尺八」等 16 「アート」としての...(2) • 「パフォーマンス」の重要性 臨場感、ライブの「一回性」、... ⇒システムダウンへのバックアップ • コンピュータが何をしているかが見にくい • 技術優位・主導 • 芸術性、創意・創作性との関係 17 「音楽家」としてのコンピュータ • 自動作曲・編曲、自動演奏・伴奏・合奏等 • コンピュータが主体となる ⇔ 道具としてのコンピュータ ⇔ アートとしての音楽 • 創造性・芸術性・個性とは? ⇒ 偶然性、ランダム性との関連 18
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