高齢者施設における救急 医療の課題について 大阪府健康医療部保健医療室 医療対策課救急・災害医療グループ 1. 高齢者施設における救急搬送件数は下記グラフ(東京消防庁)のとおり 年々増加傾向にあります。(平成22年と平成25年の搬送増加率は全搬 全体の増加率より急激に増えている 送では6%であるが、高齢者施設からの搬送では27%の増加率となっ ている。) 2. 高齢者施設における救急隊の平均活動時間は、全体の平均活動時間と 現場滞在時間の増加 比較すると長く、かつ、年々延伸しています。 なぜ?件数が増え、現場滞 在時間が増えているの? 件数、現場滞在時間増加の問題点 • 高齢者が増加し、施設が増加している。 • 普段のADLが悪いため、入院の可能性が高く、入院とな ると期間がながくなるため長期間ベットが埋まってしまう。 • 医療機関との連携体制があまりとれていない。 • 付添いの必要な場合が多いため、医療機関の受け入れ 態勢が困難となる。 • 家族と連携があまり取れておらず、治療方針等が決まっ ていない。 • 入所者の情報が管理されていない。 1. 職員への教育 2. 医療機関との連携 3. 消防機関との連携 4. 家族との連携 1.職員への教育 • 施設内で事故防止に努める。 転倒、転落、誤嚥、誤飲など… 骨折、頭部外傷、窒息、誤嚥性肺炎。。。。 • 入所者の情報を管理し共有する。 入所者の情報が更新されていない。 (かかりつけ、処方箋など) 職員が情報の保管場所がわからない。 (特に夜間) • 救急要請の必要性(緊急度判断) 2.医療機関との連携 協力医療機関との連携を図る • 普段から密に連絡ができる体制で「顔の見え る関係」の構築。 • 必要なときに医師からの指示を受けたり、必要 により受け入れて貰ったりする関係を確保して おく。 3.消防機関(救急隊)との連携 • 救急隊が必要とする情報の把握 (既往歴、処方箋など) • 入所者情報のスムーズな伝達方法 (専用のシート作成) • 救急車の適正利用についての勉強会 4.家族との連携 • 緊急時の連絡体制の確保 例えば、連絡先が一人で、連絡しても繋がらないときの ためにも、二人以上の連絡先を事前に決めておくことな ど。 • 緊急時の医療処置の把握 医療方針について、事前に家族との話し合いを行い、 対応についての理解を深めておくことが必要です。 まとめ • 職員への教育の実施 (勉強会、研修会等) • 医療機関との連携 (連絡体制の確保、受入態勢の確保) • 情報管理のためのシートの作成 (職員への保存場所の共有) • 家族との連携 (連絡先の確保、延命治療、看取りの把握) 救急車を呼ぶべきなのか迷った際 どこの医療機関なら受診可能なのかわ からない場合は下記へ…
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