第11课 らくだのシアンツ (第六册) 一、導入(6分) • 問1:だれが書いた小説か。 • 問2:読んでみたことがあるのか。 • 問3:大体の筋道はどうなのか。 二、本文に入る 1. 自然段落一 要求:心理状態の表現を探して自分の理解を述 べよう。 • ①縄一本だって、持っていれば無一物とは言 えない。 • ②役には立たなくとも、気休めにはなる。 • ③裸一貫では生き延びることができない。 • ④駱駝をむざむざ捨てて行く手はない。 • ⑤駱駝はなかなか大きなしなものには違いな い。 2.自然段落二 要求:焦る心理表現を探そう。 • ①一緒に繋いでいるか確かめる暇もない。 • ②一頭だろうが全部だろうがおかまいな い。 • ③「のろのろ」「あせり」は対照的に使 われている。 3.自然段落三 要求:家畜の駱駝はどういうものか。 • 力は強いが足がのろい、用心しいしいと ゆっくり歩かなければならない、足元を 怖がる(水たまり、ぬかるみ)。いとも 簡単に足をへし折る、膝をねじ切る。こ れだったら、一巻の終わり。 4. 自然段落四 要求:次の問に答えなさい。 • 問1:普段は方角に敏感なシアンツは、いまなぜ混乱している か、 • 答:駱駝のことで一杯だから。 • 問2:シアンツはなせ警察より百姓の方をもっと怖がっている のか。 • 答:ぼろぼろの軍服、泥だらけの顔、伸び放題の髪から敗残 兵に見える。敗残兵はよく放火、殺人、略奪、強姦を行う。 故に百姓は恨み骨髄に徹す。 三、言葉の学習(P333.) ~ようが~ようが~ (无论~都,不管是~还是) • 説明:正反対あるいは類似した意味の言葉を重ね、また同じ 動詞の肯定と否定を用いて「何が起こっても」「どのような ことをしても」「どちらの行動をとても」という意味を表す。 また、類似している表現として「~ようと~ようと、~よう と~まいと、~ても~ても」がある。 • ○風が吹こうが雨が降ろうが、彼はいつも朝早く起きて、グ ラウンドへ行って体を鍛えている。 四、宿題 1.練習問題1と2をやりなさい。 2.次の単語の使い方を調べなさい。 あ:掛け値 い:足し え:そのくせ お:~たら~たで か:動詞の連用形+さえする う:皆目 一、導入 宿題の検査: (1)掛け値:実際の売り値より値段を高くすること。 「掛け値なし」は字際の売り値ほかになにをつけたりし ない実際の値段。物事を誇大に言わないこと。 (2)足し: ①増やすこと。 ②補い、助け。 ○アルバイトをして収入の足しにしている。 (搞副业贴补收入) ○そんなことをしてなんの足しになるの。 (做那样的事有什么好处) • • • • (3)皆目:すっかり、全部 (4)そのくせ:それなのに (5)~たら~たで:テキストの説明を参考 (6)動詞の連用形+さえする(意味を強める 二、本文に入る 自然段落一 1. 問:敗残兵に見えないためにどうやっ たのか(指名して発表) 答:軍服を脱いで襟を引きちぎる。まだ 役に立つ金ボタンをむしりとって投げ捨て る。一重の上着をたすけがけにひっかけ、 両袖を胸の前で結ぶ。ズボンも高々とたく し上げる。 2. 次の単語の意味を調べよう。 ①「炭坑夫」というところかな。(範囲、地点) ②巻き添え(他人やほかのことで事件に巻き込 まれる。係りあい、側杖) ③広がり広がる(意味を強める。また、「広がり に広がる」ともいう) • ④白川夜船(前後を知らない) • ⑤ 我(自分、お前) 「われ」の表現には: 我に返る、我に利有らず、我(お前)の知ったこ とではない、われ劣らじと、我先に、我もわれも と、我とは無しに、我ながら、我にもなく(自分知 らずに) 3. 問:「こんな不安、さびしい目にあったのは、 生まれて初めてのことである」とあるが、何に不 安なのか、なぜさびしく思うのか 答:ひとりぼっちで荒海を漂うみたいにどこを歩 いているのか分からないことに不安なのである。 答:普段照らしてくれる太陽や目前を通り過ぎる さまざまなものがあって、寂しさは感じていな かったが、今は真っ暗闇、何も見えず、何がど うなっているか皆目分からないので寂しく思うの である。 三、言葉の学習 1. ~たら(ば)~たで • 構造:同じ形容詞、動詞を重ねて用いる。 • 意味:対照的に「どちらにしても大変、 問題である」という意味。 *時には「そのような状態になったら問題 はあるにしても」という意味を表す。 使い方:動詞――仮定表現+過去表現 形容詞――~かったら~かったで 例文:テキストp334. 2. それまで(のこと)だ 構造:よく「~すれば」「~したら」と一 緒に使う。 意味:「それで終わりだ」「もうそれ以上 はない」 例文:テキストp334. 四、宿題 1.次の単語の意味を調べよう。 ①箍が外れる ②腹を決める ③時をつくる ④苦もない 2.練習問題の4と8番。 一、導入: 宿題の検査そして短文を作らせる。 ① 箍が外れる ② 腹を決める ③ 時をつくる ④ 苦もない 二、本文に入る 1.問:本文でシアンツが一番耐え難いものは何 か。 答:眠気→その表現を調べて話し合おう。 2.問:「何で」と叫んだが、なぜなのか。 答:昔の自分の人力車のことを思ったから。 3.次の単語の書き方と使い方を調べよう。 ①慙愧:恥じ入ること。○~に堪えない。 ②物騒:a. 不穏、不安定。 b. 危ない、危険。○~な人間。 ③皆目:すっかり、全部。 4.文法 ①町につくなり:つくとすぐ ②恐らく眠ってから座り込んでしまっ たものだろう:はずだろう ③かき消える:意味を強める。○かき 分ける。かき集める。かき曇る。 三、言葉の学習 1.形容詞連用形+する(サ変動詞を作る) ○長年親しくしていた友達は急にアメリ カに行くことになった。 2.~ようにして 意味:その状態にして。その状態の下で。 ○顔を窓につけるようにして外を見つめ た。 3. (~た)ところで ①次の動作や変化は前の動作・変化が一区切りのついた時点で 起こったという意味を表す。 ○授業が終わったところで、大雨が降りだした。 ②話題の転換(接続詞の用法) ○ところで、彼女は最近元気ですか。 ③接続助詞の用法(否定的な評価を導く) ○もうこれ以上話したところで無駄だ。 ④これという(いって)~ない 意味:否定を伴い「特に取り上げるべきものがない」という 意味を表す。 • 外に「どこといって」「どうという」の使い方も ある。 • 例文:テキストp337. 四、練習問題5 1.手: ①腕前→お手のもの ②手に入れる→自分のものにする ③この種の手→種類 ④手はない→手段、方法 ⑤手を抜く→手数を省く 2. 凌ぐ: ①耐え忍ぶ ②防ぐ ③切り抜ける、突破する、逃れる、対処する ④追い越す 3. 食う: ①虫が食う→虫の食ったリンゴ。 ②費やす→ガソリンを食う。 ③騙される→一杯食う。 ④年を食う→あの人はかなり年を食っている ね ⑤受ける→玄関払いを食う。 五、宿題 問:「この三頭のラクダにかかっている」 とあるが、どんな気持ちを表しているのか。 一、導入: 宿題の検査そして指名して発表させる。 問:「この三頭のラクダにかかっている」 とあるが、どんな気持ちを表しているのか。 答:シアンツにとってラクダは唯一の財産 であり、これを手元にすれば、また車引き の仕事に戻れる可能性があるから。 二、本文に入る 1. 問:本段落でシアンツの興奮している気 持ちを表す表現はどこか調べてみよう。 答:ものすべてが喜びにあふれている、 シアンツはその燃えるような光に向かって 声を限りに叫んでみたかった。 2. • • • • • • • • 次の言葉づかいを調べよう。 ①瞼が重くなる。 ②気が遠くなる。 ③胸騒ぎが収まる。 ④~とはいわず ⑤~てすむ ⑥まんまと ⑦矢も楯もたまらない。 ⑧目処がつく。 三、言葉の学習 1. ~とはいわず 意味:「ある高いレベルまではいたらない が低いレベルにはいたるだろう」という意 味を表す。(p337.) 2.瀬戸際:勝負、成否などの分かれ目。 (p338.) 四、表現の学習 1. 無視・無関係の表現 ①それに関係なく:~を問わず/~によらず /~にかかわらず/~ようと~ようと(まい と) ②「は」で表す事柄を一応問題あるいは考 えの範囲から外すという意を表す:~はと もかく/~はさておき ③「~をかまわずに」の意を表す:~もか まわず/~をよそに/~をものともせず 例文とまとめのところを一緒に読んでみる。 2. 自動詞にある「可能」と「受け身」の意味 日本語の一部の自動詞には「可能」と「受け身」を表すものが ある。 可能: 見つからない【没能发现】 下がらない【未能退烧】 受かる【能考上】 変わる【能变成】 受け身: 染まる【被染成】 捕まる【被抓住】 焼ける【被烧掉】 浸かる【被水淹】 聞こえる【被听见】 付く【被叫作】 濡れる【被湿了】 五、語や語句の構成 1. ~を食う(食らう) 意味:比ゆ的に「相手の勢力範囲を侵す、 費やす、受ける」の意を表す。 ○巻き添えを食う:被牵连 ○退校処分を食う:受到退学处分 ○時間を食う:费时间 ○人を食ったやり方:瞧不起人的态度 2. ~を限りに 意味:時を表す語の後ろについて「その時を最 後にして」という意味を表す。 ○今日を限りに授業を終了いたします。 他に「ありったけの」「ある範囲」「全部、 すっかり」という意味を表す使い方もある。 ○声を限りに ○力の限りに ○命の限り ○その場限りの話(範囲) ○根限り(全部) 六、宿題 1.練習問題の6、7、9、10をやりなさい。 2.文学・語学の豆知識を自習しなさい。
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