昔話を子どもたちに伝えたい ∼させぼふるさと紙芝居∼ 三川内の化け猫騒動 かわいがっていた猫は他の猫たちと夜な夜な踊 る化け猫でした。海の向こうに捨てに行くので すが… 崎辺の暴れ馬 鬼鹿毛 針尾の馬が薬草を食べ、鬼鹿毛と呼ばれる暴れ 馬 と な り、海 を 渡 っ て 崎 辺 を 襲 い ま す。そ こ に 現れたのが弓の名人十郎でした。 地元の昔話を大人から聞いて育つことは子ども時代の 貴 重 な 体 験 で す。私 自 身 佐 世 保 の 生 ま れ で、幼 い 時 に 日 宇地区の猫山に伝わる悲しい昔話を父から聞いて育った 記憶があります。「させぼ文化ウィーク」でもぜひ昔話を 取り上げたいと考えました。 佐世保にはどんな昔話があるのだろうと調べたところ、 図 書 館 の 郷 土 室 に は 数 冊 の 資 料 が あ り ま し た。そ れ は、 先人たちが足を使って地元の方々に聞き取りをし、多く の時間を費やし編集するというたいへんな作業を経て形 にしたものです。地元に伝わる昔の人々の息づかいをな んとか後の世に残そうと努力された賜物のように感じら れ、感 動 を 覚 え ま し た。こ れ を 今 の 子 ど も た ち に 伝 え な いともったいない、また根底に流れる物語としてのおも しろさや力強さを伝えたい、何よりふるさとへの愛着の 源になるのではないか、そんな思いから紙芝居が生まれ ました。 これまで昔話を題材とした作品に、『三川内の化け猫騒 動』『崎 辺 の 暴 れ 馬 鬼 鹿 毛(お に か げ)』『じ ん ね み ど ん ∼大根船の巻』、オリジナルストーリーの『かにかに島の ぼうけん』を合わせ四巻のさせぼふるさと紙芝居を制作 し ま し た。「さ せ ぼ 文 化 ウ ィ ー ク」で は、「お は な し マ ル シ ェ」だ け で な く、地 元 劇 団 員 ほ か、さ ま ざ ま な 年 代 の 演者が趣向を凝らした演出で来場者を楽しませています。 こ れ ら は、小 学 校 で の 読 み 語 り の 時 間 や 放 課 後 子 ど も 教 室、図 書 館、地 域 の 催 し 物 な ど に も 広 が り 活 用 さ れ て います。 貸 出 「させぼ文化ウィーク」で制作された「ふるさと 紙 芝 居」は、市 立 図 書 館 で も 所 蔵 さ れ 市 民 の 皆 さんに貸し出しできるようになっています。 じんねみどん∼大根船の巻 かにかに島のぼうけん すずめをたくさん捕まえたじんねみどんは平戸 に売りに行くことにしました。けれども船があ りません。そこでじんねみどんは大根を船にし ようと… 九十九島の「オジカ瀬」を「かにかに島」と呼んで います。かにかに島がハウステンボスに遊びに行く ストーリー。参加型紙芝居。 4作品とも ■再話(作)新井悦子 ■絵 石橋由子 ■制作 させぼ文化ウィーク実行委員会 3 文化ってなに? vol.51
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