高レベル放射性廃棄物の特徴

高レベル放射性廃棄物とその特徴
・高レベル放射性廃棄物は、原子力発電所から出る使用済み燃料を再処理工場で
再処理してウランとプルトニウムを取り出した後、残った核分裂生成物などを
含む 廃液をガラスと融かし合わせ固化体にしたもの
・放射線量が高く、発熱量が大きい
再処理工場
再処理
・長さ:約4m
使用済燃料
ガラス固化体
製造時の数値
・高さ:約1.3m
・直径:約40cm
・重さ:約500kg
・固形ガラス容積
:約150ℓ
表面線量 :約1,500 Sv/h
放射能 :約2000万GBq
表面温度 :200℃以上 ※
Sv:シーベルト
※周囲の環境条件により異なる
G:ギガ(10億倍) Bq:ベクレル
約95%
ガラス原料
ガラス溶融炉
ウランとプルト
ニウムを回収し、
燃料として再利
用
約5%
核分裂生成物等
を含む放射性廃
液
排気
電極
溶融ガラス
溶融ガラス
キャニスター
(ステンレス製容器)
固化ガラス
ガラスによる放射性元素の取り込み
酸素
ケイ素
ホウ素
ナトリウム
アクチニド
他の多くの放射性元素
ガラス固化体
ガラス原料
成 分
SiO2
B2O3
Al2O3
Li2O
CaO
ZnO
廃棄物
含有率
45.0 ~ 46.6
14.2
3.6 ~ 5.0
3.0
3.0
3.0
Na2O
P2O5
腐食生成物*
核分裂生成物
RuO2
Rh2O5
PdO
超ウラン元素
10.0
0.3
~ 3.5
10.0
0.74
0.14
0.35
~ 2.4
廃液はガラスと混ぜて溶かし、ガラス固化体に固める
容器に入ったガラス固化体
として保管
1000度以上で溶
かし、容器に流す
ステンレス容器の中の黒いガラス
ガラス固化体の放射能量の推移
・ガラス固化体の放射能は製造時には非常に高いが、時間とともに減っていく
・しかし、それには長い時間を要し、放射能は非常に長期間残る
⇒ その間の人間社会の変化を予測することは困難なので、人間による管理が失わ
れても問題とならない処分方法が必要
※製造直後の表面線量
燃
料
1
ト
ン
に
相
当
す
る
放
射
能
1,500 Sv/h
ガラス固化体の放
表面線量:163 (Sv/h)
発熱量
2kW
~200W
射線量が、
約10万分の1
ガラス固化体
表面線量:15(mSv/h)
(15mSv/h)に減
衰するまでに
およそ 10,000
年の期間が必要
製造後50年冷却してからの経過年数(年)
表面線量の計算結果は、核燃料サイクル開発機構
(現 日本原子力研究開発機構)研究報告(2003)、
JNC TN8400 2003-022を参照した。
高レベル放射性廃棄物の発生量と貯蔵管理状況
高レベル放射性廃棄物の発生量
日本原燃㈱
高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター(青森県六ヶ所村)
写真提供:日本原燃㈱
日本原燃㈱
使用済燃料貯蔵プール