この独立企業間価格の算定方法が誤りではないか

【事実の概要】
ホンダ(原告)は自動二輪車及び四輪車の製造及び販
売を主たる事業とする内国法人である。ホンダ(原
告)の間接子会社であり、ブラジル連邦共和国アマゾ
ナス州に設置されたマナウス自由貿易地域で自動二輪
車の製造及び販売事業を行っている外国法人HDA社
及びその子会社との間で、取引を行い、それにより支
払を受けた対価の額を収益の額に算入して、本件各事
業年度の法人税の確定申告をしたところ、処分行政庁
から、上記の支払を受けた対価の額が租税特別措置法
66条の4第2項1号ニ及び2号ロ等により算定した
独立企業間価格に満たないことを理由に、課税局(被
告)から本件各年度の法人税の更正及び過少申告加算
税賦課決定等を受けた。
取引の概要
日本
一連の取引
完成自動二輪車、部品
ブラジル・マナウスフリーゾーン(税特区)
HDA社等
子会社
HCA
製造設備等の販売取引
無形資産の使用
HDA社
商標など(ホンダのブランド力)
役務提供取引
子会社
HTA
ホンダのブランド力、ノウハウが大いに利益に貢献したのでは?
値段が低すぎじゃない?課税! 独立企業間価格 に満たないとされたところ
独立企業間価格とは?
アメリカ
B社
①通常取引
アメリカ: 1500 -1200=300
税金300×20%=60
日本:1200-500=700
税金700×0.5=350
税額合計:410
利益合計1000
利益は同じなのに、税額が全然違う
A社
日本支店
法人税:50%
製造費:500
1500で販売
税20%
A社
アメリカ支店
②関連者間取引
日本:600-500=100
税金 100×0.5=50
アメリカ: 1500 -600=900
税金900×20%=180
税額合計:230
利益合計:1000
(まとめ) 関連者取引だとして過度に値段を低くして、税金逃れをしていないか?
上記の①②のような違いを是正するために
適正な取引価格を計算したのが独立企業間価格である。
本件の大論点
この独立企業間価格の算定方法が誤り
ではないか?
※独立企業間価格の算定の難しさ・・・apple というブランド力だけで買いたくなる。ではapple
の商標を使う権利はいくらが正しい??
独立企業間価格算定方法
・基本3法
①独立価格比準法、②再販売価格基準法、③原価基準法
④その他の方法
今回の事案では残余利益分割法が問題となっている