介護の基本 - 愛媛県介護福祉士会

平成26年度
介護福祉士養成実習施設
実習指導者特別研修会
『介護の基本』
2015年1月31日(土)
一般社団法人愛媛県介護福祉士会
会長
井川 義伸
介護の基本

介護福祉士として、自身が有している資格の動向を把
握しておく必要性

時代の変化、流れの中にある介護のあり方・教育のあり
方

介護福祉士が介護福祉士を育てる責任
介護の基本

教育の中にある、実習の目的・ねらい

制度の理解

外国人労働者の受け入れ体制の整備

新たな資格の誕生
本題にいくまえに・・
あなたの施設・事業所は、
実習施設に・・・
実習施設に・・・
本題にいくまえに・・
 介護福祉士としてのあなたの長所と短所
 介護福祉士の専門性とは何ですか
 あなたはどんな指導者になるべきと考えま
すか
自分のことわかっていますか?
☆エゴグラムをつかって自身を知る(自己覚知)
こころのしくみを知ることは、援助者として必要なこと。
しかし、自身をまずは知ること!
自分を知らずして、人の支援はできな
い!
エゴグラム→
エゴグラム参考サイト
介護福祉士の専門性とは
 P2
QOLの向上・尊厳を支える
 自立を支援する
 自己実現を助ける
 P6 (3)人間の本質・可能性
狭義に専門性を考える
『脳梗塞で右麻痺という障害を伴っ
ている利用者への必要な特段の専
門的配慮』
専門性とは
可視的介護技術
①トランスファー
②トイレ介助
③視覚障害者の歩行介助
④入浴介助
⑤おむつ交換
⑥食事介助
etc
不可視的介護技術
・居室の掃除では利用者の状態に配慮した物品
の配置
・食事の際も利用者の状態に配慮した配置
・食べ残しの確認
・転倒予防のためのワックスを用いないでの畳
み拭き
・清潔保持のための洗濯
介護福祉士・社会福祉士制度の改正について
[社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年制定、昭和63年度施行)により創設された名称独占の国家資格 ]
改正の背景
近年の介護・福祉ニーズの多様化・高度化に対応し、人材の確保・資質の向上を図ることが求められている。
○ 介護保険制度の導入や障害者自立支援法の制定等により、認知症の介護など従来の身体介護
にとどまらない新たな介護サービスへの対応が求められている。
○ 介護保険制度、障害者支援費制度等の利用者がサービスを選択できる制度を導入したことに伴い、
サービスの利用支援、成年後見、権利擁護等の新しい相談援助の業務が拡大してきている。
改正のポイント
1 介護福祉士の行う「介護」を「入浴、排せつ、食事その他の介護」から「心身の状況に応じた介護」
に改めるなど、定義規定を見直す。
2 個人の尊厳の保持、認知症等の心身の状況に応じた介護、福祉サービス提供者、医師等の保健
医療サービス提供者等との連携等について新たに規定するなど、義務規定を見直す。
3 資質の向上を図るため、すべての者は一定の教育プロセスを経た後に国家試験を受験するという
形で、 介護福祉士の資格取得方法を一元化する。 (平成27年度より・・・平成28年1月試験より)
福祉現場における高い実践力を有する社会福祉士を養成するための資格取得方法の見直しを行
う。
4 社会福祉士の任用・活用の促進を図る。
社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律の概要
1 定義規定の見直し
① 介護福祉士の業務:「入浴、排せつ、食事その他の介
護」から「心身の状況に応じた介護」に改正する。
② 社会福祉士の業務:福祉サービスを提供する者又は医
師等の保健医療サービスを提供する者その他の関係者と
の連絡・調整を明確化する。
2 義務規定の見直し
① 個人の尊厳を保持し、その有する能力・適性に応じ自立し
た日常生活を営むことができるよう、常にその者の立場に
立って、誠実に業務を行わなければならない。
② 介護福祉士は認知症等の心身の状況等に応じ、社会福祉
士は地域に即した創意と工夫を行い、業務を行わなければ
ならない。
③ サービスが総合的かつ適切に提供されるよう、福祉サービ
ス提供者、医師等の保健医療サービス提供者その他の関
係者との連携を保たなければならない。
④ 資格取得後も、社会福祉・介護を取り巻く環境の変化に適
応するため、知識・技能の向上に努めなければならない。
施行期日・経過措置
公布日:定義規定・義務規定の見直し、社会福祉士の任用
資格としての位置付けの拡大(1、2及び4②)
平成24年4月1日:介護福祉士の教育内容の充実、社会福
祉士の資格取得方法の見直し(3②・④及び4①)
平成27年4月1日:介護福祉士の資格取得方法の見直し
(3①・③) *平成28年1月試験から実施
【経過措置】(福祉系高校関係)
○ 教育内容の充実が困難な福祉系高校について、平成26年度
までの入学者に限り、現行程度の課程を卒業した後に9月以
上の実務経験を経た場合に、国家試験の受験資格を付与。
3 資格取得方法の見直し
【介護福祉士】
① 「養成施設」卒業者は、資格を取得するためには、新たに国
家試験を受験する仕組みとする。(平成27年度より)
② 「福祉系高校」について、教科目・時間数だけでなく新たに教
員要件、教科目の内容等にも基準を課すとともに、文部科学大
臣・厚生労働大臣の指導監督に服する仕組みとする。
③ 「実務経験」(3年以上)に加え、新たに450時間の養成課程(通信
等)を経た上で国家試験を受験する仕組みとする。 (平成27年度よ
り)
【社会福祉士】
④ 「行政職」経験に加え、新たに6月以上の養成課程を経
た上で国家試験を受験する仕組みとする。
4 社会福祉士の任用・活用の促進
① 社会福祉主事養成課程を修了後、2年以上の実務経験
を有し6月以上の養成課程を経たものに、新たに国家試
験の受験資格を付与する。
② 身体障害者福祉司、知的障害者福祉司等の任用資格と
して、社会福祉士を位置付ける。
【経過措置】(介護福祉士関係)
○ 養成施設を卒業した者は、当分の間、准介護福祉士の名称を
用いることができることとする。
* 日比経済連携協定に基づく養成施設コースのフィリピン人にも
適用
[参議院での法案修正(附則第9条の検討規定に追加)]
「政府は、経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との
間の協定に関する日本国政府とフィリピン共和国政府の間の協議
の状況を勘案し、この法律の公布後5年を目途として、准介護福祉
士の制度について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を
講ずるものとする。」
定義規定の見直し
(法第2条2項【定義規定】
この法律において「介護福祉士」とは、第四十二条第一
項の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知
識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があるこ
とにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の
状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者
に対して介護に関する指導を行うこと(以下「介護等」とい
う。)を業とする者をいう)
(法第44条の2
社会福祉士及び介護福祉士は、その担当する者が個
人の尊厳を保持し、その有する能力及び適性に応じ自立
した日常生活を営むことができるよう、常にその者の立場
に立って、誠実にその業務を行わなければならない。)
教育体型を「人間と社会」「介護」「心と体のしくみ」の3領域に編成
介護が実践の技術であるという性格をふまえ、その基盤となる教養や倫理的
態度を養うための【人間と社会】、「尊厳の保持」「自立支援」の考え方をふま
え、生活を支えるための【介護】、多職種協働や適切な介護の提供に必要な
根拠としての【こころとからだのしくみ】の「3つの領域」に再構成されることとな
りました
2012年1月実施試験より、
旧カリキュラムの13科目
から、
3領域・11科目に改編
日本介護福祉士会倫理綱領
前
1995年11月17日宣言
文
私たち介護福祉士は、介護福祉ニーズを有するすべての人々が、住み慣れた地域において安心して 老
いることができ、そして暮らし続けていくことのできる社会の実現を願っています。
そのため、私たち日本介護福祉士会は、一人ひとりの心豊かな暮らしを支える介護福祉 の専門職として、こ
こに倫理綱領を定め、自らの専門的知識・技術及び倫理的自覚をもって 最善の介護福祉サービスの提供に
努めます。
(利用者本位、自立支援)
介護福祉士はすべての人々の基本的人権を擁護し、一人ひとりの住民が心豊かな暮ら しと老後が送れる
よう利用者本位の立場から自己決定を最大限尊重し、自立に向けた介護福祉 サービスを提供していきます。
(専門的サービスの提供)
介護福祉士は、常に専門的知識・技術の研鑚に励むとともに、豊かな感性と的確な判断力 を培い、深い
洞察力をもって専門的サービスの提供に努めます。
また、介護福祉士は、介護福 祉サービスの質的向上に努め、自己の実施した介護福祉サービスについて
は、常に専門職として の責任を負います。
(プライバシーの保護)
介護福祉士は、プライバシーを保護するため、職務上知り得た個人の情報を守ります。
(総合的サービスの提供と積極的な連携、協力)
介護福祉士は、利用者に最適なサービスを総合的に提供していくため、福祉、医療、 保健その他関連す
る業務に従事する者と積極的な連携を図り、協力して行動します。
(利用者ニーズの代弁)
介護福祉士は、暮らしを支える視点から利用者の真のニーズを受けとめ、それを代弁してい くことも重要な
役割であると確認したうえで、考え、行動します。
(地域福祉の推進)
介護福祉士は、地域において生じる介護問題を解決していくために、専門職として常に積極的な 態度で
住民と接し、介護問題に対する深い理解が得られるよう努めるとともに、その介護力の強 化に協力していきま
す。
(後継者の育成)
介護福祉士は、すべての人々が将来にわたり安心して質の高い介護を受ける権利を享受で きるよう、介護
福祉士に関する教育水準の向上と後継者の育成に力を注ぎます。
社会福祉法の概要
昭和26年「社会福祉事業法」
行政が行政処分によりサービスを決定する措置制
度
↓
利用者の立場に立った社会福祉制度の構築
平成12年
「社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正す
る等の法律」が成立
↓
同年6月 社会福祉事業法 ⇒「社会福祉法」
社会福祉法の方向性
個人が尊厳をもって、その人らしい自立した生活が送れる
ように支えること
①
②
③
個人の自立を基本として、その選択を尊重した制度の
確立をすること
質の高い福祉サービスの充実を図ること
地域での生活を総合的に支援するために、地域福祉
の充実を図ること。
介護保険法と障害者総合支援法
 介護保険法
 障害者総合支援法
外国人労働について
 EPA(経済連携協定)について
 外国人技能実習制度
どう考えますか
外国人労働者について
~日本介護福祉士会の提言~
介護は高い知識、技術、倫理など専門性が必要
 EPAは賛成
 外国人技能実習制度は反対
 介護は単純労働ではない

介護は対人援助であり、十分な日本語能力とコ
ミュニケーション能力が必要
 安い労働参入は介護職員の賃金の低下を招く

高齢者虐待
・高齢女性を裸のままトイレに
別府市や施設によると、介護士は昨年5月、入浴中にトイ
レに行きたいと訴えた70代女性を他の利用者が見てい
るなか、裸のままトイレに行かせた。
・4人部屋に4人部屋に5,6人の男女を入居させ、カー
テンなどの仕切りもないむき出しのポータブルを設置
車内閉じ込め
通所介護事業所が、60歳代の認知症の女性を送迎用の車
にシートベルトで拘束していたことが3月に発覚した。職員は
午前中、デイサービスを受ける女性を車で迎えに行き、夕方
まで事業所に止めた車内に拘束した。昼食も車でとらせ、施
設内に入れるのはトイレの時だけだったという。県は同月、運
営会社の事業所指定を取り消した。
県高齢者支援課によると、この事業所の経営者は、県の調
査が入った昨年10月まで約1年間にわたって女性を拘束し
たことを認めた。女性が当初、指示に従わず、大声を出すな
どしたことから拘束を始め、「車内の方が本人も落ち着く」と都
合のいい理由をつけて常態化したらしい。認知症が進んで
いた女性は、拘束の事実を家族にも伝えることができなかっ
た。
夫婦は夫が90代で妻は80代。夫が外を徘徊す
るため、
介護プランを考えるケアマネジャーの女性が施
錠を発案した。
ニュース映像
介護現場の割れ窓理論
割れた窓を放置しておくと、割られる窓が増え建物全
体が荒廃していく
 介護現場の割れ窓は言葉である
 言葉の乱れが常識ではない感覚麻痺を促進させ虐待
に繋がる
 言葉を正しくすることで心の乱れをある程度までは防ぐ
効果もある

人を語らずして介護を語るな2 傍らにいることが許される者
菊池雅洋
初心忘るべからず
 周りに流されない介護
始めに感じた「あれ?」「えっ?」
これって普通?
 「利用者」と介護保険施行後は表現されている
が、お客様であるという意識
 介護者は「家族」ではない!
言葉は運命になる
 思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
 言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
 行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
 習慣に気をつけなさい、それはいつか人格になるから。
 人格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
マザー・テレサ
主体的な学習者を育てるために
『主体的』とは
様々な状況下においても自分の意志や判断で行動すると
いうこと
つまり
何をやるかは決まっていない状況でも自分で考えて、
判断し行動するということになる。
主体的な学習者を育てるために
『自主的』とは
他人からの干渉や保護を受けず、独立してことを行うこと
つまり
自主性は単純に「やるべきこと」は明確になっていて、 そ
の行動を言われる前に率先して自らやることである。
主体的な学習者を育てるために

ミルトンメイヤロフ「ケアの本質」
一人の人格をケアするとは、最も深い意味で、その人が成
長すること、自己実現することをたすけることである。ケア
によって、ケアする人も変化し、成長を遂げる
主体的な学習者を育てるために
学習者中心の学習観
↓
「養成期間中だけでは育たない」
「卒後教育・現場、実践教育が必要」
主体的な学習者を育てるために
 P41
主体的に学び続ける能力
『自己教育力』
↓
・「自己教育力」の育成のための学習環境
・「主体的な学習者」を育てる
指導者としての役割
現在実施している研修
1.
2.
3.
4.
5.
初任者研修
ファーストステップ研修(図1-7)
認定専門介護福祉士
訪問介護サービス提供責任者研修
介護実習指導者研修