カークパトリック、フィリップスらのモデルによる

+
アクティブ・ラーニングをファシリテー
トするための「わざ」と「ちから」を考
える
神戸大学大学教育推進機構
米谷 淳
2014/08/22
2014年度信州大学FDカンファレンス
1
+
2
1.今なぜアクティブ・ラーニングなの
か

考えてみよう(1分間ライティング)

隣の人と話し合おう(集団討議)

説明を聞く(メモを取る)

関与の法則と学生関与度調査

教育評価の7段階モデル

社会人基礎力
2014年度信州大学FDカンファレンス
2014/08/22
+
3
授業の法則
デイビス 著 香取 監訳 2002 「授業の道具箱」 東海大学出版会
1.
能動性
2.
学生の関与
3.
よい授業の条件
4.
概念の例示
5.
効果的に教えるための3要素
2014年度信州大学FDカンファレンス
2014/08/22
+
4
授業の法則 -能動性

文献調査から示唆されたことは、学生はただ聞くよりも多くのことを
しなければならないということである。つまり、学生は読み、書き、討
議し、問題解決にかかわらねばならない。最も重要なことは、能動
的に関わらせるために、学生を分析・総合・評価という高次の思考
課題に取り組ませなければならないということである。(Bonwell, C. &
Elison, J. 1991)
2014年度信州大学FDカンファレンス
2014/08/22
+
5
授業の法則-学生の関与

学習はスポーツ観戦ではない。学生は教室で座って、教師に耳を
傾け、予め用意された事項を暗記し、質問に答えるだけでは大して
学習しない。(学びを得るには)学生は何を学んでいるかを話し合い、
書き、過去の経験に関連付け、日常生活に適用しなければならな
い。(Chickering, A. & Gamson, Z. 1987)
2014年度信州大学FDカンファレンス
2014/08/22
+
6
全米学生関与度調査

National Survey of Student Engagement

NSSE(ネッシー)と呼ばれる。

George Kuh教授が中心メンバー

2000年設置 276校

現在、北米で1200の大学が参加

参加大学の初年次と最終年次の学生を無作為抽出して調査
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2014/08/22
+
7
「大学選びのためのポケットガイド」
•
A Pocket Guide to Choosing a College
•
NSSEが提供
•
http://nsse.iub.edu/pdf/2006_pocket_guid
e.pdf
•
大学進学希望者が大学のオープンキャンパス等で大学関
係者にたずねるべき質問項目のリスト
•
例
学習への関与
–
授業中の討議回数
–
授業での討議内容を授業外でどれくらい討議したか
–
授業中・外のグループワークの有無
–
授業中に何回プレゼンをしたか
–
通常の授業でラーニングコミュニティーのプロジェ
クトにどのくらい関わったか
–
授業の学習内容がインターンシップやキャンパス外
のフィールドでどの程度活用したか
–
学生がチューターとなったり、他の学生を教えたり
する機会があるか
2014年度信州大学FDカンファレンス
2014/08/22
8
2014年度信州大学FDカンファレンス
2014/08/22
+
経産省
「社会人基礎力の育成と評価」より
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9
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+ 2.アクティブ・ラーニングをファシリテー
10
トするには

考えてみよう(1分間ライティング)

隣の人と話し合おう(集団討議)

説明を聞く(メモを取る)

新人リーダーの課題

集団力学の基礎

経験学習理論

ラーニング・ポートフォリオ
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2014/08/22
+ 新人リーダーの3つの課題
11
 自己管理
 ストレスマネジメント
 対人技能
 社会的スキル(感受性・状況対応力)
 集団過程
 グループダイナミックス
 リーダーシップ理論


リーダーシップPM理論
状況対応型リーダーシップ理論
 集団発達とメンバーの成長
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2014/08/22
リーダーシップPM論
リーダーが果たすべき2つの機能
Maintenance
集
団
維
持
に
関
す
る
機
能
M(=pM) PM
pm
P(=Pm)
Performance 集団業績に関する機能
圧力P 仕事への圧力
計画P 計画性
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2014年度信州大学FDカンファレンス
12
13
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2014/08/22
14
2014年度信州大学FDカンファレンス
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+ Kolbの経験学習理論
15
経験
実験
ふりかえり
概念化
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2014/08/22
+
16
気づき

自分の気持ちに意識を向けてみましょう。

さらに、まわりの人の気持ちがわかるように、反応や表情をよ
く注意してみましょう。
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2014/08/22
+
17
学びあい

自分がわかったことをメンバーと分かち合いましょう。

自分の考えを発表し、さらに、他のメンバーの発表をよく聞い
て、取り入れられるところはどんどん取り入れてください。
2014年度信州大学FDカンファレンス
2014/08/22
+
18
ほぐしあい

緊張感や重苦しい雰囲気がグループ全体にみなぎっているとき
は、まず、みんなでその気分を言い合ってください。

そして、一呼吸おいてから、話し合いにはいるようにしましょ
う。

あくまでも笑顔をたやさずに、なごやかにグループセッション
を進めてください。
2014年度信州大学FDカンファレンス
2014/08/22
+
19
司会なし討論

パターン1 集団づくりの第一段階

はじめに話す人を決める。

「(名前)です。」といって話し出す。

はじめの人が話し終わったら、その人が他の人をさして「どうぞ」
と言う。

指名された人が自分の名前を言って話す。

これをすべての人が話すまで続ける。

一巡したら、同じ要領で繰り返す。
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2014/08/22
+
20
司会なし討論

パターン2 メンバーが名前を覚えた後で


話し終わった人が、まだ話していない人をさして、「~さんどう
ぞ」と言う。
パターン3 雰囲気づくりができたら



最初の人が手を上げて自分の意見を言う。
「私の意見に質問や意見のある人はいませんか。」といって話した
人が次の人を指名する。
なければ、誰かを指名して「~さん、あなたの意見を述べて下さ
い。」と言う。
2014年度信州大学FDカンファレンス
2014/08/22
+
21
LP作成の3ステップ
(Seldin in Zubizarreta 2004)
学習成果の収集
1.

プレゼンテーション・ノート、課題、レポート、宿題、実験レポート、ク
ラス研究、論考、科目BBSへの書き込み、研究論文、創作物(作品・上
演)
明確な基準による精選とアーカイブの陳列
2.

成果の質、批判的思考、書きぶり、応用性、リーダーシップ
振り返り
3.

何を学習したか

その学習は何故重要と言えるのか

ローカル・グローバルな重要事項との関連

当該学期中にその科目を履修したことにより学習はどのように進展したか

自らの学習を改善するために振り返りをどのように活用したか
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2014/08/22
+ LPを学習に活用するために共同作業をする理
22
由
(Zubizarreta 2004, p11-12.)

振り返りは学生を個別に自分の学習について考えさせるだけで
はだめ。学習共同体における学生同士の共同作業やメンタリン
グの長所をうまく活用できれば振り返りは最も促進される。

確かに学生同士のグループでの振り返りもメンターとの振り返りも自分のプライバ
シーを開示する苦痛は多少なりともあるが、一方的な授業による知識伝達では学習は
低次にとどまる。

共同での振り返り、すなわち教授者と学習者の双方を変容させる(transform)生きた
アイディアのダイナミックなやりとりこそが高次の教授学習となる。

それらは学生をより意味のある学習へ導き、視野を他の学問領域に広げ、関心を未経
験領域に向ける上でかけがえのない働きをする。

メンターとLPを作成・改訂する共同作業により振り返りは先鋭化される。
2014年度信州大学FDカンファレンス
2014/08/22
+
23
LPは単なる学生が自らの学習活動の成果をまとめた「学習
記録」(a learning log)ではない。
それだけでは不十分である。
LP作成作業を通しての深い振り返り(deep reflection)がLP
(作成)の真髄(the very heart)である
これこそがZubizarretaがLPの本で言いたかったことである。

深い振り返りにより、学生は(LPに掲げた)各証拠が何を学習した
根拠となるかを自問自答する。

学生は自分自身の物語を語り、強みと弱みをアセスメントし、成果と
活動を評価し、過去の学習を振り返り、今後の学習について考える。

Zubizarretaの恩師でありティーチング・ポートフォリオや学生授業
評価の研究の第一人者であるPeter SeldinがZubizarreta(2004)の本に
書いた「まえがき」より
2014年度信州大学FDカンファレンス
2014/08/22
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3.ファシリテータへのロードマップを
考える

考えてみよう(1分間ライティング)

隣の人と話し合おう(集団討議)

説明を聞く(メモを取る)

インストラクターとしての能力をチェックする

教師修行、研究授業、研究会

ブリティッシュコロンビア大学のESD-FD
2014年度信州大学FDカンファレンス
2014/08/22