28aTS5 ISS軌道上CALETテレメトリデータ模擬 早大先進理工 早大理工研A 早大重点領域B 神奈川大工C, JAXAD, 東大宇宙線研E 下村健太, 鳥居祥二A, 浅岡陽一A, 小澤俊介B, 笠原克昌A, 神尾泰樹, 仁井田多絵, Holger MotzA, 力石和樹, 田村忠久C, 上野史郎D, 清水雄輝D, 冨田洋D, 赤池陽水E, 他CALETチーム JPS2014年次大会@東海大学 内容 • 研究概要 • CALETテレメトリデータ模擬システム – システム全体の流れ – ISS軌道上宇宙線流束計算 – 検出器シミュレーション – CALETデータ取得シミュレーション • 模擬データ使用例 – トリガーレート, データ転送レートの導出 • まとめ JPS2014年次大会@東海大学 研究概要 CALET運用開始に向けた準備事項 • • • • 筑波宇宙センター → 早稲田大学のI/F試験 Quick Look (QL) モニターの開発 Level0 データ(rawデータ)処理システムの開発 軌道上運用計画の最適化 実際の形式に基づく 模擬データが必須 本研究では数種類のシミュレーションを組み合わせ、 現実的なテレメトリ模擬データを作成するシステムを開発した システム概要 • ISS軌道上でCALETに入射する宇宙線を再現する - ISS軌道上での入射宇宙線の決定(ATMNC3) - 検出器シミュレーション(EPICS/Geant4) • 実際の仕様・形式に基づきテレメトリデータを作成する - MDC(Mission Data Controller)のシミュレーション JPS2014年次大会@東海大学 システム全体の流れ プログラム ATMNC3 宇宙線データ データ ISS軌道 データ MDC Simulator 軌道上宇宙線 サンプリング 検出器シミュ レーション (EPICS/Geant4) 較正データ ベース (PostgreSQL) 較正データ チャンネルアサイン ISS軌道上 装置入射 宇宙線データ ISS軌道上 宇宙線検出器 応答データ LDカウンタ 処理 トリガー カウンタ 処理 トリガー 判定処理 ADCデータ 処理 DB I/F テレメトリ 出力 CALイベント データ出力 定時データ 出力 Pedestal 差引 ゼロサプレス処理 LD・トリガーマスク LDスレッショルド カウンター初期値 Endian変換 処理 JPS2014年次大会@東海大学 テレメトリ データ システム全体の流れ ATMNC3 宇宙線データ ISS軌道に沿ったCALET検出器 プログラム 入射粒子のサンプルを行う ISS軌道 データ データ MDC Simulator 軌道上宇宙線 サンプリング 検出器シミュ レーション (EPICS/Geant4) 較正データ ベース (PostgreSQL) 較正データ チャンネルアサイン ISS軌道上 装置入射 宇宙線データ ISS軌道上 宇宙線検出器 応答データ LDカウンタ 処理 トリガー カウンタ 処理 トリガー 判定処理 ADCデータ 処理 DB I/F テレメトリ 出力 CALイベント データ出力 定時データ 出力 Pedestal 差引 ゼロサプレス処理 LD・トリガーマスク LDスレッショルド カウンター初期値 Endian変換 処理 JPS2014年次大会@東海大学 テレメトリ データ 高度400kmにおける宇宙線Fluxの計算 ATMNC3 地球磁場や大気の影響を考慮し、1次宇宙線と2次的に生成する粒子を追跡しFluxを計算する - 地球磁場モデル:IGRF2010 - 大気構造モデル:US-standard 1976 Ref : M. Honda et al., “ New calculation of the atmospheric neutrino flux in a three-dimensional scheme ”, Phys. Rev. Lett. D 70 (2004) 043008. • 追跡粒子がターゲット層を通過した際に次の情報を取得し、1次データを作成 緯度・経度・粒子種別・エネルギー・入射天頂角・方位角 • 高度400kmの球殻を約7000個の等立体角Gridに分割する • 1次データから緯度・経度を基に粒子情報を振り分け、各Grid毎にリスト化する 高度400kmにおける等立体角Grid ー1次宇宙線 ー2次宇宙線 ターゲット層: 高度400km球殻 JPS2014年次大会@東海大学 Ref : I. Gringorten et al., “The division of a circle or spherical surface into equal-area cells or pixels ”, INSTRUMENTATION PAPERS, NO 343 (1992) AD-A257 770. ISS軌道上における装置入射宇宙線のサンプル 1. 次の粒子入射までの時間間隔 Δtを決定 Grid上の宇宙線Flux 指数分布 粒子入射時のISS位置 Δt秒分ISSを移動 ※実際は平均で Δt = 20μsec ある時刻でのISS位置 Probability = 1 – exp(-RΔt) Δt = -ln(1-Probability)/R R:Grid毎のレート 1. Δt秒後のISS軌道上の位置を決定 2. 入射粒子をGridの宇宙線データ リストからサンプル 1〜3繰り返し 緯度・経度・粒子種別・エネルギー・入射天頂角・方位角・入射時刻 JPS2014年次大会@東海大学 のリスト作成 システム全体の流れ プログラム ATMNC3 宇宙線データ データ ISS軌道 データ MDC Simulator 軌道上宇宙線 サンプリング 検出器シミュ レーション (EPICS/Geant4) ISS軌道上 装置入射 宇宙線データ ISS軌道上 宇宙線検出器 応答データ トリガー カウンタ 処理 トリガー 判定処理 ADCデータ 処理 CALET検出器に粒子をDB I/F 較正データ 入射し検出器応答を計算 ベース (PostgreSQL) 較正データ チャンネルアサイン LDカウンタ 処理 テレメトリ 出力 CALイベント データ出力 定時データ 出力 Pedestal 差引 ゼロサプレス処理 LD・トリガーマスク LDスレッショルド カウンター初期値 Endian変換 処理 JPS2014年次大会@東海大学 テレメトリ データ 検出器シミュレーション • シミュレーションコード – EPICS ver9.161 (Cosmos ver7.641) – Geant4 ver9.4p01 電子10 GeV 入射例 • 粒子入射条件 ATMNC3計算による入射方向に垂直 かつ検出器中心を通る平面上で位置を ランダムに1点取得 • 観測データ Root fileの形式にて以下のデータを生成 – 各検出器チャンネル毎のエネルギー損失、 入射位置・方向、相互作用位置 等 – 軌道上宇宙線データの順番を保持 ISS軌道上入射宇宙線データと合わせて、 入射時刻・緯度・経度・各検出器のエネルギー損失 をMDC Simulator へ入力 JPS2014年次大会@東海大学 システム全体の流れ プログラム ATMNC3 宇宙線データ データ ISS軌道 データ MDC Simulator 軌道上宇宙線 サンプリング 検出器シミュ レーション (EPICS/Geant4) 較正データ ベース (PostgreSQL) 較正データ チャンネルアサイン ISS軌道上 装置入射 宇宙線データ ISS軌道上 宇宙線検出器 応答データ LDカウンタ 処理 トリガー カウンタ 処理 トリガー 判定処理 ADCデータ 処理 DB I/F テレメトリ 出力 CALイベント データ出力 定時データ 出力 Pedestal 差引 ゼロサプレス処理 LD・トリガーマスク LDスレッショルド カウンター初期値 Endian変換 処理 JPS2014年次大会@東海大学 テレメトリ データ MDC:トリガーロジック部 MDC(Mission Data Controller) 検出器からの信号を収集し、トリガーシグナルの生成・DAQ(Data AcQuisition)・地 上システムへの送出等の役割を担う トリガーモード • High Energy Shower Trigger (HE) ・・・ 10 GeV以上の電子観測 • Low Energy Shower Trigger (LE) ・・・ 1 GeV以上の電子観測 • Single Trigger (Single) ・・・ 検出器較正用 重イオンモードを含む全6種類のモードから任意の組み合わせを選択、 それぞれのモードについて任意の値でスレッショルドを設定できる HEイベント例(e-:10 GeV) Singleイベント例(p:100GeV) CHD 0.7MIP IMC4 7.5MIP TASC 55MIP JPS2014年次大会@東海大学 IMC 0.7MIP TASC 0.7MIP MDC:データ収集・送出部 MDC(Mission Data Controller) 検出器からの信号を収集し、トリガーシグナルの生成・DAQ(Data AcQuisition)・地 上システムへの送出等の役割を担う • データ送出プロセス Event Buildingタスク • データ収集命令 • Event Building タスク データ生成に必要な情報を集約 ー ADCデータ ー イベント情報 デッドタイム ー Event Building タスク完了まで(5ms)の間、 新規トリガーに対する不感時間 Event Processタスク 1次バッファ Event Process タスク 2次バッファ データ送出タスク • ゼロサプレス処理 :信号がペデスタル相当のチャンネルを削除 データ送出タスク • • テレメトリスピードに応じてデータを送出 2次バッファ中のデータ(60kbit)を100ms毎に送出 イベントデータの他、温度・HV等のハウス キーピング項目は定時データにて送出(/1s) 上記3つのタスクはパラレル処理 JPS2014年次大会@東海大学 MDCシミュレーション シミュレーションでは以下の流れでトリガー・データ生成を行う 次の粒子へ 該当トリガー にHitなし CALET入射 宇宙線情報 トリガー判定 カウンタ処理 DeadTime 次の粒子へ • 設定可能項目 ー トリガーモード ー トリガースレッショルド ー カウンタ初期値 • ADCデータ処理 ー ΔE → ADC値へ変換 ー ゼロサプレス処理 デッドタイム判定 • データ出力 ADCデータ処理 データ収集 ー 実際のパケットの形式に 忠実に出力 ー HKデータ(定時データ) の出力も実装 データ出力 JPS2014年次大会@東海大学 テレメトリ模擬データ作成例 • ISS軌道情報 – 2011/11/01の軌道1周分 • ATMNC3入力条件 – Primary:p,e+/e-,He – 重イオンはHeに含 90min 0min • 運用モード – 科学解析用データ取得 High Energy Shower Trigger • トリガースレッショルド:電子10 GeV – IMC4 : 7.5 MIP – TASC : 55 MIP JPS2014年次大会@東海大学 トリガーレート・データ転送レート • トリガーレートとデータ転送レートをテレメトリ模擬データから導出 – データはHEトリガーで取得 – トリガーカウンタの数値からトリガーレートを計算 – 100秒間の平均を1秒毎にプロット トリガーレートの時間変化 データ転送レートの時間変化 ートリガーレート ー緯度 ーデータ転送レート ー緯度 JPS2014年次大会@東海大学 まとめ • CALET地上運用システムの開発などに使用する現実的な ISS軌道上テレメトリデータ模擬システムを作成した – 高度400kmに入射する粒子情報をATMNC3により計算し、ISS軌道 上での装置入射宇宙線をサンプルする – 検出器応答をEPICS/Geant4により求める – 実際の仕様に近いDAQ・データ送出をCALETデータ取得システム (MDC)のシミュレータにて行う • ISS軌道1周分の模擬データを作成し、トリガーレート・データ 転送レートを導出した – トリガーレート :10〜25Hzの範囲で変動 – データ転送レート:250〜480kbpsの範囲で変動 • 今後の課題 – MDC Simulatorの詳細化 • バッファの実装 • ISS軌道情報(補助データ)の出力など追加 – 模擬データを用いた地上システムの開発 JPS2014年次大会@東海大学 地磁気緯度 による影響 End JPS2014年次大会@東海大学 Back up JPS2014年次大会@東海大学 ATMNC3の検証 AMS-01の観測条件を満たすイベントを選別(実線) ① 地磁気緯度θM毎 ② 天頂角32度以内 AMS-01の各地磁気緯度における観測結果(丸点) (M.Auiglar, et al. Physics Reports 366(2002) 331-405) JPS2014年次大会@東海大学 入射天頂角補正による影響 [陽子のみ] • トリガーレートの顕著なピークは入射天頂角補正の影響である – 天頂角90°付近のイベントの重みが大きく何度もサンプルされる – 元サンプルの統計量が小さくなるのを補正するため、この影響が出てくる ことは避けられない Number of Event (Log) High Energy (HE) Triggerがかかった事象のCos (天頂角)分布 - EPICS (CAD Model) - Geant4 Cos (天頂角) ランダムサンプリング • ATMNC3計算による全体での経過時間:Tall – Tall = N ÷ SΩ ÷ F = 14.1[ps] • 各Gridでの宇宙線が全てCALETへ入射すると考えた場合 の経過時間:T0 – Tall、各GridのSΩGrid及びCALETのSΩCALETの比から、 T0 = 14.2 [ps] × SΩGrid/SΩCALET = 1.09 [s] • 単位時間あたりにCALETへ入射する粒子の数:λ – 各Gridのイベント数をNGridとして、 λ = NGrid / T0 • 装置に粒子が入射してから、次の粒子が入射するまでの 時間間隔がΔTである確率:P(ΔT) – P(ΔT) = 1 – exp(-λΔT) 【exponential distribution】 • P(ΔT) を 0〜1 の一様乱数で振り、時間間隔ΔTを ΔT = -ln(1-P(ΔT)) / λ で決定 JPS2014年次大会@東海大学 トリガーレート・データ転送レート • スレッショルドの値を0.5倍、1.5倍、2倍にした結果と比較 レート平均(ISS1周) HE Th ×0.5 HE Th ×1 HE Th ×1.5 HE Th ×2 トリガーレート [Hz] 40.7 17.6 9.9 6.5 データ転送レート[kbps] 621 374 260 201 トリガーレート データ転送レート ーHE Th:×0.5 ーHE Th:×1 ーHE Th:×1.5 ーHE Th:×2 ー緯度 JPS2014年次大会@東海大学
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