「管理する」とは何か マネジメントスキルを考える 加世田病院リハビリテーション部 2006年11月24日 部内教育 担当:堀木周作 なにを「管理」している? 患者:離院、離棟、怪我、医療関連事故・・・ 物品:備品、什器、消耗品、設備・・・ 記録:診療録、活動記録、会議録・・・ 労働:勤務計画、人員配置・・・ 計画:年間、月間、週間、日間、時間・・・ 時間:役割分担、責任分担、労働分担・・・ 私たちが管理していることは多岐にわたる。 管理と仕事目的が混同してないか? あなたの仕事は「管理」すること? 「管理」することの目的は何だろうか? 「管理」が必要な根拠を考えてみよう。 自分の仕事の目的は何であるかを考える。 管理は手段であり目的ではない 多くの人が勘違いしている! たとえば・・・ 患者管理=患者の責任能力の限界への支 援手段として用いる手法である。 物品管理=物品の流通を合理的にコントロー ルするための手段である。 運営管理=ビジョンや計画の実現と実行のた めの手段である。 患者責任能力の限界への支援とは? 例) 見当識に問題のある患者が自由に自在な行動 や認識が出来る状況であればどうなるか・・・? 1. 2. 3. 4. 離棟、離院→事故の可能性に晒される 視覚情報に乏しい環境→認知的混乱、不安 不安・脳による補償→脳による代償作用(幻覚、妄想 化) 更に脳幹症状でも有れば→幻覚、せん妄の憎悪 ・・・私たちの目的と反する結果を導きやすくなる。 私たちの目的 治療(援助・支援) 患者の医療事故防止→医療安全対策(シス テム) 困惑や不安の軽減→患者の体験への援助 病的体験改善→身体療法、環境調整 満足できる療養生活→ホスピタリティー =人・物・環境によるサービスの提供 物品のコントロールとは? 例) 管理されないままに物品が限りなく豊富に 有ったら、逆に備品や消耗品が足りず多く の私物で溢れていたらどうなる? 1. 2. 管理する能力と範囲が限界を超え目が届かな い。 利用者の選択・抽出機能を鈍化させる。 管理の流れ 1. 対象のリサーチ(患者管理を例にして) スタッフと患者の両方のニーズを明らかにする ・患者の生活機能・心身機能の情報を収集する。 ・治療(援助・支援)の目的を明確にする。 ・目的に沿って適切なサービスを選択・準備する。 ・実施可能なサービスや手段を相手に提示する。 ・患者の具体的に到達可能な目標を互いに確認・設定する。 注意:スタッフによる逆選択を起こさないようにすること! =自分の都合のいいように患者に行動や選択を強いない! 2.物理的環境や状況の調査や整理 環境:空間や感覚の認知に影響を与えるもの ・清潔感、室温とその調整、空間的・物理的 分かり易さ、建物の設計構造と材質、配 色や特徴、移動やアクセス、調整や可変 性など。 ・名札やユニフォーム、整理された資料・材 料・用具・器具、準備された各種用品など。 自分ために仕事をせよ! 満足できる仕事のために 仕事での自己実現を目指す 能力開発の機会への参加を惜しまない 他者からの承認や賞賛を指標に行動する 自分の人生や生活に有益であれ 自由がある=周辺他者に対し自己責任を持てる =悪い事の原因ばかりを追求しない =解決策を錬る・周囲に提案できる =他罰的な他者依存や甘えを排除
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