冷気の生成場所

自然教育園における冷気生成機能と
周辺市街地への熱的影響に関する実測
1073163 岡野円香 1073166 小熊崇史
にじみ出し現象
晴天かつ静穏な夜間、放射冷却により緑地に冷気が
蓄積され、その冷気が市街地へ流出する現象
晴天
放射冷却
静穏
冷気
市街地
緑地
市街地
超音波風向風速計
N
鉛直気温分布
自然教育園の地形
自然教育園の中央には
Y型の谷がある
気温実測点
タワー
100m
自然教育園と北側市街地
の境界には土手がある
N
E
谷は市街地へ続く
W
断面を見る
自然教育園
低
高
S
自然教育園
谷
土手
市街地
昨年の研究
冷気
市街地
?
自然教育園
谷(低地)
43m
・冷気層ができる
・冷気は実測した市街地範囲内(43m)まで流出
研究目的
日中
クールアイランド強度
(都市内緑地とその周囲の市街地の温度差)
夜間
冷気層の形成
冷気生成の場所及び生成過程
冷気の流出
市街地の冷気流出範囲の特定
実測概要
実測期間
今回の市街地
N観測点
平成22年7月23日
~9月29日
温度計設置状況
市街地 14地点
N
園内
47地点去年の市街地
計61カ所 観測点
U14
市街地温度計
E
W
目黒駅
タワー鉛直分布
S
100m
南側鉛直分布
実測概要
超音波風向風速計 計5カ所
タワートップ
N
N
北側境界
東側境界
E
W
西側境界
S 100m
南側境界
日中のクールアイランド強度
G4
市街地平均気温
クールアイランド強度の日変化
8月の晴れた日の平均気温
タワートップ
超音波風向風速計
市街地は1日通して
自然教育園より約2~3℃高い
断面図
各日のクールアイランド強度の日変化
日中の気温は夜間ほど大きな差はない
夜間に大きな温度差が生じている日がある
のは、にじみ出しが発生したためである
日中のクールアイランド強度
タワートップの風速
園内と市街地の温度差
8月の晴れた日8時~18時
3.5 (m/s)以上では、それ以下より温度差がない
風速が強ければ温度差が生じにくい
にじみ出し日の選別
100m
北側鉛直
タワー
低
高
南側鉛直
昨年
冷気が北側市街地
へにじみ出していた
北側が南側より
標高が低いため
北側境界で鉛直
温度分布を測定
北側鉛直 高低差
北側鉛直
高さ
14.7m
2つの高さの
温度差を見る
土手
高さ
4.7m
選別方法
北側鉛直の上(14.7m)と下(4.7m)
の気温差が1℃以上の日を選別
34
33
気温(℃)
32
31
高さ14.7m
30
29
28
27
26
高さ4.7m
25
(h)
24
8/25
12
8/26 0
8/26
12
8/27 0
8/27
12
8/28 0
8/28
12
8/29 0
8/29
12
選別日は計12日間
8/30 0
8/30
12
8/31 0
8/31
12
26
25
24
23
22
21
20
19
18
(m /s)
(℃)
4 N 26
(m /s)
(℃)
4N
気温が急激に
下がる
25
3 W 24
23
2 S 22
21
1 E 20
19
0 N 18
18 19 20 21 22 23 0
1
2
3
4
5
6
(h)
3W
風向
2S
風速
0N
18 19 20 21 22 23 0
1
2
3
4
5
各境界でも同じ
現象が見られる
西側境界
南側境界
(℃)
(m /s)
4N
26
25
3 W 24
23
2 S 22
21
1 E 20
19
N
0
18
(℃)
(m /s)
風向が変わって風速
が安定する(0.2m/s)
1
6 (h)
東側境界
東西南北境界に
おける風向・風速
(9月9日~10日)
18 19 20 21 22 23 0
1E
気温
北側境界
26
25
24
23
22
21
20
19
18
タワーT OP気温
2
3
4
5
6
(h)
4 N
3 W
2 S
1 E
0 N
18 19 20 21 22 23 0
1
2
3
4
5
6 (h)
26
25
24
23
22
21
20
19
18
(m /s)
(℃)
4N
タワーT O P 気温
3W
風向
風速
2S
1 E
気温
0 N
18 19 20 21 22 23 0
1
2 3
4
5
6
(h)
(m/s)
/s)
(℃)
(m
(℃)
26
26
44NN
25
25
タワーTOP気温
24
W
24
33W
23
23
22
風向
22
22SS
21
21
風速
20
20
11EE
気温
19
19
18
18
00NN
(h)
18 19
19 20
20 21 22 23 0
18
0 1
1 2
2 33 44 55 66(h)
北側境界
東側境界
1時頃に各境界で
冷気が市街地へ
流出ている
東西南北境界に
おける風向・風速
(9月9日~10日)
南側境界
西側境界
26
25
24
23
22
21
20
19
18
(℃)
18 19 20 21 22 23 0
(m /s)
1
2
3
4
5
6
4N
26
25
3 W 24
23
2 S 22
21
1 E 20
19
N
0
18
(h)
(℃)
(m /s)
4 N
3 W
2 S
1 E
0 N
18 19 20 21 22 23 0
1
2
3
4
5
6 (h)
冷気の生成場所
18
24
20
2 (h )
22
46
42
気温鉛直分布図
冷気が樹冠表面
で作られ気温が
下がっている
標高( m )
38
34
冷気が溜まり
はじめている
30
26
22
2時間毎の
鉛直分布図
18
14
19 20 21 22 23 24 25
気温( ℃)
標高(m)
冷気の厚さの時間変化
放射冷却により樹冠表面が冷やされている
冷気が溜まっている
(℃) タワー上基準
タワー
44
40
36
32
28
24
土手
20
低地
16
18 19 20 21 22 23 0 1 2
気温鉛直分布図
3
4
5
6 (h)
U12基準
土手
土手
11
550
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
18 19 20 21 22 23 0 1
12
(℃)
7
5
6 (h)
8
9
400m
10
400m
10
水平気温分布図
1 2 345 6
低地
2 3 4
9
低地から市街地への距離(m)
1.2 0.4 -0.4 -1.2 -2 -2.8 -3.6 -4.4
11
12
(℃) タワー上基準
タワー上
44
標高(m)
40
鉛直気温分布図
36
冷気の厚みが土手
冷気が強くなり
タワー下
を超える
32
28
24
土手高さ
20
低地から市街地への距離(m)
16
18 19 20 21 22 23 0
低地
1
1.2 0.4 -0.4 -1.2 -2 -2.8 -3.6 -4.4
550
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
18 19 20 21 22 23 0 1
2
(℃)
3
4
5
6 (h)
U12基準
水平気温分布図
冷気が市街地の
冷気が市街地へ流
奥へ流れている
れはじめる
土手
土手
低地
2 3 4
5
6 (h)
低地から市街地への距離(m)
鉛直気温分布図
1.2 0.4 -0.4 -1.2 -2 -2.8 -3.6 -4.4
(℃)
550
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
18 19 20 21 22 23 0 1
(℃)
26
25
24
23
22
21
20
19
18
U12基準
冷気がにじみ
出している
土手
土手
低地
2 3 4
5
6 (h)
(m /s)
4N
北側境界
タワーT O P 気温
3W
風向
風速
北側境界
気温
2S
1E
0N
18 19 20 21 22 23 0 1 2 3 4 5 6 (h)
市街地に流出する
風向に固定される
低地から市街地への距離(m)
1.2 0.4 -0.4 -1.2 -2 -2.8 -3.6 -4.4
550
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
18 19 20 21 22 23 0 1
(℃)
U12基準
12
6
5
土手
土手
低地
2 3 4
5
6 (h)
水平気温分布図
地点5と6を境に
幹線道路がある
冷気に温度差が
ため地点5を
でる
冷気が越えにくい
12
6
5
低地から市街地への距離(m)
1.2 0.4 -0.4 -1.2 -2 -2.8 -3.6 -4.4
(℃)
550
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
18 19 20 21 22 23 0 1
水平気温分布図
U12基準
土手
土手
冷気の流れる
イメージ
低地
2 3 4
5
6 (h)
U12
標高(m)
水平気温分布図
44
40
冷気がたまり始める
36
32
28
24
冷気が一定の高さ
までたまる
20
16
18 19 20 21 22 23 0
1
2
3
4
5
6 (h)
冷気が市街地
へにじみ出す
U12
風速および下向き長波放射量(Ld)と温度差の関係
温度差(℃)「市街地平均気温-低地」
下向き放射量(L d/σTa ⁴ )
1.1
1.05
1.5~2.0°
2.5~3.5°
3.5~5.0°
0~1.5°
2.0~2.5°
1
風速が低く、下向き
長波放射量が小さい
ときに温度差が大き
くなっている
0.95
0.9
下向き長波放射量
(Ld)は、天空の温
度を意味している
0.85
0.8
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
タワー ト ップ の風速(m/s)
4
結論
・超音波風速計により、自然教育園から全方
位に冷気がにじみ出していることを確認した。
・はじめは地表面近くに冷気層が形成される
が、放射冷却が起こっていると思われる(天
空に面している)樹冠表面でも冷気層の形成
が確認された。
・最も冷気が市街地へ流出した場合の距離は
今回の実測範囲(380m)を超えていた。