業務専用端末の仮想デスクトップ化で 高セキュアな銀行向け 事務受託

株式会社バンク・ビジネスファクトリー
本社
設立
資本金
事業内容
URL
神奈川県横浜市保土ケ谷区神戸町134番地 横浜ビジネスパーク イーストタワー
2014年7月
5,000万円
(2015年9月末現在)
金融機関等からの事務受託事業
http://www.sevenbank.co.jp/bbf/
デスクトップ仮想化の採用を決めた背景は?
● 端末の柔軟な増減により、効率的に作業が
可能。
● 顧客情報等のデータが、端末側に残らない
ため高セキュア。
TISを選定した理由は?
業務専用端末の仮想デスクトップ化で
高セキュアな銀行向け
事務受託システムを実現
● デスクトップ仮想化の長年の経験と豊富な
実績。
● 高度なセキュリティ要件にも対応できる技
術力。
導入成功のポイントは?
● 技術を駆使して、業務専用端末の仮想化に
成功。
● TISの中国現地法人がオフショア環境の導
入を支援。
導入効果は?
セブン銀行の100%子会社である株式会社バンク・ビジネスファクトリー
(以下
● 効率的な事務受託事業のプラットフォーム
構築により、BPOのサービス化が実現。
● システム障害“ゼロ”の安定した作業環境。
バンク・ビジネスファクトリー)
は、銀行からの受託業務を効率的かつ安全に遂
行するため、銀行別の仮想デスクトップによる作業を計画した。TISは長年培っ
た技術を駆使して、銀行の業務専用端末を仮想化し、事務受託事業のプラット
フォーム構築を支援した。
背景
デスクトップ仮想化で受託業務の合理化を
バンク・ビジネスファクトリーは、セブン銀
そのひとつに、変動する事務作業量に対す
仮想化の技術を利用した端末環境の構築で
行の事務センターを前身として、2014年7
る、適切な作業人数・端末台数の確保があっ
あった。
月に設立された。代表取締役社長の中嶋良
た。
「 たとえば振込依頼書のエントリー作業
作業の都度、サーバ上から銀行別の仮想
明氏は「全国の銀行は、業務合理化・効率化
は給料日付近に集中し、
この最大値に合わせ
デスクトップを呼び出して作業を行うことで、
の 手 段を模 索されており、我々のノウハウ
て人員と端末を確保するのは大きなコスト
端末台数を柔軟に増減。さらに、シンクライ
をBPOサ ービスとすることで、お役に立て
負担です」
(中嶋社長)
。
アントやゼロクライアントと組み合わせるこ
るのではと考えました」
と、企業化の背景を
このエントリー作業をBPOサービスとし
とで、端末側にデータが残らずセキュリティ
語る。
て提供するには、受注側に、各銀行に合わせ
面でも優れる。こうして、会社設立準備と並
同 社 は 会 社 設 立 前 年 の 2 0 1 3 年 から 、
た高度なセキュリティを保ちつつ、変動する
行して、デスクトップ仮想化を利用した事務
BPOで提供するサービス内容を策定するた
作業量に対応できる作業環境が不可欠。そ
受託事業のプラットフォーム構築の取り組み
め、銀行事務に共通する課題を洗い出した。
こで、社内で出たアイデアが、デスクトップ
がスタートした。
選択
“重要な一歩”
を託せるITパートナー
会社設立を間近に控えた2014年6月、プ
を、柚木氏はこう振り返る。
「 国内でシンクラ
のではなく、各 社 横 並びで比 較 検 討しまし
ラットフォーム構築を託すSIベンダーの選定
イアントの普及が始まった2000年代初頭か
た。どの会社が最も技術に長けているか?長
をスタートした。システム部の柚木雅之氏は
ら、導入に携わっているとのこと。シンクライ
くお取り引きしていけるのはどの会社か?今
こう語る。
「 デスクトップ仮想化は技術として
アント端末などハードウェアの知識も豊富で、
回TISはその条件に最も合致していました」
。
は既に一般的ですが、銀行からの受託事務
経験値は申し分ありませんでした」
(柚木氏)
。
そして、2014年7月にバンク・ビジネスファ
を行うには、セキュリティの確保をはじめ、技
また中嶋社長はTISへの評価をこう語る。
クトリーが設立され、9月にはファーストユー
術面で多くの課題が予想されました。そのた
「今回は、単なるシステム構築ではなく、新し
ザとなる地方銀行から、振込依頼書のエント
め、実績を重視し、大手ベンダー数社に提案
い 会 社 の 事 業 基 盤をつくる非 常に重 要 な
リー 事 務 の 受 託 が 決 定 。こうした動きのな
を打診しました」
。
ミッション。そのため、セブン銀行でお取り引
か、デスクトップ仮想化を利用したプラット
その一社として提案に参加したTISの印象
きの実績があるSIベンダーだけで検討する
フォーム構築は、TISに正式発注となった。
株式会社バンク・ビジネスファクトリー
導入
難関となった業務専用端末の仮想化
プロジェクトが開始して早々、同社システ
から提供してもらう、アプリケーションを含ん
レージも持たないゼロクライアント、サーバと
ム部は、予期していなかった課題に直面する。
だOSイメージは、手を加えないことが条件
の通信にはCitrixの画面転送方式が採用され
「地方銀行のお客様から、行内事務で使用し
となっていたため、TISが技術的な解決策を
た。同社が中国の大連に擁するオフショア拠
ている業務専用端末の詳細情報を提供いた
講じることになりました」
( 柚木氏)。そして、
点では、TISの現地法人である天津TIS海泰
だいたのですが、デスクトップ仮想化への対
TISはアクティブディレクトリ環境でも動作す
(ハイタイ)
が端末の調達からネットワークへ
応が困難であることが明らかになったのです」
るよう、ユーザープロファイルの管理方式の
の接続までを行い、円滑な導入を支えた。
見直しを提案。この方針のもと試行錯誤を重
こうして、国内に約70台、大連に約30台の
プリケ ー ション を 開 発した ベ ン ダ ー が 、
ね、最終テストでは、仮想化した業務専用端
シンクライアント端末が設置され、首都圏の
(柚木氏)
。この専用端末は、入力作業用のア
Windows XP搭載PCをカスタマイズした
末の起動に無事成功した。
データセンターのサーバとネットワーク経由
もの。アクティブディレクトリ環境での利用を
こうして最大の難関をクリアし、仮想デスク
で接続。その後、オペレータのトレーニング
想定した構成になっていなかったことが、デ
トップを置く物理サーバは、首都圏のデータ
やテスト運用を経て、全工程は2015年6月
スクトップ仮想化の障壁となった。
「 ベンダー
センターへの設置が決定。端末は、OSもスト
にカットオーバーを迎えた。
効果
効率的作業で銀行のコスト抑制に貢献
完成した仮想デスクトップのプラットフォー
強化を進めています」
(柚木氏)
。
高く評価いただいています」
(中嶋社長)
。
ムを利用して、2015年7月、地方銀行から受
銀行との商談を通じ、作業環境のセキュリ
中嶋社長はこう締め括る。
「 当社の成長に
託した振込依頼書のエントリー業務が始まっ
ティ面への関心の高さも、改めて実感してい
必要な基盤をしっかり作っていただき、TISへ
た。
「 本番稼働から2カ月が経過しましたが、
るという。
「 銀行ごとの仮想デスクトップで事
の信頼は大いに深まりました。引き続きTISな
システム障害は一度も発生しておらず非常に
務を行う点。そして、国内・中国の拠点には仮
らでは の 提 案をい ただき、一 緒にプ ラット
安定しています」
( 中嶋社長)。当初の計画ど
想デスクトップの画面転送を行うだけで、顧
フォームを大きく育てていければと願ってい
おり、日によって変動する受託作業量に対し
客情報などのデータは一切送信しない点を
ます」
。
て、適切な数の仮想デスクトップおよびオペ
レータを割り当て、効率的な業務が実現。
「お
客様からはお礼の電話もいただきました。満
足のいくコスト削減効果が出ているのではな
国内拠点
シンクライアント端末
約70台
A社用
いでしょうか」
(中嶋社長)
。
データセンター(首都圏)
A社用
A社用
A社用
仮想デスクトップ
A社用
A社用
このBPOサービスに対し、強い導入意向を
示す新たな地方銀行も増え、既に大連のオフ
ショア拠点の現地視察も行われている。
「今
後の事務受託事業の拡大を見越し、より多く
大連オフショア拠点
B社用
シンクライアント端末
B社用
C社用
C社用
約30台
B社用
B社用
の銀行の仮想デスクトップを用意できるよ
ハイパーバイザー
う、TISの力を借りてプラットフォームの基盤
お客様の声
仮想デスクトップによる銀行事務受託事業というビジネス
モデルは、金融業界の新しい挑戦だと思います。そのため
要件がなかなか定まらず、TISには無理なお願いをしました
が、真摯に受け止めていただき感謝いたします。全国の銀
行の収益拡大に貢献するという目標を考えれば、今回のプ
ラットフォームの実現は小さな一歩ですが、その意義は非
常に大きいと感じています。TISには今後ともITパートナー
として、力強い支援を期待しています。
株式会社
バンク・ビジネスファクトリー
システム部 調査役
中嶋 良明氏
柚木 雅之氏
デスクトップ仮想化
http://www.tis.jp/service_solution/vdi/
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本事例に掲載のTISサービスはこちら
株式会社
バンク・ビジネスファクトリー
代表取締役社長
http://www.tis.co.jp/
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■ 名古屋本社 451-0045 愛知県名古屋市西区名駅 2-27-8 名古屋プライムセントラルタワー TEL:052-563-7411
■ 大阪本社 530-0004 大阪府大阪市北区堂島浜 1-2-1 新ダイビル TEL:06-4796-3060
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2015年12月作成 TJ2015-12-2P-067