Shared Questionnaire System の開発と運用 慶應義塾大学政策・メディア研究科 後期博士課程 久保裕也 1 概要 • 汎用機器上で分散並列的に動作するOMRソフトウェアと、その周辺アプ リケーションの開発 – 質問紙調査のボトルネックは集計処理 – ボトルネックを分散並列化によって解消 – 実験協力者・被験者としてのユーザコミュニティの確保 • 社会における「評価」をとりまく課題の検討と、 その解決に向けた先行的実験 – 画一的な評価・主体性のない評価・フィードバックパスの明らかでない評価か らの脱却 – 新しい「評価」スタイルの提案: 「自律的分散的な評価」 「評価コモンズ」の構築 • SemanticWeb の実社会への適用モデルの提案 – 「評価コモンズ」内での協働的なメタ情報記述プロセスの支援 2 • 課題: 「子供たちの成績を良くしたい」 • 学校が親に指導する内容の案: – 「勉強しなさい!」と、やかましく言ってもらうようにする – 宿題をやらない子供には罰を与えてもらうようにする – 子供たちに、朝ご飯を食べて来させるようにする 因果関係(相関関係)の構造の検索機能: • 栄養学的な影響 • 基礎的な生活習慣づけの影響 • 親子の対話・信頼関係の影響 • など…. 3 「共有 (協働的記述) 」をしたい情報 – 調査背景・仮説 • 調査の背景、目的など • 調査の仮設(パラメータXとパラメータYの間に 有意な相関性がある、という考え) – 調査の実施内容 • 調査主体、調査対象、調査日時など • 質問紙の論理的構造(質問の文章、選択肢など) • 質問紙の表現用スタイル情報 – 調査の結果 • 結果の生データ、 統計データ、 分析データ • 仮説の検証結果(相関の程度を表すパラメータの値、 意味的検索・確率推論に用いられる情報構造) 4 システム構成 8 アンケート用紙の作成 One Source Multi Use 多デバイス上での 質問調査に対応 PC テキストエディタ XMLエディタ Web ブラウザ ③WebページからCGIを実行 SQSファイルのアップロード ①XMLファイルを作成する SQS=XHTML2.0+XForms1.0 ファイル AcrobattReader XMLによる拡張・再利用 PDFファイル SFC ④SQSファイルを XSL-FOによりPDFへ変換 ⑤PDFファイルのダウンロード・保存 ⑥アンケート用紙の印刷 9 調査票の例(PDFファイル) ステープラー綴じ領域 位置合わせ用マーク 「章・節などの見出し」 (文書は階層構造を持つ) XHTML2.0 テキストモジュールによる 表現 XForms1.0+SQS1.0で 生成された 質問文・マーク構造 マーク記入領域 質問番号などは自動挿入 11 アンケート用紙の読み取り ①回答用紙の回収 分散化・並列化による 集計コストの削減 LAN PC ADF機能つきスキャナ ③WebページでOMR起動用の リンクを開く Web ブラウザ ②スキャン・画像ファイル作成 Web pageへの アクセス GIF, JPEG, PNG or TIFF ファイル SFC 起動 ファイルを開く ④画像ファイルの処理 マーク情報抽出 AnswerSheetReader 起動 JavaWebStart 必要に応じた 最新版ソフトへの 更新 ⑤集計結果の サーバへの保存 12 マーク読み取りアプリケーション 横一行が 一人分の回答 最終的な結果は CSV形式で書き出し可能 濃い色は 「塗り」を認識 薄い色は 「塗り無し」を認識 チェックボックスで マーク誤認識を修正可 スキャン画像・ 認識部位を確認可 自由記述エリアは 外部画像ファイルとして 書き出し OCR連携やテキスト起こし 支援が可能 13 適用 – ORF2003(2003/11/20,21@六本木) 回収103x8ページ – 宮城県教育委員会での実験 (高等学校10校+α) 1校あたり2000名x3ページ程度 – 大阪府教育委員会(数校) – 東京都足立区教育委員会 (小学校10校程度を予定) – その他自治体単位・個別学校単位での実験 – Web上からの一般利用者 16 学会発表等 • Kubo, H., Ohashi, H., Tamamura, M., Kowata, T., Kaneko, I. : "Shared Questionnaire System for School Community Management", Proceedings of Symposium on Applications and the Internet(SAINT 2004 Workshops, 26-30 January 2004 Tokyo, Japan) pp.439-445, IEEE Computer Society, IPSJ Information Processing Society of Japan (2004). • 木幡,玉村,久保:「自律分散的な学校マネジメントを 支える学校評価と情報公開システムの設計と実装」 日本教育経営学会,2003年6月 17 Webサイト・サービスの一般公開 2003年7月に開設 2003年12月 宮城県内の10校の 高校による 実験利用開始 2004年2月 リニューアル 一般向けテスト利用 開始 2004年4月 ソースコード公開を 予定 18 評価 • アンケートの回答者のユーザビリティ試験 読み込み精度に関する調査 (2004年4月実施予定) – 学部新入生200人へのコンピュータ利用経験を問う 質問紙調査において、回答者を2グループに無作為分別 して比較 • 通常のマークシートによる回答者群・SQSによる回答者群 • マークシート実施者のユーザビリティ試験 (2004年3月実施予定) – 宮城県実験校担当者10名に対して • 質問紙調査 • グループインタビュー 19 今後の予定 • 開発 – 既存の調査結果(足立区五反野小学校における学校評 価アンケート)について、背景や仮説に関するメタ情報の 記述 – 調査過程データを検索・ブラウズするシステムの開発 – 定型的な質問紙調査実施に対応するWizard形式のイン ターフェイス開発 – マーク読み取り用情報のPDF内「しおり」としての埋め込 み・利用のシステムの開発 – マークシート形式以外の質問実施方法への対応 (携帯電話など) 20
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