甲状腺について thyroid gland:頚部前面に位置する内分泌器官で、甲 状腺ホルモン、カルシトニンなどのホルモンを分泌する。 重さが15~20 g程度。 超音波断層検査において、甲状腺の大きさは上下長 が5cmまで、前後厚は1.5cmまで、峡部厚は4mmまで が正常とされている。 組織は、さまざまな直径の甲状腺濾胞(甲状腺小胞) と呼ばれる球状の袋がびっしりと詰まっている。濾胞の 壁は濾胞上皮細胞と呼ばれる細胞が一層に並び、こ の細胞が甲状腺ホルモンを分泌する。濾胞内にはコロ イドと呼ばれるゼラチン状の物質が蓄積されており、主 成分はサイログロブリンと呼ばれる甲状腺ホルモンの 前駆体である。 ホルモン分泌の調節 • 脳(視床下部) • 脳下垂体 • 甲状腺 • 代謝調節 甲状腺の病気 甲状腺機能亢進症:原因として多いのはバセドウ病。これは甲状腺刺激ホルモン受容体に対する 抗体によっておこる自己免疫疾患である。他の原因として甲状腺炎、プランマー病、甲状腺刺激ホルモン産 生腫瘍、甲状腺ホルモンの過剰摂取などがある。 甲状腺機能低下症:自己免疫障害によって甲状腺が攻撃される橋本病では、甲状腺が慢性炎症を 起こして機能が低下する(原発性)。発展途上国ではヨウ素の摂取不足により甲状腺ホルモンを合成できな い事が原因となることがある。手術により甲状腺を摘出したり、放射線療法により甲状腺機能を廃絶させた 場合は医源性の甲状腺機能低下症。 ◎甲状腺疾患は一般内科受診者の約13%程度に見られる。人口の5-7%に結節性病変がある。剖検では 約50%に甲状腺の腫瘤が認められる。 ◎健診では機能亢進症は1.2-2.0%、低下症は4.2-5.2%認められる。 ◎コレステロール値が高い人は、甲状腺機能低下症を疑い、一度はTSHを測定した方がよい。 ◎甲状腺の結節:過形成と腫瘍があり、後者は腺腫(良性で多い)とガン(乳頭がん、濾胞がん、 髄様がん、未分化がん) ◎良性か悪性かの判断は、腫瘤の大きさ(直径5mmを越える)、超音波像→組織診
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