擦呈妄侠5

ミクロ経済学 第5回
消費の理論: 効用関数・無差別曲線
1
前回の宿題の解説
(提出の必要なし)
1. 教科書 2章の章末問題(p60) 3
2. ラーメン一杯の値段が500円から550円に上
がったら、ラーメンの需要量が一日200杯から1
60杯に減りました。需要の価格弾力性を計算し
なさい。
3. 発泡酒への税率引き上げが、市場で売買される
ビールの量に与える影響を、需要曲線と供給曲
線のグラフを使って説明しなさい。ビールの供給
の価格弾力性が高いときと低いときでは、影響は
どう違ってくるでしょうか?
今日やること
 消費の理論


効用関数
無差別曲線
 「政府の介入」は後半に詳しくカバーするので、
skipします。
3
家計(消費者)の行動
1.同じ財なら一番安いところで買う
 ブランド・場所などが違えば別の財
 予算の制約の下で行動
2.バランスよく消費
 冷蔵庫に一種類の食べ物しかなかったら?
4
効用関数
効用: 財から受ける満足度
 効用はそれぞれの財の量によって決まる
効用関数: U=U(x1, x2, …, xn)
 U: 効用
 x1:第1財の量、・・・、xn: 第n財の量
家計の行動:
 効用を最大化するべく、可能な選択肢の中から
ベストな選択をする
 効用関数は家計の選択基準を表現
5
効用関数の例
x1: リンゴの数
x2: ミカンの数
リンゴ
0
1
2
3
4
0
0
0
0
0
0
1
0
1
1.4
1.7
2
リンゴ2、ミカン2と ミカン 2
3
リンゴ3、ミカン1、
4
どっちを選ぶ?
0
1.4
2
2.5
2.8
0
1.7
2.5
3
3.5
0
2
2.8
3.5
4
U  x1 x2
0 .5
 x1 x2
0.5
6
効用関数のグラフ (立体図)
4
3.5
3
2.5
効用 2
1.5
1
0.5
0
3
0
1
リンゴ
2
3
4
0
ミカン
7
限界効用
効用関数: U=U(x1, x2, …, xn)
限界効用: ある財の数量を限界的に(1単位)増
やしたときの効用の変化分
U
 第1財の限界効用: x1


効用関数をx1で偏微分 (他の変数全てを定数と
して扱ってx1で微分)
U=x10.5x20.5 のときの第1財の限界効用は?
8
ミカンの数が1の時の効用関数のグラフ
(立体図をミカン=1で上から横に切った断面図)
2
2.0
1.7
効用
1.5
1.4
1
U  x1 x2 , x2  1
 U  x1
1.0
0.5
0
0.0
0
1
2
リンゴ
3
4
9
消費量が増えると限界効用は?
 ミカンの量が1のまま、リンゴが0から1に増えた
ときの効用はどれだけ増える?
 リンゴが1から2に増えたときは?
 リンゴが2から3に増えたときは?
⇒(x2が一定のまま)リンゴの消費量 x1 が増えると
リンゴの限界効用 x
は減る
2
2 x1
⇒限界効用は逓減する(ある財を増やすとその財
の限界効用は次第に減っていく)
10
限界効用の一般的な性質
1.限界効用はプラスである
 消費が増えればかならず効用は上がる
2.限界効用は逓減する
 追加一単位がもたらす効用の増加分は、消費量
が増えるにつれて減る
 ビール



最初の一杯はすごくおいしい
2杯目はまあまあおいしい
3杯目はまあおいしいかな
11
もうお腹いっぱい
Q
 飲みすぎたら気持ち悪くなっちゃう
⇒限界効用が必ずゼロより大きいというのは非現
実的じゃないの?
A
 限られた予算でバランスよく消費している状態で
は消費を増やせば効用は上がる
→限界効用がゼロ以下になるほどビールの消費量
を増やした場合のことは考えなくていい
12
無差別曲線って何?
横浜のように立体的な地形を地図で表す
→等高線で高さを表す
効用曲線を2次元で表す
→無差別曲線で効用水準を表す
無差別曲線:
 効用水準を一定の水準に保つ財1,2の消費量
の組み合わせ
13
効用関数を二次元で表したのが無差別曲線
4
U=3
U=2
U=1
3
2 ミカン
1
0
1
2
3
0
4
リンゴ
14
無差別曲線の性質
1.無差別曲線は右下がり (よくやる間違いに注意)
 効用水準を一定に保つためには、どちらかの財
を減らしたらもう一方を増やさないとだめ
2.原点にむかって凸
 バランスよく消費したほうが効用が高い
3.右上方にある無差別曲線ほど高い効用水準
 消費を増やせば効用が上がる
4.無差別曲線どうしは絶対に交わらない
 交差すると矛盾
15
無差別曲線が原点に凸の曲線
⇒バランスの良い消費を好む
4
3
0
1
2
3
同じ無差別曲線上の
二つの点の中点は、
元の2点より効用↑
2 ミカン 例)(1,4)と(4,1)を交
互に消費するより、そ
1
の二つの平均(2.5,
2.5)をいつも消費する
0
4
ほうが効用が高い
リンゴ
16
2財の代替率
 無差別曲線上で、第1財の消費を増やす(減らす)
⇒効用を一定に保つには、第2財の消費をどれだけ
減らせば(増やせば)よいか
第1財の第2財に対する代替率
= 第2財の減少分 ÷ 第1財の増加分
= 第1財1単位あたり第2財をどれだけ諦めるか
= 第2財を第1財の増加分の何倍諦めるか
17
(平均の)代替率
リンゴのミカンに対する(平均の)代替率
= ミカンの減少分÷リンゴの増加分
ミカン
ミカンの減少分
無差別曲線
リンゴの増加分
リンゴ
18
限界代替率
リンゴのミカンに対する限界代替率
=リンゴを限界的に増加させたときの平均代替率
=|(その点での)無差別曲線の接線の傾き|
ミカン
無差別曲線
リンゴ
19
補足: リンゴを減らす? 増やす?
リンゴのミカンに対する限界代替率
 リンゴが限界的に1単位増えたとき効用水準を一定
に保つためにはミカンをどれだけ減らせばよいか
 リンゴを限界的に1単位減らしたとき効用水準を一
定に保つためにはミカンをどれだけ増やせばよいか
リンゴの変化分を0に近づければどちらでも同じ
(瞬間の傾きを求める=微分する)
財の量と限界代替率
 原点に対して凸の無差別曲線では、リンゴが増え
るとリンゴの限界代替率はどうなる?
ミカン
リンゴが少し、ミ
カンたくさん
⇒リンゴを増や
すためたくさんミ
カンを諦める
⇒代替率大
ミカンが少し、
リンゴたくさん
⇒リンゴを増や
リンゴの限界
すためにミカン
代替率減
を少ししか諦
めない
⇒代替率小
リンゴ
21
限界代替率=限界効用の比率 1
U
U
効用関数を全微分する と、 U 
 x1 
 x2
x1
x2
同じ無差別曲線の上で は効用水準は一定なの で、
U
U
U  0 
 x1 
 x 2  0
x1
x2

U
U
 x2  
 x1
x2
x1
つまり、 x1を増やすことによる効
x2を減らすことによる効
用の増加分と
用の減少分がイコール
22
限界代替率=限界効用の比率 2
U
U
 x2  
 x1 
x2
x1
x2
U U


x1
x1 x2
第1財の限界効用
 無差別曲線の傾き  
第2財の限界効用
 限界代替率= 無差別曲線の傾き
=第1財の限界効用  第2財の限界効用
23
宿題 (提出の必要なし)
•
Cokeの消費量をx1、Pepsiの消費量をx2とすると、
私の効用関数はU=x1+x2です。
1. U=5のときの無差別曲線のグラフを描きなさい。
この場合、無差別曲線が通常満たすべき性質が
一つ満たされていません。それは何ですか?
2. Cokeの限界効用を求めなさい。限界効用は逓減
するでしょうか?
3. CokeのPepsiに対する限界代替率を求めなさい。