JF Can-do

日語課程設計與研究
(大学院)
評価

Can-do JFスタンダード
日本語能力試験の基準
N1
N2
N3
Can-do statement
http://jfstandard.jp/summary/ja/r
ender.do
JF日本語教育スタンダード
国際交流基金
http://jfstandard.jp/pdf/jfs2010_al
l.pdf
JF日本語教育スタンダード



JF日本語教育スタンダードの全体像を知
りたい
JF日本語教育スタンダードを使って何がで
きるか知りたい
みんなの「can-do」サイトを使って何ができ
るか知りたい
教え方・学び方
学習成果の評価のし方


JF日本語教育スタンダード(以下、JFスタンダ
ード)は、日本語の教え方、学び方、そして学
習成果の評価のし方を考えるためのツール
です。
JFスタンダードを使うことによって、日本語で
何がどれだけできるかという熟達度がわかり
ます。また、コースデザイン、教材開発、試験
作成などにも活用できます。
JF スタンダードが参考にしたヨ
ーロッパの取り組み


JFスタンダードは、ヨーロッパの言語教育の基
盤であるCEFRの考え方を基礎にして作りまし
た。
CEFRとは、Common European Framework
of Reference for Languages: Learning,
teaching, assessmentの略で、ヨーロッパの
言語教育・学習の場で共有される枠組みです
。
JF スタンダードが参考にしたヨ
ーロッパの取り組み

CEFR は、2001年に発表されて以来、ヨーロッ
パのみならず世界で広く着目され、各言語で
実際に利用されるようになりました。JFスタン
ダードも、CEFR の考え方にもとづいて開発し
ました。JF スタンダードを用いることにより、
日本語の熟達度をCEFRに準じて知ることが
できます。
参考:CEFR



Common European Framework of
Reference for Languages
ヨーロッパ言語共通参照枠
【歐洲共同語言參考標準】
初級Basic User
基礎段階の言語使用者
ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、
直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理
解できる。
A2 簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報
交換に応ずることができる。
自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域
の事柄を簡単な言葉で説明できる。
具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と
基本的な言い回しは理解し、用いることもできる。
自分や他人を紹介することができ、どこに住んでいるか、誰と知
A1 り合いか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答
えたりすることができる。
もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助け船を出してくれるな
ら、簡単なやり取りをすることができる。
中級Independent User
自立した言語使用者
自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的かつ具体的
な話題の複雑なテクストの主要な内容を理解できる。
お互いに緊張しないで母語話者とやり取りができるくらい流暢
B2 かつ自然である。
かない広汎な範囲の話題について、明確で詳細なテクストを作
ることができ、さまざまな選択肢について長所や短所を示しな
がら自己の視点を説明できる。
仕事、学校、娯楽で普段出会うような身近な話題について、標
準的な話し方であれば主要点を理解できる。
その言葉が話されている地域を旅行しているときに起こりそう
な、たいていの事態に対処することができる。
B1
身近で個人的にも関心のある話題について、単純な方法で結
びつけられた、脈絡のあるテクストを作ることができる。
経験、出来事、夢、希望、野心を説明し、意見や計画の理由、
説明を短く述べることができる。
上級Proficient User
熟達した言語使用者
聞いたり、読んだりしたほぼ全てのものを容易に理解すること
ができる。
いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も
C2 論点も一貫した方法で再構築できる。
自然に、流暢かつ正確に自己表現ができ、非常に複雑な状況
でも細かい意味の違い、区別を表現できる。
いろいろな種類の高度な内容のかなり長いテクストを理解す
ることができ、含意を把握できる。
言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に
自己表現ができる。
C1 複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の、詳細なテ
クストを作ることができる。
その際テクストを構成する字句や接続表現、結束表現の用法
をマスターしていることがうかがえる。
「Can-do」で熟達度を示す

JFスタンダードの開発
にあたっては、言語に
よるコミュニケーション
を、言語能力と言語
活動の関係でとらえ、
一本の木(「JFスタン
ダードの木」)で表現
しました。
「Can-do」で熟達度を示す


これにもとづいて、日本語
の熟達度を「~できる」と
いう形式の文で示し、6 つ
のレベルに分けました。こ
の「~できる」という文を「
Can- do」と呼びます。
その具体的内容は、「み
んなの「Can-do」サイト」
で提供しています。
ポートフォリオ portfolio

学習者が日本語の熟
達度を自己評価し、
学習過程をふり返る
ための方法としてポ
ートフォリオがありま
す。学習者はポートフ
ォリオを使うことによっ
て、学習進度を意識し
ながら学ぶことができ
ます。
JFスタンダードの木


JFスタンダードの木は、言語能力と言語活
動の関係を整理したものです(1)。
言語によるコミュニケーションのためには、
基礎となる言語能力が必要です。この言
語能力を使って、さまざまな言語活動を行
うことができます(2)。
■コミュニケーション言語能力
(communicative language
competences)





木の根として表現され、言語によるコミュニケ
ーションを支えるものです。
言語能力は次の3つで構成されます。
語彙、文法、発音、文字、表記などに関する「
言語構造的能力」
相手との関係や場面に応じて適切に言語を
使う「社会言語能力」
ことばを組み立てたり、役割や目的を理解す
る「語用能力」
■コミュニケーション言語活動
(communicative language activities)



言語能力を基盤として、木の枝のように広がりがあり、
多様性があるものです。
言語活動は、読んだり聞いたりする「受容」、話したり書
いたりする「産出」、会話などを行う「やりとり」に分類で
きます。さらに、その3つをつなぐ役割を果たす「テクスト
」や、それぞれの活動と能力をつなぐ「方略」があります
。
言語によるコミュニケーションのためには、図1-1で示し
たもの以外にも、文化に対する知識や専門知識、学習
能力などさまざまな能力が必要です。
「JFスタンダードの木」で明確に
なること


日本語を学ぶ人たちの目的はさまざまです。日
本の技術を学びたい、自国にいる日本人と話し
たい、日本のマンガを日本語で読みたい…など。
人それぞれ目的が違うのに、学習方法が同じで
ある必要はありません。
「JF スタンダードの木」によって、重点をおくべき
能力が明確になり、学習目的に応じた学習方針
を組み立てることができます。
1.3「Can-do」とは



「Can-do」とは、日本語の熟達度を「~できる
」という形式で示した文です。
「Can-do」には、6つのレベル(A1、A2、B1、
B2、C1、C2)があります。
例えば、図1-2は、「講演やプレゼンテーショ
ンをする」という言語活動がレベルによってど
う変わっていくのかを「Can-do」で示したもの
です。(3
図1-2 「Can-do」の6 レベル
「講演やプレゼンテーションをす
る」という言語活動のレベル
A1
非常に短い、準備して練習した言葉を読み上げることがで
きる。例えば、話し手の紹介や乾杯の発声など。
A2
身近な話題について、リハーサルをして、短い基本的なプ
レゼンテーションができる。
B1
自分の専門でよく知っている話題について、事前に用意さ
れた簡単なプレゼンテーションができる。
B2
事前に用意されたプレゼンテーションをはっきりと行うこと
ができる。
C1
複雑な話題について、明確なきちんとした構造を持ったプ
レゼンテーションができる。
C2
話題について知識のない聴衆に対しても、自信を持って
はっきりと複雑な内容を口頭発表できる。
参考:CEFR



Common European Framework of
Reference for Languages
ヨーロッパ言語共通参照枠
【歐洲共同語言參考標準】
初級Basic User
基礎段階の言語使用者
ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、
直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理
解できる。
A2 簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報
交換に応ずることができる。
自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域
の事柄を簡単な言葉で説明できる。
具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と
基本的な言い回しは理解し、用いることもできる。
自分や他人を紹介することができ、どこに住んでいるか、誰と知
A1 り合いか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答
えたりすることができる。
もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助け船を出してくれるな
ら、簡単なやり取りをすることができる。
中級Independent User
自立した言語使用者
自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的かつ具体的
な話題の複雑なテクストの主要な内容を理解できる。
お互いに緊張しないで母語話者とやり取りができるくらい流暢
B2 かつ自然である。
かない広汎な範囲の話題について、明確で詳細なテクストを作
ることができ、さまざまな選択肢について長所や短所を示しな
がら自己の視点を説明できる。
仕事、学校、娯楽で普段出会うような身近な話題について、標
準的な話し方であれば主要点を理解できる。
その言葉が話されている地域を旅行しているときに起こりそう
な、たいていの事態に対処することができる。
B1
身近で個人的にも関心のある話題について、単純な方法で結
びつけられた、脈絡のあるテクストを作ることができる。
経験、出来事、夢、希望、野心を説明し、意見や計画の理由、
説明を短く述べることができる。
上級Proficient User
熟達した言語使用者
聞いたり、読んだりしたほぼ全てのものを容易に理解すること
ができる。
いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も
C2 論点も一貫した方法で再構築できる。
自然に、流暢かつ正確に自己表現ができ、非常に複雑な状況
でも細かい意味の違い、区別を表現できる。
いろいろな種類の高度な内容のかなり長いテクストを理解す
ることができ、含意を把握できる。
言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に
自己表現ができる。
C1 複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の、詳細なテ
クストを作ることができる。
その際テクストを構成する字句や接続表現、結束表現の用法
をマスターしていることがうかがえる。
「Can-do」を活用する効果



「Can-do」を活用することによって、
日本語の熟達度を客観的に把握したり、
今後の学習の目標を明確にしたりすること
ができます。
また、他の人や他の機関とも目標や熟達
度を共有できるようになります。
CEFR_Cando

カテゴリ



CEFR_Cando_Category_list
CEFR_Cando_Category_list_old(旧訳)
レベル


CEFR_Cando_Level_list
CEFR_Cando_Level_list_old(旧訳)
can-do Statementの概要
名称
数・例 範囲
性質
CEFR Cando
493 全体
JF Can-do
より具体的で日本語の
342 A1からB2 使用場面がイメージしや
すい
汎言語的で抽象度が高
い


JF日本語教育スタンダード _ 概要
http://jfstandard.jp/summary/ja/render.
do
図2-3 学習目標一覧の例
A国 ○△□日本語学校 大人
を対象とした日本語コース





○学習者について
学習者
学習歴
レベル
学習目的/動機






○カリキュラム
コースの目標
学習時間
学習内容
使用教材
学習成果の評価
2.2 「Can-do」を使って学習成
果の評価を考える


コースデザインをする際、学習目標に合っ
た評価基準を考え、目標と評価を一貫性
のあるものにするために、「Can-do」を使っ
て「評価基準」と「評価シート」を作成します
。
評価基準と評価シートを作成する全体の
流れは、図2-5のようになります。
―評価基準と評価シートを作る―

例:「A 国 ○△□日本語学校 大人を対象と
した日本語コース」の、「仕事と職業」のトピッ
クを例にして、「口頭発表」の「評価基準」と「
評価シート」を作成します。
―評価基準と評価シートを作る―


「仕事と職業」のトピックの学習目標は、「新し
く日本から赴任してきた人などに、自分たち
の部署の仕事内容について、日本人が知っ
ておいたほうがいい情報や、日本の会社との
違いや共通点にふれながら、ある程度詳しく
話すことができる」です。
評価基準を作成する流れについて、図2-5の
流れにしたがって、ステップごとに見ていきま
しょう。
ステップ1 評価の観点を決める
①



このコースで目標とするB1レベルの産出(話す
)の「Can-do」を見ながら、どのようなコミュニケ
ーション言語能力が必要かを考えます。ここで
は、以下のようなカテゴリーが必要だと考えま
した。
【42使用語彙領域】、【43語彙の使いこなし】、【
44文法的正確さ】、【45音素の把握】
【50話題の展開】、【51一貫性と結束性】、【52
話しことばの流暢さ】
ステップ2 評価の観点を決める
②



トピックの学習目標も、評価の観点の1 つとし
て利用します。
「仕事と職業」
新しく日本から赴任してきた人などに、自分
たちの部署の仕事内容について、日本人が
知っておいたほうがいい情報や、日本の会社
との違いや共通点にふれながら、ある程度詳
しく話すことができる。
ステップ3 評価基準で扱うレベ
ルを決める


例:このコースでは、学習者の話す力の差が
小さいため、コースの目標レベルであるB1の
「Can-do」と、学習者の現在の熟達度である
A2の「Can-do」を利用して、評価基準を作成
します。
学習者の話す力に大きな差がある場合は、
A1からB2までを利用するなど、教育現場の
現状に合わせて、評価基準で扱うレベルの
幅を検討してください。
ステップ4 「みんなの「Can-do」サイト」を利
用して選んだ「Can-do」をフォーマットに入
れる

ステップ1で選んだカテゴリーのA2とB1の「
Can-do」を「みんなの「Can-do」サイト」から
出力し、フォーマットの各欄に配置します。
ステップ5 「Can-do」をわかりやすい文に
書きかえる
⇒「 MY Can-doとは?」(p.21)


評価基準のフォーマットに入れた「Can-do」を、
もとの内容を活かしながら、学習者にもわかり
やすい文に書きかえます。学習者の母語が同
じ場合は、母語を利用することもできます。
達成できていないことや足りない点を書くので
はなく、達成できていることを前向きな表現で
書くことによって、学習者の動機づけとなりま
す。図2-6は、完成した評価基準の例です。
ステップ6 評価基準をもとに、評価
シートを作成する



ステップ5で完成した評価基準をもとに、発表
者用と教師用の評価シートを作成します。
このコースでは、評価基準のフォーマットと記
述内容をそのまま利用し、あてはまる達成度
にチェックする方法にしました。評価シートに
は、学習者や教師が自由にコメントを記述す
る欄を設けました。
図2-7は、評価基準を利用して作成した発表
者用の評価シートの例です。
内容・活動
談話構成
流暢さ
語彙
文法
発音
本当は
4-3-2-1
の並びの方が
よい