発表資料

1m級アンテナを用いた
基線場検定用VLBIシステムの開発
~広帯域測地VLBI実証実験~
石井敦利*1,3,4, 市川隆一*1,瀧口博士*1,久保木裕充*1,
木村守孝*1,中島潤一*2,小山泰弘*1, 藤咲淳一*3, 高島和宏*3
*1情報通信研究機構 鹿島宇宙技術センター
*2情報通信研究機構 新世代ワイヤレス研究センター
*3国土地理院
*4(株)エイ・イー・エス
発表項目
1.基線場検定用VLBIシステムの概要
2.テストベッドVLBIシステム(CARAVAN2400)
3.CARAVA2400を用いた測地VLBI実験
4.まとめ
基線場検定用VLBIシステムの概要
国土地理院の
比較基線場
Reference
Baseline
~10km
~10km
1km
公共測量に供する
GPS測量機の検定を行う
GSI 32m
Antenna
基線場検定用VLBIシステムの概要
国土地理院の
比較基線場
課題:基線場自体を定期的に検定する必要がある。
が・・・
10kmの距離においては、GPS測量以外の測定手段が無い
≫
GPS測量とは独立の測定手段を確立を目指す
≫
基線場検定用VLBIシステムの開発
基線場検定用VLBIシステムの概要
大口径VLBI
アンテナ(R局)
~システムのコンセプト~
τg_rx
τg_ry
τg_xy
小型VLBI
アンテナ(X局)
10km基線
小型VLBI
アンテナ(Y局)
基線場検定用VLBIシステムの概要 ~現状~
◇概念設計の段階
◇一部は詳細設計まで進んでいる
◇実験可能なものは実験を行って検証し、設計へ反映
○小口径のアンテナでVLBIを行うためには広帯域観測が必
須
→テストベッド(CARAVAN2400)を用いた
広帯域測地VLBI実験
目的 ・広帯域での測地VLBIの精度検証
・観測および解析ノウハウの蓄積
テストベッド(CARAVAN2400)
2.4m
☆精度の検証
☆試作機のベース
Diameter of
Antenna
2.4m
Receiving
Frequency
8.18‐8.60GHz
Polarization
RHCP
System Noise
Temperature
127K
Half power
beam-width
1°
Angle Resolution 0.1°
Driving Speed
1°/sec
CARACVAN2400の経歴
立
上
げ
実
証
実
験
2004年~2005年建設
2005年3月 ファーストライト
2005年12月初フリンジ検出
2005年12月~2006年8月
各種性能評価、アンテナ制御系の整備
2006年9月つくば32m局との測地VLBI実験
(K5/VSSP)
2007年1月GPS測位
2007年2月つくば32m局との広帯域測地VLBI実験
(K5/VSSP&K5/VSI)
試作機のベースとして利用する予定
(広帯域化、2周波数(S、X帯受信)化など)
CARAVAN2400を用いた広帯域測地VLBI実験
2007/2/1 UT 7:00~2/2 UT 6:00
Tsukuba 32m
K5/VSSP
K5 / VSI
8MHz
VIDEO
CONVERTER
H-maser
H-maser
VSI-H
512-1000 MHz
10MHz 1PPS
10MHz 1PPS
K5/VSSP
ADS1000 Sampler
K5 / VSI
8MHz
CARAVAN2400
VIDEO
CONVERTER
UP CONVERTER
VSI-H
ADS1000 Sampler
512-920 MHz
CARAVAN2400を用いた広帯域測地VLBI実験
検出された0059+581のフリンジ(K5/VSSP)
CARAVAN2400を用いた広帯域測地VLBI実験
検出された0059+581のフリンジ(K5/VSI)
CARAVAN2400を用いた広帯域測地VLBI実験
解析諸元(K5/VSSP)
解析ツール:Calc10.0/SOLVE 2006.07.19
解析に使用した観測数/観測数:307/367 (Bad data60)
※ つくば局の位置を固定して、CARAVAN2400局の位置を推定
※ 大気遅延とクロックパラメータは3時間毎に推定
解析結果(K5/VSSP)
CARANVAN2400局位置(ITRF2000)
X -3997 490 915 mm ±9 mm
Y 3276 829 219 mm ±8 mm
Z 3724 308 198 mm ±8 mm
基線長 53814844.8 mm ±2.9 mm
Delay Residual RMS 52psec
K5/VSIのデータについては現在解析中
CARAVAN2400を用いた広帯域測地VLBI実験
測位結果の比較
日時
測位
手段
2007/1/18 GPS
~24
ITRF2000座標系
X(mm)
Y(mm)
Z(mm)
基線長
(mm)
-3997 490 956 3276 829 249 3724 308 240 53814830.8
±30※1
2006/9/21 VLBI
-3997 490 932 3276 829 225 3724 308 222 53814847.0
~22 (K5/VSSP)
±7
±7
±7
±2.8
2007/2/1
~2
VLBI
-3997 490 915 3276 829 219 3724 308 198 53814844.8
(K5/VSSP)
±9
±8
±8
±2.9
※1:GPSアンテナ位置とCARAVAN2400のAz-El直交点間の座標は、
鋼尺による実測と設計図面読取りによって決定している為、
大まかに±30mm程度の誤差があると推測した
3.まとめ
◆CARAVAN2400を用いて2度の測地実験を行った
2度の測地VLBI実験結果(基線長)は良く一致した
GPS測位の結果とも良い一致を示した
≫
CARAVAN2400がテストベッドとして利用可能なことが確認できた
観測や解析に関するノウハウが蓄積された
○今後の課題
・広帯域測地実験(K5/VSI)の解析を進める
・システムのコンセプトを実証する実験を行う
・CARAVAN2400を改修(広帯域化、2周波数受信化)
国土地理院の比較基線場(筑波)
Reference
Baseline
~10km
~10km
1km
GSI 32m
Antenna
公共測量に供する
GPS測量機
の検定を行う
CARAVAN2400を用いた測地VLBI実験
2006/9/21 UT 5:00~9/22 UT 5:00
CARAVAN2400を用いた広帯域測地VLBI実験
UP CONVERTER
ADS1000へ
IF信号
BPF
ミクサ
ローカル信号
400MHz
Amp
IF信号
100~520MHz
ADS1000へ
Amp
500~920MHz
512~920MHz
BPF
512~1024MHz
400MHz
ローカル発振器
アンテナAz-El直交点のGPS測位
GPS
アンテナ
副鏡支柱
CARAVAN2400改造案
CARAVAN2400改造案
一次焦点
給電アンテナ
副鏡固定部
焦点距離 f = 750mm f/D = 0.3125