2008.10.29 データ統合・解析システムH20年度中間報告会 @東京大学 武田ホール 安全な農作物生産管理技術と トレーサビリティシステムの開発 溝口勝1・二宮正士2・鳥谷均3 DIAS農 1 東京大学大学院農学生命科学研究科(UT) 2 農業・食品産業技術総合研究機構(NARO) 3 農業環境技術研究所(NIAES) 本課題の背景 • 穀物価格の急騰 – – – – 中国、インドなどアジアを中心とする有力な途上国の食糧需要増 気候変動に伴う洪水や干ばつによる収穫減 バイオ燃料生産のための穀物利用 途上国を中心に食糧確保不安、各地で暴動の懸念 • 食の安全・安心 – 冷凍食品への農薬混入 – 事故米問題 • 農学分野の役割と責任 – 農学+情報による貢献 DIAS農における全体目標 • コアシステムで提供されるデータ群を効率的に統合し 農業分野で利用できるようにする • 誰でも簡単に知ることができ,政策決定者の判断のよ りどころになるシステムを実現する 個人農家 – 農業生産管理支援情報 – 地球温暖化による食料生産への影響等 政策決定者 • 安全で安心かつ安定的で高品質な食糧供給を求める 公共益に供する – グローカルな視点でジャストインタイム農業システムを構築 3 H20年度の達成目標 1.全球規模で各地域の農業生産を評価できるモデルの高機能化 (グローカル農業生産モデル) – 多様な作物・品種ごとに、気候の長期変動ばかりでなく年次的異常高温など短期的変動 による影響を全球レベルで検証するツールを開発する。 – 広域にわたる影響をWeb 上で評価できる利用者インタフェースを開発する。 気候変化に対応してグローバルスケールで作物栽培可能性を検証できるようになる 2.各種気象観測データ群の共通メッシュ気象値化とシームレス統合手法の開発 – コアシステムにある地上気象観測データ、平年値気象データ、気象庁が全球、地域ス ケールで提供しているグリッドごとの気象解析・予測値(GPV)データ、長期予測データ等 を、共通メッシュ気象値としてシームレスに連携しメットブローカでアプリケーションに仲介 できるようにする。 農業のみならず多様な目的に利用できる情報基盤を提供できるようになる 3.農業用地上モニタリングシステムの稼動安定化 – グローカル農業生産モデルを検証するためにタイの圃場に設置してある地上モニタリング センサー(フィールドサーバ)を安定に稼動させる。 衛星等活用研究のバリデーション・データとして高度共有化できるようになる 4.モニタリングデータの多目的高度共有化 – フィールドサーバが収集する気象・土壌水分・画像データを多目的に高度に共有できるシ ステムを開発する。 作物の生産情報や安全・安心に関わる情報を効率的に発見し伝達できるようになる 1.グローカル農業生産モデルの開発 (2008年5月時点) • Web水稲適地適作&収量予測ツール • 多様な作物・品種の生育パラメータ推定を簡便化するツール 成長が速い! 土浦より1ヶ月早い収穫 同じ方式で全球レベルで栽培可能性を判定できる! (ただし、現時点では十分な水があるという条件付) 水利用可能性とのリンクが必要 → 全球レベルでイネの適地適作予測が可能 → 任意の品種の収量予測値をマップ表示 5 Web版水稲収量予測ツール 個人農家レベルで実行可能(未公開) 気温 日射量 予測結果の表示 10月15日 稚内:0 kg 10月15日 札幌 2008.10.7 DIAS-TV会議資料 グローカル視点でのWeb版水稲収量予測ツール 全球レベルでイネの適地適作予測が可能 任意の品種の収量予測値をマップ表示 Web水稲適地適作&収量予測 多様な作物・品種の生育パラメータ推定を簡便化するツール 気温 日射量 温暖化 平均気温が5度上昇すれば稚内でも栽培可能 現在の収量予測 タイの場合 現在では稚内での収量は0 kg このツールにより、温暖化の影響を考慮 した任意の地域の水稲収量予測が可能 9 Web版水稲収量予測ツールⅡ(開発中) 政策決定者支援用(未公開) • 収量予測結果 – 品種別 – 二期作可能性 – 温暖化の影響 – CO2濃度の応答 – 政策立案者/個別農家 品種選択 最大収量の 色表示 田植日選択 地域選択 栽培可能性 収穫時期 地域に比較できる 田植時期による違い アジアにおける栽培可能性 詳細検討モードへのリンク グローカル農業生産モデルの展開 • 地上観測データのメッシュ化(柴崎Gと連携中) • 日射量メッシュデータとの統合(沖Gとの連携が必要) – 収量モデルに必須だが,地上観測はあまり無い • 水文データとの統合(小池Gとの連携が必要) – 水条件の付加 • 他の作物への展開 その他の進捗状況 1.全球規模で各地域の農業生産を評価できるモデルの高機能化 – 説明済み 2.各種気象観測データ群の共通メッシュ気象値化とシームレス統合手法の開発 – 木浦さんの現状コメントを記述 3.農業用地上モニタリングシステムの稼動安定化 – タイの観測データについて簡単にまとめる予定 4.モニタリングデータの多目的高度共有化 – 北本さんの成果・・・? まとめ?
© Copyright 2024 ExpyDoc