フォトニックパケットスイッチにおける WDMファイバ遅延線バッファのための パケットスケジューリング 大阪大学 大学院基礎工学研究科 山口 貴詩 [email protected] 1 研究の背景 インターネットトラヒックの増大 光伝送技術の発展 ・WDMによる大容量伝送 交換システムにおける電子技術の限界 光通信の広帯域性を十分に活かすために 全光によるパケットスイッチングが必要 2001/12/13 情報ネットワーク研究会 2 WDMフォトニックパケットスイッチ ・特徴 エレクトロニクスデバイスの速度限界を超える 高速なスイッチングが可能 ・問題点 パケットの競合による損失 スイッチ内の1つの出力線に対して同時に 複数のパケットが出力される場合に発生 2001/12/13 情報ネットワーク研究会 3 スイッチにおけるパケットの競合 Input 1 Output 1 l 波長 1 で入力した 出力線 1 を目指す パケットの競合による損失が発生 パケット Input 2 2001/12/13 情報ネットワーク研究会 Output 2 4 パケット競合の解決手法 従来の電気領域におけるスイッチ RAMを利用してパケット出力の時間的調整を行う ことにより、パケットの競合を解決 フォトニックパケットスイッチ 光領域におけるRAMが実用化されていない → ・ 波長変換 ・ 光バッファリング 2001/12/13 情報ネットワーク研究会 5 波長変換 Input 1 l Wavelength Converter Output 1 波長 1 で入力した 出力線 1 を目指す 波長 2 に変換 パケット l Input 2 2001/12/13 Wavelength Converter 情報ネットワーク研究会 Output 2 6 光バッファリング Fiber Delay Line Buffer 2 1 1 1 2 1 2 1 Output 1 Input 1 2 Input 2 2001/12/13 Output 2 情報ネットワーク研究会 7 研究の目的 ・スイッチアーキテクチャの提案とその評価 パケット競合を解決するため、波長変換 および光バッファリングを用いる - 共有バッファ型 - 出力バッファ型 パケットスケジューリングアルゴリズムを 適用して、シミュレーションを行う 2001/12/13 情報ネットワーク研究会 8 スイッチアーキテクチャの概要 ・パケット競合を解決するための装置 - 波長変換器 - FDLバッファ ・同期/可変長パケット 到着パケット t 同期されたパケット t 2001/12/13 情報ネットワーク研究会 1slot 9 共有バッファ型スイッチ Space Switch Fiber Delay Line Buffer 1 W Tunable Wavelength Converter Input 1 Input N 2001/12/13 1 1 B W 1 1 W W 1 1 W W 情報ネットワーク研究会 Fixed Wavelength Converter Output 1 Output N 10 出力バッファ型スイッチ Space Switch Fiber Delay Line Buffer 1 1 Input 1 W W 1 W 1 1 B Fixed Wavelength Converter W Tunable Wavelength Converter 1 W 1 Input N 2001/12/13 Output 1 W 1 W 1 W 情報ネットワーク研究会 1 B Output N 11 パケットスケジューリング アルゴリズム パケットの割当波長の決定を行う 1.波長変換によって競合を解決できる場合 直接出力線に送る 2.波長変換によって競合を解決できない場合 FDLバッファに送る アルゴリズムA1: ラウンドロビン方式 アルゴリズムA2: 最小バッファ割当方式 アルゴリズムA3: 最短パケット割当方式 2001/12/13 情報ネットワーク研究会 12 アルゴリズム A1 ラウンドロビン方式 パケットに割り当てる波長は順にラウンドロビン方式で 決定する。 1 2 2001/12/13 バッファ 波長 2 l1 l2 1 3 dropped 4 dropped 情報ネットワーク研究会 13 アルゴリズム A2 最小バッファ割当方式 バッファに蓄積されているパケットのキュー長が最も 小さい波長をパケットに割り当てる。 1 2 2001/12/13 波長 1 l1 l2 2 3 4 バッファ dropped 3 情報ネットワーク研究会 14 アルゴリズム A3 最短パケット優先割当方式 パケット長の短いものから順にバッファのキュー長が最も 短い波長をパケットに割り当てる。 13 2 4 13 2 2001/12/13 パケット長の短い順にソートする バッファ 2 4 1 4 情報ネットワーク研究会 3 波長 l1 l2 15 シミュレーションモデル ・ポアソン到着 ・1波長あたり 40Gbps ・平均パケット長 400bytes ・最大パケット長 1000bytes ・多重波長数 W = 8 ・スイッチの入出力線本数 N =16 2001/12/13 情報ネットワーク研究会 16 バッファサイズによる評価 (低負荷の場合) Packet Loss Probability 負荷 0.4, タイムスロット 20ns 10 10 10 10 10 10 10 0 -1 Algorithm A1 Algorithm A2 Algorithm A3 Algorithm A1 Algorithm A2 Algorithm A3 -2 -3 -4 -5 -6 0 4 8 12 16 20 Buffer Size B T (= B) 共有バッファ型 2001/12/13 24 0 情報ネットワーク研究会 64 128 192 256 320 384 Buffer Size B T (= B×16) 出力バッファ型 17 バッファサイズによる評価 (高負荷の場合) Packet Loss Probability 負荷 0.8, タイムスロット 20ns 10 10 10 10 10 10 10 0 -1 -2 -3 -4 Algorithm A1 Algorithm A2 Algorithm A3 -5 Algorithm A1 Algorithm A2 Algorithm A3 -6 0 64 128 192 256 320 384 0 Buffer Size B T (= B) 共有バッファ型 2001/12/13 情報ネットワーク研究会 64 128 192 256 320 384 Buffer Size B T (= B×16) 出力バッファ型 18 負荷による評価 Packet Loss Probability バッファサイズ 64, タイムスロットサイズ 20ns 10 10 10 10 10 10 10 0 -1 -2 -3 -4 Algorithm A1 Algorithm A2 Algorithm A3 -5 Algorithm A1 Algorithm A2 Algorithm A3 -6 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 Offered Load 共有バッファ型 2001/12/13 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 Offered Load 出力バッファ型 情報ネットワーク研究会 19 タイムスロットサイズによる評価 Packet Loss Probability バッファサイズ 128, 負荷 0.8 0 10 10 10 10 10 10 10 -1 -2 -3 -4 Algorithm A1 Algorithm A2 Algorithm A3 -5 Algorithm A1 Algorithm A2 Algorithm A3 -6 10 20 30 40 50 60 70 80 Time Slot Size [ns] 共有バッファ型 2001/12/13 10 20 30 40 50 60 70 80 Time Slot Size [ns] 出力バッファ型 情報ネットワーク研究会 20 まとめと今後の課題 フォトニックパケットスイッチの性能評価 ・共有バッファ型 負荷の低い場合において有効 ・出力バッファ型 負荷の高い場合において有効 アルゴリズム A2, A3 がアルゴリズム A1 に比べ高い性能を示す 今後の課題 高負荷時においても高い性能を実現する 共有バッファ型スイッチのアーキテクチャおよび パケットスケジューリングアルゴリズムの提案 2001/12/13 情報ネットワーク研究会 21 タイムスロットサイズが スイッチの性能に与える影響 Fiber Delay Line Buffer ・遅延線の長さ 1 B 1slot ・同期/可変長パケット 到着パケット t 同期されたパケット 2001/12/13 情報ネットワーク研究会 1slot t 22 共有バッファ型スイッチにおける void space の発生 For output 1 For output 3 For output 2 Queue of Buffer Void space Queue of Output port 1 2001/12/13 情報ネットワーク研究会 23
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