gate-toroku-system 入門 小高正嗣 2008 年 7 月 11 日 EPNetFan 座学編第11回 gate-toroku-system (gate)とは? • EP ネットワークサーバのユーザ/DNS 登録・更新・ 抹消を自動的に行うソフトウェア – サーバを使うためにくぐってもらう「門 (gate)」 • ユーザインターフェースは CGI – web ブラウザ上から操作 • 1998 年に開発開始, 1999 年度末に完成 – 細かな改変を受けながら, 地球流体電脳倶楽部サーバ, 九大理, 国立天文台でも利用されている なぜ gate が必要か? • 多数のユーザ / ホストの登録・更新・抹消を 手動で行うのは大変 • 例:ユーザ登録の場合に必要な作業 – 登録/更新/抹消者の確認 • 氏名, 連絡先, 所属研究室, 指導教員, アカウント名 • 申請が正しいかどうかの確認(なりすましの防止) – 実際に作業 • adduser, deluser コマンドを使って実行 基本的な考え方 • ユーザ / DNS の登録・更新・抹消作業を自動化 – 手動では無理 • 申請が正しいかどうかの確認は, 申請者本人と指導 教員に行ってもらう – 「保証人制度」の導入 • 複数のホストからなるサーバシステムを想定 – EP サーバでは, mail, web, DNS, ftp, news – ネットワークを介して動作 ユーザのための gate-toroku-system 入門 ユーザ登録の流れ (やさしい登録ガイドより抜粋) 1. 登録希望者は保証人の 教員と事前に口頭で相談 2. web 上の受付窓口で申 請, 初期パスワードが発 行される 3. 申請内容が保証人宛に メールで通知 4. 保証人の承認後に アカウント発行 EP サーバのアカウントの種類 • 個人ユーザアカウント – 個々のユーザに割り当てられるアカウント – アカウントと利用者が一対一対応 • グループユーザアカウント – 複数の個人ユーザで利用するアカウント – UNIX のグループという概念を利用 – 直接ログインはできない • sudo を使う DNS 登録の流れ (やさしい登録ガイドより抜粋) 1. 保証人が機器管理者 (root) を指名 2. 保証人または root が web 上の受付窓口で申 請 3. 申請内容が保証人宛に メールで通知 4. 保証人の承認後に DNS に登録 DNS 登録の種類 • A レコード – 通常のホスト名と IP アドレスを対応させる登録 • MX レコード – メールサーバ用の登録 • CNAME – ホストに別名をつけたい場合の登録 登録の更新・抹消 1. 事前に登録システム 用パスワードを設定 2. 本人または保証人が web 上の受付窓口で 申請 3. 申請後, 自動的に登 録抹消 その他 • プライベート LAN 登録の手順は DNS とほぼ同じ – DHCP 用 IP アドレスがサーバから発行される – ホストの MAC アドレスで識別 • すでに登録されているユーザ名/ホスト名では登録 申請できない • 初期ログインパスワードは必ず変更する • 登録システム用パスワードはログインパスワードと は別にする 知っておくと便利なコマンド • gate-user-show / gate-ip-show – ユーザ / ホスト情報の閲覧 • gate-user-list / gate-ip-list – ユーザ / ホストの一覧表示 – オプションでいろいろな条件を与えることができる • gate-user-status – ユーザの利用状況の表示 – 自分の使いたいユーザ名が使われているかどうかが 分かる. 管理者のための gate-toroku-system 入門 実際の動作 • ユーザインターフェースは CGI だが, 実際の 動作はすべてコマンドラインで行われている • 管理対象のシステムを「登録サーバ」と 「その他サーバ」に分けて管理 システム構成 • 登録サーバ 登録申請 – ユーザの受付窓口 – 登録データの管理 www 通知 ユーザ 登録データをネットワークを介し転送 mail DNS 1st DNS 2nd その他サーバ データを受け取り, アカウント / DNS ゾーンファイルを作成 ftp 登録サーバ上での動作: ユーザ登録の場合(1) 1. 登録希望者は保証人の 教員と事前に口頭で相談 2. web 上の受付窓口で申 請, 初期パスワードが発 行される 3. 申請内容が保証人宛に メールで通知 4. 保証人の承認後に アカウント発行 • gate-user-apply – 申請時に申請者と 保証人に申請内容を メールで通知 – 申請内容を記載したと 登録データを作成 登録サーバ上での動作: ユーザ登録の場合(2) • 登録データは, ~gate/userdb 以下に格納 – 申請時には ~gate/userdb/pending 以下 – 承認されると ~gate/userdb/stable 以下へ移動 – 抹消されると ~gate/userdb/defunct 以下へ 登録サーバ上での動作: ユーザ登録の場合(3) 1. 登録希望者は保証人の 教員と事前に口頭で相談 • – 登録申請を認証また は拒否する – 結果を申請者と保証人 にメールで通知 2. web 上の受付窓口で申 請, 初期パスワードが発 行される 3. 申請内容が保証人宛に メールで通知 4. 保証人の承認後に アカウント発行 gate-user-accept • gate-daily – 申請の認証時に アカウントを作成 – 「その他サーバ」へ 登録データを転送 登録サーバ上での動作: ユーザ登録の場合(4) • gate-daily は以下を実行 – gate-db-to-passwd: /etc/passwd の更新 – gate-db-to-shadow: /etc/shadow の更新 – gate-db-to-group: /etc/group の更新 – gate-db-to-sudores: /etc/sudored の更新 – gate-make-home, gate-remove-home: ホームディレクトリの作成 / 削除 – gate-db-update: 登録データの転送と その他サーバ上で gate-daily 起動 登録サーバ上での動作: ユーザ登録の場合(5) • 登録データの転送 – gate 権限による rsync – .shots 認証による ssh ノンパスワードログインを 利用 • その他サーバ上での gate-daily の起動 – inetd を介し gate 権限で起動される – 8888 ポートを用いる その他サーバ上での動作 • 登録サーバから登録データが転送される • その後登録サーバから 8888 ポートに通信が行わ れ, それを合図に gate-daily が起動 • その後の動作は登録サーバと同じ – /etc/gate.conf の設定を見て, アカウントを作成するユー ザを判断 – 例) DNS サーバでは epdns グループユーザメンバー のアカウントだけが作られる DNS / プライベート LAN 登録の 場合 • 基本的な流れはユーザ登録と同じ • 異なる点 – 登録データの格納ディレクトリ • DNS: • プライベートLAN: ~gate/ipdb ~gate/pipdb – ゾーンファイル / dhcpd 設定ファイルの作成は, その他 サーバでのみ行う • DNS: • DHCP: gate-db-to-zone gate-db-to-iptables, gate-db-to-dhcpd 参考文献 • EP ネットワーク委員会, 「やさしい登録ガイド」, – https://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~epcore/gate/toroku.html • gate-toroku-system 開発グループ, gate-toroku-system 入 門, – http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~gate/doc/introduce.html • gate-toroku-system 開発グループ, gate-toroku-system コ マンド集, – http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~gate/doc/commands.html
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