Webグラフィックスを 用いた電子教材の開発 2.

Webグラフィックスを
用いた電子教材の開発
新井裕輝、田村裕昭、斉藤律生、前野英紀、井門俊治
埼玉工業大学 工学部情報工学科 知的感性システム工学研究室
1.目的
表現力が高くインタラクティブなグラフィックスコンテンツ及びグラフィックスを応用した
教育コンテンツを作成し、より効果的な電子教材を作成する。
2.方法
コンテンツ作成の方法として、Javaアプレット、MIDlet、Macromedia Flash、MegaVi
DV2、Video Gateway、Media Mateを用いた。
JavaアプレットとはWebブラウザに組み込み実行するプログラムで、MIDletとは携帯
電話用のアプリを作成するプログラムのことである。
Macromedia Flashとはベクターグラフィックスをタイムラインで制御したアニメーショ
ンでWebコンテンツを作成するソフトである、Action Scriptという独自のスクリプト言語
を使用することによりインターフェース処理を行うことが可能になる。
MegaVi DV2はビデオテープの動画をパソコンで扱うためにデジタル化し、編集など
を行ないAVIやMPEGなどにするソフトである。
Video GatewayはMPEG1形式の動画をサーバーにアップするために使用した。
Media Mateとは映像検索を可能にするソフトで、膨大な量の映像を管理できる。
Java やFlashをWebブラウザで表示するには専用のプラグインをブラウザにインス
トールする必要がある。
図1 Javaアプレットによる座標移動コンテンツ
図2 Macromedia Flashによる
座標移動コンテンツ
画像選択画面
図3 Video GatewayによるMPEG1の作成
映像再生画面
図4 Media Mateでの映像検索と再生
3.結果
FlashとJavaは共に様々なプラット
フォームとブラウザで実行が可能で
ある。それを表1、表2に示す。この
ため、多くの環境で使用が可能に
なりWebコンテンツを作成するのに
適していることがいえる。
表1 FlashとJavaのプラットフォームの比較
Flash
Java
Windows OS
Mac OS
Linux
Irix
Soralis
携帯電話
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
△
△
表2 FlashとJavaのWebブラウザの比較
Internet Explorer Netscape
Mozilla
Opera
Flash
○
○
○
○
Java
○
○
○
○
・図5の数学関数・座標変換の解説では、文章中に動画の図を挿入することで、座標変換
の様子を理解しやすくしている。
図5 数学関数の解説
・図6のMacromedia Flashでのアニメーション機能を用いて座標変換では様子を詳細に
示すことが出来るので、より効果的である。
図6 Macromedia Flashでの座標変換の様子
・他にも、図1、図2のようなユーザー側の数値入力に 反応するインタラクティ
ブなコンテンツを作成した。数値入力のコンテンツは電子教材独自の動作を実
現しているため、今後の更なる発展に期待が持てる。
・極座標の問題では、実際に座標をクリックすることで問題を解くことができ、
自動で採点もできる。さらに、乱数を用いることで問題がランダムに出題され
るので、繰り返し学習することが可能である。また、問題の最後に学籍番号と
得点をCGIで管理できるようになっている。
図7 Javaによる極座標コンテンツ
図8 Flashによる極座標コンテンツ
・図3,4のようなビデオで実際の講義を撮影してMPEG1形式のファイルに変
換したものを、Web教材として配信することにより、インターネット上で擬似的
な講義を受けることが可能になった。
4.結論
動的かつインタラクティブなコンテンツは興味を引き、イメージを伝えやすく理解を助けるの
で、Webグラフィックスを用いて作成する教育コンテンツは有効な効果が期待できる。また、
繰り返し学習でき、時間を選ばず使用できるので利便性が高い。