eil20080707

情報リテラシー実習
Exercise in Information Literacy
§14 著作権とライセンス
§24 インターネット
なぜ保護が必要なのか
p. 199
自由にコピーしてよいということになったら…
ワードプロセッサを作る
最初に売ったもののコピーが広まる
2つ目以降は売れない
最初の1つで開発コストを回収しなければ…
恐ろしく高価なソフトウェアになる
それを買えるのは大金持ち
会社は大金持ちの要求にしたがって
ソフトウェアを作るようになる
知的所有権
pp. 199~200
知的労働の成果物に対する所有権
工業所有権
発明・商標・意匠・商号
著作権
文芸・音楽・美術・写真・映像作品
ソフトウェアに密接に関係する権利
著作権
特許権
著作権(Copyright)
pp. 200~202
ソフトウェアの法的保護として使われる
著作物
・創作されたものでなければならない
・新規性がなければならない
・すでに存在するものを自分のものとす
ることはできない
・保護される権利は「表現」
・アイデア(アルゴリズム)は保護の対
象とならない
著作権(Copyright)
pp. 200~202
一般的な著作権の考え方
(狭い意味の)著作権
・その表現を使って経済的に利益を得る
ための財産権という側面
・財産権としての著作権(譲渡可能)を
持つ主体(人・法人)⇒「著作権者」
・著作物の利用方法に応じて、複製権、
上演演奏権、放送権、口述権、上映頒
布権、貸与権、翻訳翻案権からなる
著作権(Copyright)
pp. 200~202
一般的な著作権の考え方
著作者人格権
・その表現を創作したという名誉的(人
格的)な権利という側面
・著作者人格権を持つ主体(人・法人)
⇒「著作者」
・公表権、氏名表示権、同一性保持権の
3つの権利からなる
・保護期限の制限がなく、譲渡不可能
著作権(Copyright)
pp. 200~202
一般的な著作権の考え方
公表権
著作者が創作したものを何らかの手段で公
表することができる権利
氏名表示権
公表されたときに著作者の氏名が表示され
る権利
同一性保持権
無断で改変されたものを公表されない権利
著作権(Copyright)
pp. 200~202
一般的な著作権の考え方
翻案
・既存の著作物の内面的表現形式を維持
しつつ外面的表現形式を変更すること
二次的著作物
・翻案により創作された著作物
・もとの著作物を翻案する権利を必要と
する
・二次的著作物固有の著作権が発生
著作権(Copyright)
pp. 200~202
一般的な著作権の考え方
ベルヌ条約(1886年)
・著作権の発生に特別の手続きを必要と
しない⇒「無方式主義」
万国著作権条約(1952年)
・「方式主義」の国では保護されない
・© 、著作権者名、最初の発行年が表示
されていれば、方式主義の国でも保護
される
著作権(Copyright)
pp. 200~202
ソフトウェアと著作権
・ソースプログラムとオブジェクトプログラ
ムを1つの著作物とみなす
・ソースプログラムとオブジェクトプログラ
ムの権利は独立に設定できる
・ソフトウェアを使うには、使用許諾契約を
結び、ライセンスを取得する必要がある
・受ける立場の人・機関⇒「ライセンシ」
・発行する立場の人・機関⇒「ライセンサ」
著作権(Copyright)
pp. 200~202
ソフトウェアと著作権
バイナリライセンス
オブジェクトプログラムを使用するため
のライセンス
ソースライセンス
ソースプログラムを読んだり改変したり
するためのライセンス
同一性保持権の適用の例外が認められている
最低限必要な複製が認められている
PDSとフリーソフトウェア
pp. 202~203
PDS(Public Domain Software)
・著作者が著作権を放棄したソフトウェア
・自由に使用できる
・著作者人格権は放棄できるのか微妙
フリーソフトウェア(free software)
・著作権者が著作権を保持
・一定条件のもとで無償で利用できる
・UNIXが最初に作られたときには、UNIX
自体がフリーソフトウェアの一種
PDSとフリーソフトウェア
pp. 202~203
copyleft
・ソフトウェアとソースプログラムを複製し
入手できる
・ソフトウェアやソースプログラムを自由に
使い、読み、変更し、再配布できる
・他人へは自分が享受したと同じ自由と共に
複製させてあげなくてはならない
・ソフトウェアの使用は無保障だが、すべて
の行為は無料
PDSとフリーソフトウェア
pp. 202~203
copyleft
・GNUプロジェクトをすすめるFSF(Free
Sofrware Foundation)などが主張
・FSFはコンピュータプログラムの複写や再
配布の制限、ソースプログラムの理解や修
正に対する制限をなくすことを目標に活動
・FSFは、GNUソフトウェアの頒布サービ
ス、マニュアルの作成、バグ情報の収集、
寄付資源の運用などの支援を行う
PDSとフリーソフトウェア
pp. 202~203
著作権フリー
・著作権使用料を支払わずに使える
・著作権使用以外の権利(改変や頒布)は自
由に行えない場合が多い
シェアウェア(shareware)
・本来は売り物
・試用期間は無料で使用できる
・購入しない場合は試用期間が経過したら速
やかにコンピュータから消去する
特許権
pp. 203~204
・「アイデアに対する権利」として発明を保護
・「発明」とは、「自然法則を利用した技術的
思想の創作」
・自然法則を利用しないもの(純粋数学の解法)
は、アイデアであっても発明にはならない
・「方式主義」をとり、先願を優先する
・保護期間が15年と著作権に比べて短い
・特許として認められた時点で内容が公開され、
知識の共有財産化に関して優れている
特許権
pp. 203~204
ソフトウェアでは
自然法則を利用して情報処理をしている
ハードウェアの資源が活用されている
のどちらかが満たされると特許の対象
ごく普通の方式が特許になっている例
・XORを使ってカーソルを表示する方式
・サブウィンドウとスクロールの組合せ
・表計算で入力順に式を再計算する方式
・スペースキーを押すとスペルチェック
製造物責任
pp. 204~205
・善意で頒布したフリーソフトウェアであって
も、その使用により損害が発生すると損害賠
償を請求される可能性がある
・ソフトウェアであっても、損害の中には死に
つながるものもあり、製造物責任が問われる
ようになってきているので、注意が必要
・万全ではないが、これに対抗するためには、
ソフトウェアを提供するときは損害無保障表
明をつけておく
公開する際の注意
pp. 205~206
・日本の著作権法は無方式主義
・方式主義の国でも著作権が保護されるように
「 © 、著作権者名、最初の発行年」をつける
・オブジェクトプログラムを配布するとコンパ
イラの著作権者の著作権を侵害する可能性が
ある
・再頒布を許す場合は、使用許諾条件を明記し、
再々配布されるときに、必ず使用許諾条件も
複製されるようにする
公開する際の注意
pp. 205~206
・ソフトウェアだけでなく、文章や絵にも損害
無保証表明をつける
・WWWで公開したページやデータは、出版と
同等にみなされる
・著作権の保護期間は著作者没後50年が基本
・日本では「戦時加算」により延長して保護し
なければならない場合がある
・BBSなどに著作物を投稿する場合は、BBSの
規約をよく確認してからにする
インターネットとは
pp. 377~379
an internet
host #3
host #4
LAN #1
router
LAN #2
host #1
host #2
・もともとネットワークのネットワーク
・ネットワークをルータを使って相互接続
・LANなどはインターネットではない
インターネットとは
pp. 377~379
the Internet
・TCP/IPに基づくネットワークのネットワ
ーク
・このネットワークを活用し発展させる人々
のコミュニティ
・このネットワークを通じて到達できる資源
の集積
・ARPANET(アメリカ国防省の資金による
研究プロジェクト)がもと
インターネットとは
pp. 377~379
インターネットと電話
電
機器
データ
接続
電話機
音声
話
インターネット
コンピュータ
2進数
どの電話もどの電話 どのコンピュータも
と接続可能
どのコンピュータと
接続可能
通話/通信 電話番号
IPアドレス
交換機の存在は気に ルータの存在は気に
しなくてもよい
しなくてもよい
通信量
1994年まで世界最
1995年には電話音
大のネットワーク
声通信量を超えた
インターネットとは
pp. 377~379
インターネットの現状/利用方法
ISP(NSP)
自前通信媒体を持っている会社は少ない
CATV
ケーブルテレビ会社の接続サービス
学術ネットワーク
学術研究目的用途限定(SINETなど)
WIDEプロジェクト
インターネット技術研究プロジェクト
インターネットとは
pp. 377~379
ISP(NSP)までの接続方法
ダイヤルアップ接続
アナログ電話回線やISDNを通じて接続
ディジタル加入線回線(xDLS)
ADSLは、注目を集めていた
局と自宅との距離によっては使えない
ISDNと干渉する
光回線(FTTx)
光ファイバを用いた家庭向けデータ通信
アプリケーション
・電子メール
・ネットワークニュース
・ファイル転送
・リモートログイン
・WWW(World Wide Web)
・IRC(Internet Relay Chat)
・Xウィンドウシステム
pp. 379~382
インターネットの仕組み
pp. 383~391
TCP/IP
プロトコルスタック
・ネットワーク通信では、さまざまなプ
ロトコルが決められ、全体として層を
なしている
・TCP/IP通信では、4つのプロトコルの
層が使われる
インターネットの仕組み
pp. 383~391
TCP/IP
プロトコルスタック
応用層
データを転送するプログラム間の会話
双方向ストリーム
TCP層
IP層
データグラム
IP層
物理層
host #1
応用層
TCP層
データグラム
IP層
物理層
router
host #2
インターネットの仕組み
pp. 383~391
TCP/IP
IP層
・IP(Internet Protocol)は、(信頼が
ないデータグラムサービスを提供する
・データグラムは、結合(connection)
が作られない通信で使われるひと固ま
りのデータで、パケットとも呼ばれ、
データの順番が入れ替わったり、途中
で失われたりすることもある
インターネットの仕組み
pp. 383~391
TCP/IP
IP層
・IPのデータグラムが配送されるときに
使われる番号が、IPアドレス
・IPアドレスとしては、32ビットの整数
が使われている(IPv4)
・IPアドレスを表現する場合には、
133.95.106.193
のように4つの部分に分けて書く
インターネットの仕組み
pp. 383~391
TCP/IP
TCP層
・TCP(Transfer Control Protocol)
は、IPの機能を利用して、信頼性のあ
る双方向のストリーム通信サービスを
提供する
・ストリームは、結合が作られる通信で、
データの順番が入れ替わらない、相手
に届くようにする性質がある
インターネットの仕組み
pp. 383~391
TCP/IP
TCP層
・相手を識別するためにIPアドレスとポ
ート番号が必要
・ポート番号は16ビットの整数で、よく
使われるアプリケーションには「wellknownポート番号」が決められている
・1024より小さいポート番号を「特権
ポート番号」という
インターネットの仕組み
pp. 383~391
TCP/IP
応用層(アプリケーション層)
・TCP/IPを利用するプログラム間の通信
方法が定義されている
ポート プロトコル
目 的
21
FTP
ファイル転送
22
SSH
安全にリモートホストと通信
25
80
SMTP
HTTP
電子メールの送信
WWWのデータ転送
110
POP3
電子メールの受信
インターネットの仕組み
pp. 383~391
TCP/IP
物理層
・データグラムを転送するために使われ
ている、物理的な媒体
・イーサネット:10Mbps~10Gbps;
同軸ケーブル、より対線、光ファイバ
・FDDI:主に100Mbps;光ファイバ
・ATM:45~600Mbps;より対線、
光ファイバ
インターネットの仕組み
pp. 383~391
TCP/IP
UDP(User Datagram Protocol)層
ホストとルータ
仮想回線
クライアントサーバモデル
ソケット
(省略)
インターネットの仕組み
pp. 383~391
DNS(Domain Name System)
・インターネットで使われているホスト名か
らIPアドレスに変換するサービス(name
service)
・name serviceを行うプロセス⇒ 「name
server」
・ホスト名からIPアドレスに変換すること⇒
「name resolution」
・name resolutionする部分⇒ 「resolver」
インターネットの仕組み
pp. 383~391
DNS(Domain Name System)
feena.brain.cs.kumamoto-u.ac.jp
・DNSで使われるホストの名前は、「.」で
区切られた文字列(アルファベット、数字、
ハイフン)
・UNIXのファイルのパス名のように書くと
/jp/ac/kumamoto-u/cs/brain/feena
となり、右から左に解釈される
・FQDN(Full Qualified Domain Name)
インターネットの仕組み
pp. 383~391
DNS(Domain Name System)
TLD(Top Level Domain)
・country code TLD(ccTLD)
.af、.al、…、.jp、 …、.uk、.zw
・generic TLD(gTLD)
.com、.net、.edu、…
属性型ドメイン/地域型ドメイン
・.ac、.ad、.co、.ed、.go、.gr、.ne、
.or/都道府県の名前
インターネットの仕組み
pp. 383~391
DNS(Domain Name System)
name serverの働き
・名前をIPアドレスに変換する(正引き)
・名前から電子メールの配送先を引く
・名前からname serverが動いているホ
ストの名前を引く
・名前からname server自身の管理情報
を引く
・IPアドレスから名前を引く(逆引き)
インターネットの仕組み
pp. 383~391
データ表現
文字化け
・文字コードの解釈が間違っていた場合
には、ある文字を別の文字として表示
・データの一部が壊れてしまった場合に
にも起こる
画像(や音声)の扱い
・WWWでは、GIFやJPEGがよく使われ
る
規則、習慣、文化
組織
ISOC
IAB
IRTF
IETF
IRSG
IESG
pp. 391~396
JPNIC(Japan Network
JPNIC(Information Center)
日本国内のIPアドレスやドメイ
ン名の割り当てを行う
ICANA
InterNIC
APNIC
JPNIC
各研究
グループ
各ワーキング
グループ
ARIN
RIPE
規則、習慣、文化
pp. 391~396
RFC(Request For Comments)
・通信プロトコルやその他の規則がまとめら
れている文書
・すべてが守らないといけない規則や標準で
はない(RFC 1920)
・標準や規則のほかに、FYI(For Your
Information)が含まれる
・RFCとして発行される候補⇒「Internet
Draft」
規則、習慣、文化
pp. 391~396
AUP(Acceptable Use Policy)
・受け入れ可能なネットワークの利用目的の
こと(利用制限)
・商用のISPに接続した場合は、普通はAUP
Free(利用制限がない)
・SINETの場合は、SINETの学術研究目的
というAUPに従う
・ネットワークのAUPのほかに、メーリン
グリストにもAUPがある
規則、習慣、文化
pp. 391~396
法律
・日本国内にあるコンピュータを通じてイン
ターネットを利用する場合では、日本国内
の法律が適用される
・他人の著作物を利用する際には、著作権を
侵害していないか注意する
・名誉毀損
・わいせつ物
・他人のプライバシーを損ねてはいけない
規則、習慣、文化
pp. 391~396
netiquette
・インターネットでも存在する、守るべき礼
儀や作法、行儀(エチケット)
・基本は、「現実社会の常識は、インターネ
ットでもそのまま通じる」(⇔「ネットの
前ではみな平等」)
FAQ(Frequently Asked Questions)
・「よくある質問」(答えもいっしょに書か
れている)
規則、習慣、文化
pp. 391~396
インターネットの文化
・Give and Take が大事にされる
問題点
・インターネットでは、簡単に国境を越えら
れる
・情報の発信を規制⇔受信側で選別(フィル
タリング/PICS)
・不正アクセスを防止する⇒firewall
・盗聴防止、認証⇒暗号技術