「リース」について 2008年9月25日(木) 4年B組 青木 孝平 Logo 目次 はじめに 1、「リース」とは? 2、「リース」の仕組み 3、「リース」の特徴 4、日本の「リース」 まとめ 参考文献 Logo はじめに リースという言葉は経営学を勉強してきたみなさんなら たいていは耳にしたことがあると思います。これは、 リース産業が日本の経済社会にとって必要な存在 として地盤を固めたことの証であります。 しかしながら、言葉が普及した反面、その内容が必ず しも的確に把握されていない面もあるはずです。 ここでは、その「リース」の果たす機能や役割について 簡単に理解してもらい、日本のリース産業について 知ってもらいたいと思います。 1、「リース」とは Logo リースとは何か? リース(LEASE)とは・・・ 「賃貸借」やその「契約」などを示す英語 リースという言葉はよく耳にするが・・・ リースという言葉が多義的であるため、経営・経済用語としての リースの概念はあまり理解されていない。 ex.レンタルとの違いは? 言葉の概念の始まりは遠く古代ローマ帝国時代まで遡る。 Logo リースの誕生 発祥は古代ローマ帝国時代?? →不動産を賃貸借 近代的な意味でのリースは1861年頃から →自社製品の製靴機械の賃貸 世界で最初のリース会社 →USリーシング社=1952年設立 Logo 日本では第二次世界大戦後に・・・ ①欧米先進資本主義国に比べて企業の蓄積が少ない ②証券市場はあまり機能してない ③企業の資金の大半は外部資金 ④世界で経済の急速な発展 ⑤競争が打ち勝つには設備投資が必要 ⑥新しい金融手段としてリースが伸展 Logo 現在のリースとは・・・ 始まりは不動産の賃貸借 企業活動における生産・加工・包装・運搬・管理に 必要な一般産業機械や事務機器、設備などの動 産を対象としたエクイップメント・リース(Equipment Lease)へと発展 「企業の設備投資をサポート」 Logo リースとレンタルの違いは? リースは・・・ 物件の仕様やスペックをユーザーが自由に選定できる。 対して レンタルは・・・ レンタル会社が保有する在庫物件の中からの貸し出し。 つまり リースは特定ユーザー向けの経営資源となる物件を、 3年~7年という長いスパンで使用するための手段。 一方で、レンタルは不特定多数向けの汎用的な物件を 一時的に利用するための手段。 2、リースの仕組み Logo リースの対象物件 Logo リースの機種別取扱高 (2007年度) 15.1% その他 31.8% 医療機器 4.8% 情報通信機器 9.2% 9.2% 事業用機器 11.0% 輸送用機器 14.1% 産業機械 14.0% 商業およびサービス業用機器 出所:リース事業協会 Logo リース契約 リース 会社 ③企業に貸出し リース ②企業に代わりに 設備を購入 メーカー (販売会社) 企業 (ユーザー) 設備 製品・商品 ①物件の選定 サービス 消費者 Logo リース契約 リース期間はどのくらい? →日本のリース会社の場合、ほとんどが3年から7年 そのほか2年から10年までが若干含まれる どうやって決められる? →法定耐用年数によって適正リース期間が決められる <適正リース期間> ①物件の法定耐用年数10年未満 (耐用年数×0.7)≦適正リース期間 ②物件の法定耐用年数10年以上 (耐用年数×0.7)≦適正リース期間 法定耐用年数 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年 11年 12年 13年 適正リース期間 2年~ 3年~ 4年~ 4年~ 5年~ 6年~ 6年~ 6年~ 7年~ 7年~ Logo リース契約 リース期間が終了してしまったら? → 物件はリース会社へ返却 or 再リースという方法。割安な料金でリースを継続。 ユーザーが自由に選択可能。 リース期間中のアフターサービスは? →購入したときと同様に、メーカーのアフターサービスや保証 が受けられる。 3、リースの特徴 Logo リースの特徴 ユーザー(企業)のメリット ・資金の固定化防止 → 一度に多額の資金を用意する必要がない ・資金調達力の増大 → 金融機関からの借入枠に影響を及ぼさない ・インフレの危険から回避 → 始めに月々の支払いを決定するので金利変動リスクに左右さ れない ・廃業リスクの回避 → 物件を返却すればいいので債務は限定されたものですむ Logo リースの特徴 ユーザー(企業)のデメリット ・中途解約の不能 → 固定的な負担が発生してしまう ・設備が引き上げられてしまう恐れ → 業績不振によるリース料の支払い不能により ・所有による満足感が得られない → 借り物だという意識 Logo リースの特徴 メーカー(販売会社)のメリット ・販売促進効果 →高くて設備を導入できない企業でもリースなら ・売掛金回収リスクの回避 →通常の販売だと現金回収までに時間がかかる メーカー(販売会社)のデメリット ・現金販売率の低下 → リースがあまりにも深化しすぎると起こる ・中古市場がないと物件の処分が困難 4、日本のリース Logo 日本のリース産業 日本で始めてのリース会社は・・・ 1963年に設立された「日本リース・インターナショナル (現・GEフィナンシャルサービス)」 続いて1964年に「オリエント・リース(現・オリックス)」が 創業した。 その後、需要の増大に刺激されて、商社・銀行などによ るリース事業への進出が活発化した。 Logo 日本のリース産業 現在のリース会社の数は? → リース事業協会に登録されているリース会社数は 277社(2007年3月)未登録の会社も含めれば 1000社ともいわれている。 会社の数は減少傾向 → 10年前のピーク時には370社 金融業界の再編による合併や、業績不振に よる廃業が大きな原因 Logo 日本のリース産業 日本のリース取扱高シェア 三菱UFJリース(11.5%) →ダイヤモンドリースとUFJセントラルリースの合併会社 合併により総資産3兆円の大企業に。 オリックス(10.8%) →日本で2番目に設立された伝統のある会社 現在は総合的ファイナンス企業として有名 三井住友ファイナンス&リース(10.4%) →住商リースと三井住友銀リースの合併会社 商社系と銀行系が合併した新しい企業 Logo 日本のリース産業 ○リースの利用状況推移 (%) 100 89.8 90 90.1 93.1 90.9 78.3 80 70 90%以上の 企業が リースを利用 している 62.8 60 50 94 39.9 41.1 74 77 40 30 20 10 0 80 84 88 92 96 00 0 5 (年度) 出所:リース事業会計資料 Logo 日本のリース産業 ◎リース利用率(対民間設備投資)は9.3% ○民間設備投資額は81兆円 【諸外国のリース利用動向】 USA Canada Ger many I t al y UK Fr ance Spai n Japan リース契約額 リース利用率 (兆円) (対民間設備投資額) 2 2 .4 2 .2 5 .4 3 2 .8 3 .1 1 .8 7 .1 2 6 .9 % 2 3 .9 % 1 8 .6 % 1 5 .1 % 1 4 .5 % 1 1 .7 % 9 .4 % 9 .3 % 出所:World Leasing Yearbook(2007) Logo 新リース会計基準 リースの2つの種類 ファイナンス・リース ①中途解約が不能(ノンキャンセラブル) =解約できない契約 ②フルペイアウト =リース料総額が購入価額の大半を上回ること(90%) ③腐敗化のリスク =ユーザーの責任 オペレーティングリース 上記の①、②、③どれにも当てはまらないリース。 一般のレンタルはここに含まれる。 Logo 新リース会計基準 日本のファイナンス・リースは賃貸借処理 → 日本では長らく借り手がリース資産を借りてるものとして処 理され、支払いリース料を損益計算書に費用計上する「オフ」 バランス処理が行われてきた。 国際会計基準では・・・ →リース取引の借手がリース資産・リース負債を貸借対照表 に計上する「オン」バランス処理が行われていた。 日本も国際基準にあわせるために2007年3月に新 リース会計基準へと移行を決めた。 Logo 海外への展開 クロスボーダーリース契約 リース会社 お客様 連帯保証 物件の納入 輸出入手続き (日本) リース契約 (海外) リース料支払い お客様 海外現地法人 Logo 海外への展開 海外現地法人との直接契約 → 最近ではアジアや欧米に現地法人を置く リース会社が増えてきている。 1970年には7つしかなかった海外現地法人 だが、現在では欧米、アジア、アメリカ合わせて 100以上も進出している。 そのため現地で直接契約を結ぶことも容易になった。 しかし日本にある顧客企業も連帯保証を負わなければならない Logo おわりに リースを使って設備投資をすることで、様々な面で のメリットがあることが分かった。 しかしながら、ここ最近の経済全体の不況で企業 の設備投資額とともにリースの取扱高も減少傾向 にある。これを打開するにはリースの割合をもっと 増やしていく必要がある。割合に関しては先進国 に比べて遅れをとっているためまだまだ改善の余 地があると思った。 新リース会計基準は国際的基準となった以上、今 以上に積極的に海外への進出をする必要がある かもしれない。 また、街中には様々なリース物件が溢れているの で、もっともっとリースが人々の身近な存在になっ ていくこと期待している。 Logo 参考文献 「リースの知識」 日本経済新聞出版社発行 編著者 宮内 義彦 「Q&A リースの会計・税務」 日本経済新聞出版社発行 編著者 井上 雅彦 社団法人リース事業協会HP http://www.leasing.or.jp/index.html その他リース会社のHP
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