2007.7.13 舗装材料小委員会資料 改質アスファルトによる 混合物の疲労性状への影響 内容 : 現在のSHRP試験法の問題点と 新評価法の提案 混合物のビーム疲労試験 ◆試験条件 ・空隙率 : 7.0±0.5% ・供試体寸法 : 380×50×63 [mm] ・劣化条件 : 135℃オーブン内で4時間 ・ひずみ : 250~750 [μ] ※載荷回数N=50のときに再設定 ・周波数 : 10Hz ・初期スティフネス(N=50)の1/2で 試験終了 スティフネス 初期スティフネス 試験終了 N50 載荷回数 バインダの種類と温度性状 ビーム試験温度 G*sinδ=5000kPaとなるときの温度 この温度でのG*sinδ(10Hz) 疲労応答例(同一バインダを使用) 9種のバインダでの疲労寿命 石灰石-粗粒 石灰石-細粒 砂利-粗粒 砂利-細粒 混合物の疲労寿命とG*sinδとの関係 R2=0.0895 R2=0.1887 R2=0.2323 どの骨材においても、相関関係が小さい R2=0.1878 バインダの疲労試験の開発 ◆従来の試験 ・G・sinδと混合物の疲労寿命において相関性が低いのは、 線形粘弾性の範囲(微小ひずみ)で測定しているため ・疲労ひび割れはバインダから始まり、伝播するが くり返し載荷による、疲労ダメージを考慮できていない ◆新しい試験方法 ・バインダだけの疲労試験で、疲労現象をシミュレート ・選定した温度と載荷回数で応力またはひずみを くり返し与える簡便な方法 Time-Sweep 試験 新しいバインダ試験法 ◆試験条件 ・使用バインダ : 9種 ※RTFOで劣化(混合と締固めによる劣化を考慮) ・試験温度 : 混合物のビーム疲労試験温度と同じ ・載荷状態 : 10Hz、ひずみ3%(ひずみ制御) バインダの疲労挙動 (10Hz、3%) ※試験温度は、混合物のビーム疲労試験の温度 50%G* バインダと混合物の疲労寿命関係 バインダ ※試験温度は同じ、載荷はともに10Hz R2=0.8412 相関関係あり 混合物 バインダと混合物の疲労寿命関係(骨材別) ※初期G*の50%となるときの回数Nを疲労寿命とする 石灰石-粗粒 砂利-粗粒 石灰石-細粒 砂利-細粒 例 : バインダの疲労試験結果 2005.12 ブリヂストン実施 ◆試験条件 ・使用機器 : ダイナミックシェアレオメータ(DSR) ・使用バインダ : StAs、改質Ⅱ型、高粘度改質アスファルト ・試験温度 : 20℃ ・載荷状態 : 10Hz、ひずみ3% 改質Ⅱ型 G * [Pa] 1 .5 E+ 0 7 1 .0 E+ 0 7 TB0.4mm-12.5% StAs 5 .0 E+ 0 6 高粘度 0 .0 E+ 0 0 1 .E+ 0 1 1 .E+ 0 2 1 .E+ 0 3 C ycles 1 .E+ 0 4 1 .E+ 0 5 ・StAs、改Ⅱは類似の傾向が見られた ・高粘度は20℃では G*の低下はほとんどない バインダの疲労パラメータの開発 ◆散逸エネルギーとは… くり返し載荷時に消散するエネルギー → 疲労と関係あり Wi ( t )d ( t ) ( t ) d ( t ) dt dt n Wc Wi i 1 Wi : 単位体積1サイクル当たりの散逸エネルギー Wc: nサイクル後に蓄積された散逸エネルギー ◆疲労過程 Stage1 : ひび割れ発生 ・疲労過程には Stage2 : ひび割れ伝播 がある ・くり返し載荷時(疲労過程)には散逸エネルギーが 大きく変動するときがある →このとき、Stage1からStage2へ移行していると考えられる バインダの疲労パラメータの開発 散逸エネルギーで評価するには… 『Dissipated Energy Ratio (DER)』が有効 n DER Wi i 1 Wi : サイクルiでの散逸エネルギー Wc: サイクルnでの散逸エネルギー Wn ※なぜ、散逸エネルギーの増減率の評価ではダメなのか… ・ひずみ制御では変曲点が不明確 ・Stage1からStage2への移行にはかなり時間がかかる 散逸エネルギーの概念を バインダの疲労試験解析に適用した例 ひずみ制御 疲労寿命 Time Sweep試験結果(応力制御) 応力制御 疲労寿命 バインダの疲労性状における応力の影響 エネルギー比の変化=ひび割れ発生 →有効面積減少により急速にひび割れ伝播 初期=散逸エネルギー一定 破壊 : 『DER=Nから20%外れるサイクル数』と定義 1サイクル当たりのエネルギー 異なる載荷条件でのバインダの疲労性状 ひずみ3% ひずみ2% ひずみ1% 疲労寿命 混合物およびバインダの疲労に関して 従来のG*sinδによる評価は混合物の寿命と相関性が低い 一方、Time Sweep試験は… ・混合物との相関性が見られる ・骨材の種類に影響されるが、 バインダのグレードや改質の影響よりは小さい ・この試験から得られる散逸エネルギー比による解析方法は バインダの疲労寿命の評価に適している
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