ジェンダー・開発・HIV

05年度 ジェンダーと近代
12月~1月の日程
12月19日(月)授業
1月16日(月)授業
1月18日(水)“月曜日の代替日”=
最終テスト 授業中 必修
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ジェンダー・開発・HIV
経済・国際市場による開発
New IDL=新国際分業(脱植民地時から)
1.先進国の工場の閉鎖、同企業の工場の途上国での
設置(+ 同じ先進国のマネジメント付)
↓
2.工業化による途上国の経済変化: 自給持続生産から、
国際市場のための輸出型生産への変化
↓
3.自己消費可能な品の生産・購入制度から、
輸出先の先進国の必需品や贅沢品生産への変化
↓
4.先進国における消費者の要求を満たすため、
最も安価な生産過程、労働力、物価が優先されてしまう
2
ジェンダー・開発・HIV
経済・国際市場による開発の中
先進国の「主婦」の役割
1.家の中の者は「主婦」とされる。先進国では、一つの 主
な役割は
家族のための「消費」することとなる。
2.先進国の市場は商品過剰や商品競争による機能する。
商品市場
では、主婦(=消費者)は必需品だけではなく、多様性の
ある商品
を繰り返して買わなければならない。
過剰生産は、品で溢れる市場、浪費する消費生活に依
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存する。
ジェンダー・開発・HIV
経済・国際市場による開発の中
先進国による途上国の「主婦」の役割
1.伝統社会や発展途上国の場合、女性・母が働かなけれ
ばならない世帯が多い。
が、先進国の現地での雇用者(多国籍企業、工場、プラン
テーション)による「主婦」の定義が付けられたら、主婦=「世
帯主の賃金を保護する者のみ」。
2.結果:低賃金でしか働けない、家族の十分な支援が出来
ない、貧困化が進んで行く。
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発展途上国の男女労働
途上国の有償労働者は主に自分の必需品ではなく、 先進
国が購入するものを生産する(自分の低賃金でそのモノを買
えない)。
途上国の男性賃金労働(有償労働)は主に出稼ぎ、
換金作物、小規模土木(=インフラ建設)などとなり、これら
に従事するために家族を村に残す。
その結果、
女性だけが家族の支えとなってしまう。
女性労働は主な労働力として認められないために、
補助労働として低賃金以下の報酬で生計を担おうとする。
その結果、
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世帯、世帯だけではなく、共同体全体が貧困化して行く。
国際市場との関係と女性労働 I・都市部近辺
都市部や都市近郊での先進国への輸出諸部門で女性産労働:
1. 大企業・メーカー
•
•
•
•
•
電気商品
被服
工芸品
食品加工
インフォーマル
セクター
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国際市場との関係と女性労働 II・農村部
2.農村部の先進国への輸出部門での女性生産労働
•アグリビジネスや輸出経済による
換金作物生産
•プランテーション(モノカルチャー)
制度などで働く
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開発とジェンダー:新たな経済学の視点
• NHE=New Household Economics(新家計経済学)
• 経済学、開発学の新たに必要となった対象・単位=世帯
新家計経済の出発点:
1980年代における経済理論。
この理論は、先進国の世帯内経済を説く:
世帯は合理的に資源の効用を拡大化する・世帯内で
分担するために、そして必需品を消費するために、
全員が協力で合意して、統一化された意思決定を果たす。
が、発展途上国の世帯と世帯による共同体経済への貢献の
かたちは上記の説と異なる。
8
開発とジェンダー:新たな経済学の視点
消費と生産の基本単位としての世帯
先進国のモデルが招く問題点
先進国に起源を持つ世帯内経済の「代替」モデル:
• 理想的な世帯内に「効用関数」があるはずから、家庭内労働
の代替性(例: 生産労働 ⇔ 再生産労働の分業)もあるはず
• 世帯内の「効用関数」としての意思決定・資源配分
が、発展途上国では、
貧しい状態に置かれている世帯は以上のような形態を
満たせない。
NHE(新家計経済)調査は、
改めてミクロ レベルで労働者階級や貧しい世帯の収支計算や
これらの国内経済への影響を、明らかにしようとしている。
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新家計経済とジェンダー:家計経済が中心にする点
1.核家族以外の形態(途上国などでの形態) :
• 大家族制(3世代など)、共働き
2.女性が世帯主である家族が少なくない。2つのかたちがある:
• 事実上(多い)。夫が出稼ぎに行くため、又は病気・傷害・
遺棄・遺棄・死亡のために妻が家族を扶養する。
カンボジア、ネパール、東アフリカ諸国の女性世帯主家庭
(母子家庭)=30%+
• 法律上(少なく認められる)。土地、資源の使用権。
HIV陽性者片親母。
裁縫で家族を支援
しようとする母。
右:亡くなった夫(挿入写
真)や、現在に中学にいる
子供達。
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