仮温度 - NICT

沖縄443MHz WPR/RASS
の観測データ品質について
佐藤晋介(NICT)、古本淳一(京大生存研)
2011年6月24日
科研費研究 「局地豪雨予測のための先端的データ同化と雲解像アンサンブル手法に関する研究」
平成23年度第1回研究集会
443MHz WPR/RASS観測
RASS (Radio Acoustic Sounding System)
400MHz帯WPR/RASSの観測シーケンス
[1] spano13 1.33us, 75-range bin (7.5km) ⇒ 高分解能の風速
[2] spano20 2.0us, 120-range bin (18km) ⇒ 高感度の風速
[3] rasso20 2.0us, 70-range bin (10.5km) ⇒ 気温(仮温度)
rasss13 1.33us single-pulse, 70-range bin (2009/1/14~)
・ 5ビーム(天頂・北・南・東・西)で約81秒
・ [1][2][3]合わせて 平均243.7秒 = 4分04秒
東
真上
南
北
音波と電波を併用して
大気温度を測定
cs  K d Tv
cs 音速(m/s)
Kd 定数
Tv 仮温度(K)
RASSエコーを受信
するためのブラッグ
条件
19台のスピーカ
(主風向風上側を使用)
ka  2ke
k a :音波波数
k e :電波波数
NICT大宜味大気観測施設
西
RASS観測データ同化に向けて
(1) データ品質管理
● これまでのデータ同化実験(川畑さん)は特定の解析事例のみ
 三上修論(2007/7/23)、ガーブ川(2009/8/19)、2010/8/14,17ほか
(実は)データ解析処理プログラム(アルゴリズム)が成熟しておらず、
解析事例によってチューニングが必要。 長期データ処理 のためには
プログラム改善に加えて、検証データが必要。
 とりあえず、これまでの解析例を見ながら問題点を整理
(2) 夜間観測を含む定常的観測
● RASS音源に関する研究会を開催@6月6日、NICT小金井
<これまでのRASS試験観測>
・2006/8/29-9/5, 11/6-9, 2007/1/14-16,
・2007/5/20~10/10
(欠測: 2007/6/18-25, 7/2-20, 9/19-22, 10/11~)
<定常的なRASS観測実験>
・2008/2/4~現在 ※昼間のみ(07~20JST)
夏季対流境界層の発達 (2008年6月20日)
dB
HEIGHT (km)
m/s
℃
TIME (JST)
真上
ビーム
(a) 乱流エコー強度(水蒸気の鉛直勾配に強く依存) ⇒ 対流境界層のトップ
(と言われている)
(b) ドップラー速度 ⇒ 鉛直流(上昇流・下降流)
(c) 速度幅 ⇒ 観測体積内(~150m@2.5km高度)の速度のばらつき ⇒ 乱流
(d) 仮温度(最大5ビームの平均)
仮温度プロファイル (2008年6月20日)
HEIGHT (km)
℃
℃/ km
HEIGHT (km)
HEIGHT (km)
仮温度の
鉛直勾配
Virtual Temp (C)
(温度減率)
Virtual Temp (C)
・ 高度3 km付近の逆転層は14時には高度4 kmまで上昇 ← 積雲の発生・消滅?
・ 高度1.5 km前後の逆転層高度は、(対流境界層は発達するが)あまり変化しない
冬季大気境界層 (2009年2月10日) 移動性高気圧
m/s
HEIGHT (km)
dB
m/s
C
TIME (JST) 
各プロファイルの時間変化
仮温度(℃)
10JST
乱流強度(dB)
鉛直速度(m/s)
RASS snapshot
11:04
12JST
12:58
14JST
14:48
16JST
16:26
18JST
全ての
プロファイル
は、7観測
(28分)平均
層状性降雨時のRASS観測(2009年6月15日)
1919JST
1931JST
1943JST
1955JST
降雨
エコー
乱流エコー
RASSエコー
降雨時のWPR/RASS時間・高度断面
28 min averaged
Tv Profiles
HEIGHT(km)
dB
m/s
Vertical Vel (w)
C
Tv
← TIME (JST)
乱流エコー: 高度2.5~2 kmにピーク
降水エコー: 顕著な融解層(B.B)の下に強いエコー
上昇流: 降雨時は降雨が弱い場所、高度1.5~2 kmより上空
Temperature (C)
仮温度:
・下層は高温・多湿 (cold poolはなし)
・降雨域では高度1 kmに高温
・ 19:30以降、高度2.5 km に加熱域
仮温度プロファイルの時間変化(例)
低騒音型アレイスピーカー
Zenith
N-11
W-11
S-11
E-11
既存スピーカーとアレイスピーカーの音量比較(3分後に既存スピーカー18台オフ。
時刻は3月6日、19時42分00秒からの経過時間(分:秒)
RASS音量調査結果
×/×
遮音板+金属フェンスで横方向
の音漏れ(騒音)は30dB以上
下がったが、風下側の山の峰を
回折して伝わる音や逆転層で
反射(屈折)する音は防ぎようが
ない。
国道58号
⇒ 但し、音量としては音圧計で
計測できない程度なので、音源
の工夫で軽減できる可能性あり。
至 名護
●
37/○
●
●
○/△
大宜味大気観測施設
48/40 dB
●
●
49/42
●
47/○
3 km
●
○/×
2010年6月5日 17:00-18:30
RASS音源に関する研究
会
山崎芳男、及川靖広 (早稲田大)
球面波
平面波
マルチセル型平板スピーカ
WASEDA EE W-3232
まとめ (今後の展望)
(1) データ品質管理
● データ解析処理プログラム(アルゴリズム)の改善
 急激な逆転層、季節毎の違い等の調査、
スクリーニング方法(SNR、連続性)の検討
● 長期データ解析処理 と検証データ
 ゾンデ観測@恩納センター、地上気象観測、
現業MSM(定圧面?) との比較
(2) 夜間観測を含む定常的観測
● RASS音源に関する研究会を開催@6月6日、NICT小金井
 次回、7/9@本庄早稲田で平面スピーカー
実験の視察