第6章(pptファイル)

金子郁容研究会(1)輪読
チャータースクールの胎動: 第6章アカウンタビリティというパズル
総合政策学部2年 里村 明洋
総合政策学部3年 黒田真以子
アカウンタビリティとは
~公教育とチャータースクール~
 主要な目的
 良い学校を発見し悪い学校を排除・改善
 「公立学校制度」の官僚的統制に基づいている
 チャータースクールの場合
 公共的な市場(学校の顧客と利害関係者等)により推進
 様々な参加者に学校の活動・効果に関する情報提供
 豊富な情報提供により、良い学校の反映・悪い学校の消滅・改善
に向け人々は行動すると仮定
伝統的な官僚的規制によるトップダウン方式を取り除く
アカウンタビリティの実際(1)
~チャータースクールに課せられた問題~
 規則と遵守を基礎とした官僚的統制
 必要な情報は「金庫の中」
 情報公開法における情報は限られたもののみ。
 個々の学校に関する情報は金庫の中である。
 原因:1. 官僚制による規模の大きさと複雑さによる
2. 成果についての秘密主義・責任追及に対するおびえ
 「透明な」という形容詞はめったに存在しない
 第三者による会計監査のなさ
 学業成績のデータ公開への用心さ
アカウンタビリティの実際(2)
~チャータースクールに課せられた問題~
 チャータースクールにおけるアカウンタビリティ
 既存の規制によるものだけでは新しいものへの可能性が損じられる。
 透明性の確保によるアカウンタビリティ
 個々の学校についての豊富な情報公開
 様々な監視者や構成員による公共的な市場原理による「規制」
 カリキュラムや財政、学力成績などの情報が全て地域社会に明らかに
学校はやり方を変更していくであろう
チャータースクールのアカウンタビリティ
~アリゾナ州とマサチューセッツ州~
 アリゾナ州
 「西部の野生児」(申請、認可の寛容さ)
 安易な規制に逆戻りすることへの危惧

個人が非難される公立学校と制度が非難されるチャータースクール
 監視を強めるという声への危惧


非生産的で規制力の強い体制への警鐘
厳しい申請手続きが一番よい「監視」
 学業達成にもとづいて監視。学習でのリアルな情報は考慮なし
 マサチューセッツ州
 チャーター認可の「ハーバード大学」(認可審査が厳しい)
 「コモンウェルス」チャータースクールは州教育委員会のみ認可
 学区教育委員会と同地区教育組合の同意で、「ホーレスマン」の設立
チャータースクールのアカウンタビリティ
~アリゾナ州とマサチューセッツ州~
 マサチューセッツ州
 三つの問い



学校教育プログラムは成功しているか
学校は活性化した組織か
チャーターの文言に学校は忠実か
 アカウンタビリティ契約書
 生徒の評価手段も契約書に記載
 年次報告書 ⇒ 第三者による会計監査
 学校とは無関係の市民グループによる1日学校訪問
 更新について
 更新申請書の提出(三つの問いに対して信頼に値する回答)
 第三者で構成された評価チームによる、4・5日間の視察
チャータースクールのアカウンタビリティ(2)
データと様々な例
 様々な情報の監視

9割が財政・7割が生徒の成績と出席、6割が規則の遵守と教育活動を監査さ
れている。


3分の1ないし弱が管理体制や生徒の行動、卒業率を調べられている
生徒の成績: 86%が標準学力試験、75%が州の学力試験

他にもポートフォリオや学力試験以外の成績評価
 シカゴ学校改革評議会

データが評議会だけでなく教育市場でも調査されている
 コロンビア特別区公立チャータースクール委員会

アカウンタビリティプランの作成
 テキサス州

学業達成基準と州統一試験にもとづく公立学校アカウンタビリティ制度が大部分適用
チャータースクールのアカウンタビリティ(3)
データと様々な例
 アリゾナ州
 業績主義認定連盟(APBA) :様々な関係者が学校を評価
 実際には情報公開されておらず、ゴールドウォーター研究所
 学校自体における進展
 業績管理制度の利用
 上からではなく下から(自主的な情報公開)
 透明性が高まり、より専門性の高い顧客へ対応した学校づくり
 モダン・レッド・スクールハウス研究所のACHIEVE


達成基準を学際的なカリキュラムに関連づけ、カリキュラムと達成基準
の関係を明確にして、生徒の成績報告書を作成する情報システム。
2000年1月までに9州の約100校で導入。
ACHIEVE:業績情報システム
 4つの目的




学校運営に携わる者が生徒の情報を共有
生徒に関する情報を教師が共有⇒教師の成長と教育効果
生徒の進歩と問題に関する情報を親に提供
教師と管理職との間の情報交流
 情報を蓄積して活用




マウスをクリックするだけで、生徒の情報が開示
教師全員がアクセス可
抽象的な情報から具体的な情報へ(グラフなど)
親への情報提供
 スキル(技能)と教育内容の一覧表、学習経過のまとめなど
チャータースクールの実状
 事例があるが、きわめて少ない
 一般的なチャータースクール
⇒州や学区のトップダウンの規制を遵守させる制度を緩めて使っ
ているだけである。
 公立学校の制度をどこまでチャータースクールに適用するか
 チャーターの更新と閉校という点のみ
 学校が更新できるのか、認可者が閉校させるのかだけの議論
 失敗と生存のみに固執する懸念(新聞記事)
チャータースクールの閉校
~様々な事例~




ペンシルバニア州フィラデルフィア
アリゾナ州メサ
カリフォルニア州サンディエゴ
コロラド州デンバー
 様々な理由による閉校
しかし、教育的不十分という原因による閉校の事例はごくわずか
 最も多い理由
 組織的な混乱や運営の破綻、金銭面のごまかし
チャータースクールの閉校
~閉校は成果?~
 閉校の解釈
 教師は職探し、生徒は転校、学区は教育費
 しかしながら、閉校になるチャータースクールは3%以下
 閉校は「成果」?
 正当な理由による閉校の解釈
 チャータースクール戦略の持続性
 悪い学校と風変わりな学校
 風変わりな学校は全て悪い学校ではない。
 多様性の受け入れ、情報公開、認可者による監視が条件
 新しい精巧なアカウンタビリティの原則の必要性
アカウンタビリティ原則(1)
~民間企業とNPOの会計原則からの応用~
 民間企業とNPOによる会計原則
(Generally Accepted Accounting Principles, GAAP)
 統一的な基準と共通の情報項目をもつ標準書式、第三者の会計監査
による活動・成果報告
 公教育全般(特にチャータースクール)への応用
「一般に認められた教育のアカウンタビリティ原則」
(Generally Accepted Accountability Principles for Education, GAAPE)
 財務的事項のみの会計原則を超えて適用
アカウンタビリティ原則(2)
~チャータースクールへの応用~
 チェックアンドバランスの制度
 公共的な監督と権限
 市場の力を利用して官僚的規制制度の欠点を最小化
 豊富な情報開示
 GAAPEの理念
「個々の学校への管理運営の自由と透明性を元にした市場の原
理を利用し、認可者と政策立案者に責任を果たす」
 GAAPのモデル
 経済界の会計基準:財務記録管理と会計のほぼすべての要素を
支えている。
 信頼性が高い明瞭なデーターの供給による信用
アカウンタビリティ原則(3)
~チャータースクールへの応用~
 経済界の会計基準の優れた特徴
 政府による規制ではなく、適用される会社の性格などにも左右さ
れない
 会社自体と会社の財務状況を監査・報告する会計士事務所療法
に適用でき、また普遍的に適用できる。
 透明性の確保による教育アカウンタビリティの世界にふさわしい。
 GAAPの情報開示による効率化
 弱点・成功の公開
 生産性の高いところへの資金移行
アカウンタビリティ原則(4)
~チャータースクールへの応用~
 会計原則を教育へ(GAAPからGAAPEへ)
 個々の学校についての重要な情報開示
 「信頼するが立証は求める」
 自由を与えるが、学校側は真実を語る責任あり。それによる信頼。
 民間企業等と違う点
 利潤が明確なデータとして出てくる企業とは違い、最終結果が不明
確(教育のゴールとは?)
 学業達成のみが学校教育の目標ではない
市民教育・人格の育成・・・etc.
GAAPEの内容
(Generally Accepted Accounting Principle for Education)
 3段階のレベル
 レベルI :チャータースクール
 I-A教育達成: 達成目標、経過の指標、その時点での経過情報

絶対評価・付加価値・比較の観点
 I-B健全な財政:会計士免許を持つ会社のGAAPによる監査

顧客者へ学校の短期・長期の支払い能力を算定し開示
 I-C組織の存続可能性:管理体制、サービスへの需要などの情報公開

理事会を定期的に行う。理事会の情報は必要とする人が利用できるようにする
 I-D法の遵守: 総合的な情報の公開

法規の適用が除外されていない場合は、遵守に講じた処置を明らかにする。
GAAPEの内容(2)
(Generally Accepted Accounting Principle for Education)
 レベルII:認可者
 II-A:チャーターの認可仮定

申請の審査手続き、基準、審査日程表はもとより、申請者への質問なども公開
 II-B:チャータースクールの監視

年に一度の訪問とその報告文書の作成。また反論の機会を設ける
 II-C:問題を抱えるチャータースクール

監視と介入のために適切な基準と手続きを定める
 II-D:チャーターの更新過程



チャータースクールの更新を審査するための適切な手続きを定める
パブリックコメントを行う機会も保障
拒否された場合の上訴手続きも公開
GAAPEの内容(3)
(Generally Accepted Accounting Principle for Education)
 レベルIII:州
 III-A:プログラム・データ

毎年、様々な情報の公開
 III-B:会計監査

プログラムの運営に携わっていない個人または団体による会計監査の計画
 III-C:評価


第三者のチャータースクール・プログラムの質、有効性、効率性、影響に関
する評価を計画、全ての評価結果を公表
評価者が行う質問にも最低条件がある
 多くの情報公開(第三者的なものから参加者のものまで)により、透明
性・信頼性・信用性の確保
アカウンタビリティのパズルを解く
 チャータースクール・認可者・州の三者によるGAAPE
 第三者を含む様々な参加者の必要性と情報公開
 透明性の確保:情報を幅広く共有(ガラス張りの学校)
 あふれ出る情報であるべき(データーの流布の危険性よりも、情
報不足による危険性のほうが大きい)
チャータースクール運動は教育アカウンタビリティと公教
育での意義、またアカウンタビリティの達成への示唆とし
て重要である