ネットサービスシンセサイザのコ ンセプトとデザイン 東京大学工学系研究科 青山・森川研究室 D3 南 正輝 苦情・お問い合わせ [email protected] 1 背景 Everything on IP / IP on Everything 家電,センサー,ウェアラブル機器,車,etc… Webコンテンツ,マルチメディアデータ,etc… 未来のInternetは機能遍在 データ通信機能 物理メディア,プロトコル,データフォーマット データ処理機能 データソース,データ変換加工,データシンク 2 アプリケーション[1] Connect to 彼女サービス 彼女(の居場所・・)を見つけて くれる 適切な手段で自動接続 ビデオチャットなどを自動生成 状況に応じたサービス 機能遍在 3 アプリケーション[2] 万能リモコン型サービス インスタントディスコ その場にある機能でサー ビスを合成 全てのものを全てのものへ つなげられる 4 適応性 Adaptability 楽しいサービスの提供には適応性が必要 適応性 分散透過性 移動透過,負荷透過,複製透過,etc… いつでもどこでも利用できる コンテキスト適応性 位置適応,状況適応,etc… 状況に応じたサービスの提供 5 Service Synthesizer on the Net STONE: Service synThesizer On the NEt Internet上で任意の適応型サービスを実現するた めの,スケーラブルなネットワークサービスプラッ トフォームアーキテクチャ 6 基本コンセプト[1] 機能からサービスを動的にシンセサイズ 機能とサービス 機能:ソフトウェア/ハードウェア/データ ネット上のサービスは機能の接続からなる 機能が変われば,サービスも変わる 適応型サービス 適応性のセマンティクスに基づいて,機能を動的に発見 して接続する 7 基本コンセプト[2] ネーミングシステム 分散透過性 Naming Internet コンテキスト適応性 Where to findからWhat to findへ “Any”による指定ができることが重要 Adaptive App. コンテンツ,位置,状態などを表すWhat to findな名前の 理解と適応 Whatを表す多様な名前をスケーラブルに管理 ネットワーク上のサービス 「発見」→接続という図式の普遍性 機能偏在化の必要性 8 コンセプトイメージ ⑤シンセサイズされた サービスの提供 Composed Service Service Requests ④機能接続による サービス合成 ②適応型サービスの 抽象表現でリクエスト STONE System Naming ③サービス構成要素分析 および適応的機能発見 Internet Appliances Sensors ①遍在する機能の 自動登録・管理 Programs CPU Resources Multimedia Data Computer & Network Hardware Resources Resources Software Resources 9 基本デザイン ミドルウェア型 実現性の観点から,イン ターネットアーキテクチャに は手を加えない 分散透過性はミドルウェア がネイティブにサポート コンテキスト適応性はアプ リケーションがAPIにより明 示的に指定 Adaptability コンテキスト適応性の指定 API STONE 移動透過・負荷透過など 10 アーキテクチャと要素技術 適応型サービス要求 シンセサイズされたサービス User 適応型サービスレイヤ 適応的機能発見レイヤ ネーミングレイヤ アプリケーション サービスリゾルバ ネットワーク 機能間接続性保証レイヤ 機能抽象化レイヤ 分散機能 インターネットレイヤ アーキテクチャ アプリケーションとUI 機能の適応的複製機構 サービス記述法 コンテキスト適応性処理機構 サービス管理機構 サービス構成要素分析機構 機能(サービス)発見機構 名前共有・解決機構 分散ネーミングシステムデザイン 機能間接続機構 機能記述法 自律型機能 環境情報取得機構 インターネット 自動設定機構 システム構成 要素技術 11 機能抽象化レイヤ 機能の定義 機能の定義 意味的粒度 意味的粒度と構造 アプリケーション依存 自然淘汰 意味的粒度の定義は行わない 構造は定義可能 インターフェースと名前(メタ情報) 12 適応型サービスレイヤ 機能抽象化レイヤ サービスの記述 記述ベースの表現方法 一般性 セキュリティ サービスグラフ XMLによる記述 音楽データ F1 音声出力 F2 F3 適応性処理 機能インターフェース 記述 F3は某氏の近くのスピーカに 解決せよ 13 機能間接続性保証レイヤ 機能の接続 接続の定義 入出力関係,データ フォーマット,通信プロト コルの一致 複数マッチする時は交渉 例:優先順に検索など I/F補完 Function A Function B I/O direction I/O direction Data Formats Data Formats Protocols Protocols Comm. Media Comm. Media Negotiation I/F変換機能を自動挿入 機能登録時にラッピング 変換可能なI/Fを あらかじめ見つけて登録しておける 14 ネーミングレイヤ ネーミングシステムデザイン ネーミングシステム 機能の名前を管理&名前から機能を解決 要求用件 What to findな名前 広域における一意性 広域における運用(スケーラビリティ) 15 適応的機能発見レイヤ ネーミングレイヤ 名前情報の交換と解決[1] 機能発見要求 I/F名の評価値化による集約 および非同期のテーブル更新 N6 DB ロバスト性の観点から ループ存在を許可 N2 N4 マルチパス推定 N3 機能登録 (ソフトステートな 機能登録管理) DB DB I/F検索 機能名・状態名検索 および適応性処理 見つからなければ I/F評価値の多い方向 へフォワーディング (名前に基づく ルーティング) N1 ローカルDB I/Fテーブル 機能名と状態名 (ローカルで保持&動的更新) I/F名 (全ノードで共有&動的更新)16 適応的機能発見レイヤ ネーミングレイヤ 名前情報の交換と解決[2] I/Fテーブル:評価値による集約と発見 N2のI/Fテーブル ポートA ポートB N2-local I/F名1 1.0 0.5 0.0 I/F名2 1.5 2.2 1.0 評価値の高い方向へ フォワードされる ↓ あるI/Fを持つ機能が 近くて,多い方向へ 探しに行く I/F名評価値 伝搬毎に評価値が減少(例:1/2) 評価値=2.0 N1 N4 評価値=1.0 評価値=1.0 ポートA ポートB 評価値=0.75 N2 評価値=0.5 ここから見た N3 数値を集約 の評価値が0.75 17 適応的機能発見レイヤ ネーミングレイヤ 広域における名前解決 必要性 広域におけるコンテン ツの一意的発見はコス トが高い 特定の場所,物,人 既存システムと連携 DNSやX.500など ①広域名解決(FQDNなど) ②領域限定 場所で領域限定 その後,コンテンツ ③コンテンツ解決 18 適応的機能発見レイヤ ネーミングレイヤ サービスリゾルバネットワーク I/Fテーブルの自動更新処理 SR SR SR SR リゾルバの自律分散的 自動設定 SR SR ソフトステートな機能登録 機能 機能登録および I/Fテーブル更新 機能発見 データフォワーディング SG Data グラフ分析 機能の解決 サービス要求 SR SR SR SR SR サービスグラフ 名前解決および サービス シンセサイズ 19 適応型サービスレイヤ 適応的機能発見レイヤ 適応性処理機構 コンテキスト適応性をどう実現するか 機能発見を明示的に制御することが必要 コンテキスト適応性記述 「某氏の近くのカメラに解決せよ」などの記述 サービスグラフ内に記述し,サービスリゾルバがこ れに応じて,解決を制御することで実現 コンテキスト適応性を記述する簡易言語が,今後 必要 20 インターネットレイヤ 環境情報取得機構 適応性を実現する情報源 地理的位置,温度,湿度,明るさ,etc… 位置がわかると様々な状況がわかる 屋内位置情報システム IDタグシステムの利用 Active Batライクな超音波型測位システム Cyber Code, RFID プロトタイプハードウェアは本年度中に完成予定 サービスリゾルバへの位置情報管理機構導入が 今後必要 21 適応型サービスレイヤ 実装 実装環境 リゾルバネットワーク 機器制御・メディア処理 Windows2000,Linux Java2SDK, JAXP(Java API for XML Parsing) Windows2000 Visual Basic Java2SDK, JMF(Java Media Framework) PC約10台(リゾルバおよびリソース) 22 Dial Lamp CyberCode0000103 CyberCode 0000108 Text Value UDP Text Value UDP Control 万能リモコン (Dial ー Lamp Brightness Setting ) 23 24 CD Player CyberCode000106 Audio Wave UDP Speaker Audio Stream × (1) Audio Wave UDP Speaker (2) Audio Wave UDP Audio Stream 障害分散スピーカ 25 26 Monitor Camera “Masaru” Video MPEG RTP Video MPEG RTP Video Stream Dial CyberCode000106 Text Value UDP Text Value UDP Angle Control 首振りカメラ映像伝送サービス (コネクト to マサル) 27 28 CD Player CyberCode000106 Audio Wave UDP Speaker Audio Stream Audio Wave UDP Lump CyberCode000107 Brightness Setting Audio Wave UDP ディスコサービス 29 30 研究開発予定 サービスリゾルバの 自律分散的自動設定 平成12年度 コンテキスト適応性の 記述言語(フィルタ) ネームキャッシュ導入による 発見の効率化 2月 環境情報取得 および管理機構 (センサーネットワークとの連携) 3月 コンテンツキャッシング による機能偏在化のサポート センサーデバイスなどの 自律分散的自動設定 STONEルーム立ち上げ 平成13年度 基礎部分 開発完了 品質制御などを考慮した サービスの動的再構成 総合実装評価 実験 機能コンテンツ実装 31 終劇 失礼しました。。。 32 33 34 ネーミングレイヤ ネーミング規約 場所依存の名前 コンテンツ依存の名前 IPのようなGUIDと1対1でバインド,一意性保証簡単 場所が固定されるため,透過性の実現が困難 What to findな名前であり,透過性の実現が可能 セマンティクス処理が必要で,一意性保証困難 STONEにおけるネーミング 一意性には既存のネーミングを流用(DNSやX.500) What to findな名前の実現には「機能名,I/F名,状態名」 の3つを使用 35 ネーミングレイヤ ネーミングシステム形態 集中型 名前解決 垂直分散型 名前解決 水平分散型 名前解決 ネーミング対象 適応キャッシング可能 ユーザ データ配送 管理者 物理システム ・パフォーマンスで有利 ・小規模ローカルエリア ・耐障害性などの欠如 Internet ・管理組織との整合性良い ・Internetとの整合性悪い ・要求のローカリティ ・実績がある形態 Internet ・ローカリティの仮定なし ・Internetとの整合性良い ・自律分散システムの各種 問題の解決が必要 分散透過性の実現において,キャッシングは非常に重要 キャッシングを考えるとデータ配送とコンテンツ解決は同一形態が良い 36 ネーミングレイヤ 名前空間 集約性 機能の意味的集約は困難 I/F名の利用 機能との強い相関がある 標準化されているため集約 が容易 I/Fにより集約された2階 層の名前空間 I/F名 機能名1 状態名1 インターフェース名での 集約(2階層化) 機能名2 状態名2 機能名3 状態名3 フラットな空間 DNSやX.500 一意指定の場合はIPと1 対1でバインドされた名前 を使用 37 今後の課題 アプリケーションとUI 機能の適応的複製機構 サービス記述法 セマンティクス記述法 サービス管理機構 サービス構成要素分析アルゴリズム 機能発見アルゴリズム 名前共有・解決機構 分散ネーミングシステムデザイン法 機能間接続機構 機能記述法 自律型機能 環境情報取得機構 自動設定機構 Web等との連携による キラーアプリの模索 スケーラビリティなどの評価実験 コンテンツキャッシング による機能偏在化のサポート コンテキスト適応性の 記述言語(フィルタ) 品質制御などを考慮した サービスの動的再構成 サービスリゾルバの 自律分散的自動設定 ネームキャッシュ導入による 発見の効率化 環境情報取得 および管理機構 (センサーネットワークとの連携) センサデバイスなどの自律分散的自動設定 38 Button VTR Deck CyberCode0000100 play Text Boolean UDP Text Boolean UDP Control Button VTR Deck CyberCode0000101 Text Boolean UDP Eject Control Text Boolean UDP 万能リモコン( VTR Deck) 39 Button CD Player CyberCode0000100 play Text Boolean UDP Text Boolean UDP Control Button CD Player CyberCode0000101 Text Boolean UDP Eject Control 万能リモコン(CD Player) Text Boolean UDP 40 41 42 適応型サービスレイヤ 簡単なデモ デモ内容 UIの動的マッピング AV/家電機器制御に任意のUIを割り当てる Cyber Codeによるデバイス指定(音声認識が理想的) ビデオチャットの合成 耐障害性の実現 インスタントディスコルーム 音声出力機能,動画像,および室内照明の相互接続 43 まとめ STONEのコンセプト システムの基本的設計および実装 Internet上で任意の適応型サービスを実現するた めの,スケーラブルなネットワークサービスプラット フォームアーキテクチャ 機能の合成とネーミングの利用 機能,サービス記述,ネーミングシステムデザイン, サービスリゾルバ サービス合成の簡単なデモを実装 44 適応的機能発見レイヤ ネーミングレイヤ サービスリゾルバ サービスシンセサイズを行う実体 ネーミングシステムのノード アプリケーションレイヤのルータ 名前解決と同時に,機能に対してデータを配送する 動的なサービス実現の要 機能フィルタ実行 名前共有と解決 コンテキスト適応性の処理を行う サービス管理 シンセサイズしたサービスを管理する 45 適応的機能発見レイヤ ネーミングレイヤ リゾルバの構造 サービスシンセサイズ要求(サービスグラフ入力) <ServiceGraph> <Resource No=1> <Name>Camera</Name> <Meta Attr=Location>Room407</Meta> </Resource> <Resource No=2> <Name>Printer</Name> <Meta Attr=Location>Nearest</Meta> </Resource> <Link> <From>1</From> <To>2</To> </Link> </ServiceGraph> サービス管理機構 名前解決 機能フィルタ実行 フォワーディング処理 名前管理 通信インターフェース 機能解決要求 フォワーディング /データ配送 隣接SRとI/F テーブル交換 ソフトステート な機能管理46
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