オープンデータのためのライセンシングと自治体連携

オープンデータのためのライセ
ンシングと自治体連携
渡辺智暁
NPO法人コモンスフィア常務理事
2014.06.16. 横浜・神奈川オープンデー
タフォーラム 於:日本大桟橋
at: slideshare.net/tomoakiwatanabe/
本日のメニュー
・何故ライセンスが必要か?
・どういうライセンスが必要か?
・どうして自治体間連携が意味を持つのか?
何故ライセンスが必要か?
・データの中には著作物に相当するものがある
から。
・著作物は、権利者以外の人は原則無断で利
用してはいけないものだから。
・個別に利用許諾を申請する仕組みでは、行
政・利用者共、手間がかかるから。
・ある種のライセンスを使えば、著作物を、原則
誰でも利用していいものにできるから。
ライセンスとは?
普通の著作物
「このサイトのコンテンツは著作権で保護されてい
ます。無断転載や加工を禁じます。」
(何も書いていなくても、法律によってこういう効果
がある。)
オープンデータに使われるライセンス
「このデータは一定の条件を守れば、どなたでもご
利用いただけます。」
※あくまでイメージです。
そもそも著作物って?
著作物 = 思想や感情の創作的な表現
・事実そのもの
・表現されている内容 = アイディア
・創作性のない表現 = ありふれた挨拶など
・必然性のある表現 = 定義など
※数値データやその単純なグラフ表現の中には、著作物で
はないものもある。
※著作物にあたらない事実情報でも、取捨選択・配列に創作
性があれば著作物になる。
※創作性は、かなり低い水準でもありと判断される。
(法廷が判断する。)
※ODでは著作物かどうか判断が難しい境界事例も多くある。
どんなライセンスが必要か?
バランスが要求される世界
・行政として望まない利用を制限・禁止する
⇔利用者が自由に使える
・具体的で法的に厳密⇔簡潔で読みやすい
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
特徴:
・一目見てわかるアイコンでライセンスを表現
・普通の人にもわかりやすい「サマリー」ページ
と、厳密な「リーガルコード」を持つ。
・機械判読可能にするための仕組みも。
CCライセンス(承前)
・世界中で様々なコンテンツに使われている
(Flickrの2億枚強の写真、ウィキペディアの数
百万本の記事、など)
・弁護士・法学者などの専門家の参加による法
的な効果の担保
・10年以上の運用の歴史(3回のメジャーな
バージョンアップ)
CCライセンス(3)
・ODの世界では、CC-BY と称されるライセンスが
グローバル・スタンダードになりつつある。
※CCライセンスは6種の基本形があるが、CC-BY
はそのひとつ
・日本、オーストラリアなどで採用
・イギリス、フランスなどは互換性に配慮
・
何故自治体連携か?
1.ライセンスの選定が自治体間でばらばらだ
と、ODが失敗してしまうから。
2.ライセンス情報の表示方法などが統一され
ていると、利用者の便宜が増すから
3.ライセンスの運用上のノウハウが共有でき
るから
ライセンスの増殖は問題
※EUではODの重要な政策課題として浮上
・各政府が独自のライセンスを採用すると…
- (互換性問題)
データの組み合わせが部分的に不可能に
- (利用者の負担)
データセットを多く扱おうとすると、多くのライセ
ンスを読み、理解し、遵守しないといけない
まとめ
・データを民間が使えるようにするには、著作権
の制約を外すためのライセンスが必要。
・ライセンス選びは難しいが、CC-BYはおススメ。
・自治体で連携して、ライセンスの統一や互換
性確保が重要
どれもユーザーの利便性のため、
ひいてはデータのイノベーションのため。
本資料のライセンス
この資料を 3 種類のライセンスで提供し、利用者が選べるようにするために、利用許諾に関する注意
書きを以下に記し ます。
・ この資料は、 CC-BY 2.1 JP (http://creativecommons.org/licenses/by/2.1/jp/ ) でライセンスされていま
す。
・ この資料は、 CC-BY-SA 2.1 JP (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.1/jp/ ) でライセンスされ
ています。
・この資料は、 CC-BY 4.0 (http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/ ) でライセンスされています。
なお参考までに、本作品のタイトルは「オープンデータのためのライセンシングと自治体連携」で、原著
作者と許諾者は渡辺智暁です。本作 品に係る著作権表示はなく、免責に関する注意書きもなく、
許諾者が本作品に添付するよう 指定した URI もありません。
そこで、例えば、CC-BYライセンスで要求されるクレジット等の表示の義務を満たすには、次のような類
の表示をすればよいということになります:
「オープンデータのためのライセンシングと自治体連携」 by 渡辺智暁
この資料は、 CC-BY 2.1 JP (http://creativecommons.org/licenses/by/2.1/jp/ ) でライセンスされています。