「損害保険」について

2009年9月7日(月)
4年M組
東海林 悠策
はじめに
 私たちの生活において「保険」はなくてはならない
ものとなっている。皆さんも必ず、何らかの保険に
入っているはず。
 ここでは改めて、保険というものがどういったもの
か、どのような仕組みなのかを見ていきたいと思う。
 大学生活も後半に差し掛かり、社会人となるために
は最低限の知識を知ってもらいたい。
目次
 (1)保険の基本
 (2)損害保険について
 (3)損害保険の商品
 (4)保険料について
 (5)保険契約
 (6)日本の損害保険
(1)保険の基本
保険の基本
 「保険」は効果的な万一の時の備え。
貯蓄
保険
保険の種類
 偶然の事故
→「損害保険」
 ヒトの生死に関わる
→「生命保険」
 病気や怪我
→「傷害、医療保険」
(2)損害保険について
損害保険とは?
 風水害などの自然災害や自動車の衝突事故な
ど、偶然な事故により生じた損害を補償する
のが目的であり、保険会社が予想する損害率
に応じて保険料(損害保険料)が定められる。
 自動車保険や火災保険などのノンマリン分野
 貨物保険や船舶保険などのマリン分野
損害保険の誕生
 始まりは海の上。
→古代ギリシャ時代の海上輸送
 近代的な保険の誕生
→1666年9月のロンドン火災を契機に
 日本で最初の保険会社
→1879年に初の海上保険会社
1887年には初の火災保険会社
損害保険と保険金
 生命保険は、万が一の場合あらかじめ定めた金額が
支払われますが、損害保険はケースによって支払わ
れる金額が異なる。
 例えば、家が火事に遭い、損害を受けた場合で考えると
…
損害保険では、自分のモノへの損害など実際に受
けた損害に対して保険金が支払われます。したがっ
て、事故の直前よりも良い状態にするための部分に
ついては保険金が支払われない。
(3)損害保険の商品
損害保険
商品
 (1)自賠責保険
→交通事故で他人を死亡させてしまった。
交通事故で他人にケガを負わせてしまった。
 自賠責保険は、交通事故による被害者を救済するため法
律に基づき、すべての自動車に加入することが義務付け
られている強制保険です。
したがって、原動機付自転車なども対象になっている。
 補償されるのは「人身事故」の場合のみ。
損害保険
商品
 (2)自動車保険
→自賠責保険の補償内容は、自動車事故に遭った他人
(被害者)の人身損害のみに限定されている。また、
補償額は死亡事故で最高3、000万円となっており、
これを超える損害は補償されていない。このように自
賠責保険の補償には、対象範囲も金額も共に限度があ
る。
それをカバーするのは任意保険である。
7つの保険を組み合わせて契約している。
自動車保険(2)
自動車事故により、他人を死亡させたり、
ケガを負わせ
て法律上の損害賠償責任が生じた場合。
対人賠償保険
自動車事故により、他人の自動車や建
物などの財物
に与えた損害に対して。
対物賠償保険
偶然な事故により、自動車が損害を受
けた場合。
自動車保険(3)
自動車事故においての死傷に無関係に適
用
人身傷害保険
自賠責保険では補償されない(運転ミス
による電柱
へ衝突など)でケガ、死亡した場合
自損事故保険
自動車に搭乗中の人が事故により、ケ
ガをしたり、
死亡した場合適用
搭乗者傷害保険
対人賠償保険を契約していないなどの
他の車に
火災保険
 火災保険で補償される損害は火災だけに限らず、風
水害などによって建物や家財が損害を受けた場合も
保険金が支払われるものがあります。
地震保険
 「地震保険」は、被災者の生活の安定を目的とする
保険であるため、保険の対象は建物や家財に限られ、
保険事故は地震・噴火またはこれらによる津波を原因
とする火災・損壊・埋没・流出による全損・半損・
一部損である。 この保険は、独立の保険ではなく、
火災保険(住宅総合保険、店舗総合保険など)の契
約に付帯する形(オプション)になっている。
 補償金額は建物5000万
家財1000万
傷害保険
 急激かつ偶然な外来の事故によって、身体に傷害を
被り、その直接の結果として、死亡、後遺障害、ま
たは生活機能もしくは業務能力に支障を生じた場合
に保険金が支払われる。
保険の種類は様々である。
 普通傷害保険
国内外問わず、日常生活におけるケガに対して保
険金が支払われる。
医療・介護保険
 医療保険
ケガや病気で入院した場合には、多額の医療費が必要。
公的医療保険は自己負担部分がありますし、例えば、高
度先進医療を受けたときの技術料や差額ベッド料、親族
などの付き添い費用など、さまざまな費用が発生します。
 介護保険
2000年4月に国で導入された公的介護保険を補
完するものとして利用。
賠償責任保険
 他人のモノを壊したり、他人にケガをさせてしまったと
きなどにおいて、法律上の損害賠償責任を負担する場合
に保険金が支払われます。
 傷害保険や火災保険とセットでの契約が一般的
 一つの家族が起こした家族が起こした事故をサポー
ト
自動車事故の例
 例えば、交差点でA車が右折する際に直進したB車と衝突し、双方
の自動車が破損したケースを考えてみる。
A車の損害額が30万円、B車の損害額が60万円で、AとBの
過失割合は60:40とすることで合意しました。この場合、A、
Bそれぞれの損害賠償額は次のとおりになる。
出典:全国高校PTA連合会 等
事故の例(2)
自転車事故
 自転車事故の実例
自転車の事故でも
高額の賠償請求の
責任が掛けられる
ことがある。
皆さんも気をつけて….
(4)保険料について
保険料の算出方法
 保険料は、過去の事故・災害統計データを基にして、
適正な金額を導き出して決められている。
 (1)「大数の法則」
事故や災害の発生確率を導き出す方法。
サイコロを振って1の目が出るかは偶然だが、振る回数を増
やすとその確率は6分の1に近づきます。このように確率が一定値に近
づくことを「大数の法則」といいます。事故の発生確率を出す時も、数
件の事故率ではなく、多くの事故データを分析することによって発生確
率を予測できるようになります
保険料の算出方法(2)
 (2)「公平の原則」
発生確率の高低にあわせて保険料が決まる。
「事故の確率が高い人には高い保険料、確率が低い人には低
い保険料」というように、皆が平等になるようにしているのが、「公平
の原則」である。
例えば、「鉄筋コンクリート造の住宅」の方が、「木造住
宅」よりも火事で燃えにくいので、保険料が低く設定されている。
 (3)「収支相等の原則」
保険料の総額と保険金の総額を等しくしてい
る。
保険契約者から集めた保険料の総額(収入)と、保険会社が支払
う保険金総額(支出)を等しくし、妥当な保険料水準になるようにしている。
(5)保険契約
損害保険契約への流れ
 ①商品内容・重要事項などの説明
 ②契約内容の説明・ニーズの確認
 ③申込書などへの署名
 ④申込書の受領
 ⑤保険料の払込み
 ⑥保険契約完了
保険証書、クーリング・オフの確認
契約期間中
 契約したら、あとは何もしなくて良いということではな
い。
契約内容に変更があったり、解約、継続手続きをするこ
とがある。
 (1)「契約の継続手続き」
保険契約の契約期間は、多くの場合1年間。
ただし、1年超の契約や1年未満の契約もある。損害保
険契約は満期が来ると通常は継続ができる。
満期日のチェックと手続きは、契約者の責任で行うこと
が原則である。
契約期間中(2)
 (2)「契約内容の変更」
契約期間の途中で契約内容に変更がある場合は、契約者自身で損害
保険会社や損害保険代理店にその旨を申し出る必要がある。(これ
を通知義務という)
通知義務に違反すると、保険金が支払われない場合がある。
自動車保険
→自動車を買い替えた。
現在の契約の年齢条件に満たない子供が免許を取得。etc...
火災保険
→増築、改築を行った。etc…
傷害保険
→転職して、職業が変わった。etc…
契約期間中(3)
 (3)「契約内容の解約」
契約期間の途中で解約したい場合は、残りの契約
期間に応じて保険料が返還される。
ただし、損害保険会社の経費に充てられる部分が
差し引かれるため、残りの契約期間分の保険料がす
べて返還されるわけではない。
自分にあった保険を選ぶべき
保険金の請求
契約者
損害保険
会社
事故発生
事故の連絡
契約内容確認
事故の受付・
保険金の請求から受け取りまでの説明
保険金
請求案内
保険金の請求に必要な書類の提出
保険金請求書類の受付
(6)日本の損害保険
損害保険業界
基本情報
 業界規模:7兆7,386億円
 収入保険料純利益率:3.1%
 前年比伸び率:+1.1%
 総資産額:42兆7、123億円
 労働者数:63、892人
 平均年齢:41.0歳
 平均勤続年数:12.6年
(平成20年3月)
損害保険業界
 右下の図は業界規模の推移である。
 完全に横ばい傾向
→理由として自動車販売不振。保険金不払いによる
信頼の低下。
 逆に「地震保険」に対する関心増
おわりに
 損害保険に加入することによって、日々の生活の大
部分のリスクをカバーできることがわかった。
しかし自分に合った保険を選ぶことにより、契約上
の無駄も省くことができる。今一度自分の保険を見
直してみても良いのではないだろうか。
 また日本の損害保険業界は再編成が進み、経営統
合・合併の動きが加速している。
参考文献
 「保険の基本」
日本経済新聞社発行
編著者
森宮康
 日本損害保険協会HP
 その他損害保険会社のHP