Long-term projection of global change using an integrated

A①:Long-term projection of global change
using an integrated earth system model
(21世紀気候変動予測革新プログラム)
代表:時岡達志
A.長期気候変動予測実験 (時岡:JAMSTEC)
カプラーの開発 (荒川:RIST)
炭素循環モデルの比較他 (仲敷:CRIEPI)
B.階層的モデルによる不確実性の定量化・低減 (河宮:JAMSTEC)
C1.主要農産物への影響 (横沢:農業環境研究所)
C2.沿岸への影響 (横木:茨城大学)
‐-‐‐‐‐‐‐-‐‐‐‐‐-‐‐‐‐‐‐-‐‐‐‐‐-‐‐‐‐‐‐-‐‐‐‐‐-‐‐‐‐‐‐-‐‐‐‐
・ 全球動的植生モデル (和田英太郎:JAMSTEC)
・ 全球雲解像モデル (佐藤正樹:JAMSTEC/CCSR)
A①01. Long-term projection of global change
using an integrated earth system model
大気
<第2次ESMの改良点など>
モデルバイアス軽減による気候感度の改良(大気境界層、大
規模凝結、雲の微物理など)
第2次ESM
hybrid鉛直座標の導入(水蒸気量、圏界面の気温の改善)
海洋の水平座標の改良
カプラー、水の流出部分
重力波効果 ➝ 赤道QBO
放射、エーロゾルの改良
海氷モデルの改良
氷床モデルの改良
陸面物理過程の改善(蒸散、凍土、積雪のaging 他)
海洋
大気化学過程 ➝ オゾンホール
炭素循環部分の検討
土地利用データ、エーロゾル前駆物質排出データなどの品質
向上
陸面
・第2次ESM*による長期(300~500年先まで)の地球
温暖化予測実験の実施
・炭素循環およびその他の過程(オゾンホールなど)と気
候との相互作用の理解
・20世紀気候変動の更なる理解
高精度の気候感度を実現
オゾンホール、QBOを再現できるモデルによる予測
(オゾンホールと温暖化の相互作用の評価)
熱帯域陸面変化を高精度に予測
動的全球植生モデルによる植生変化を予測
氷床変化、海氷変化の正確な予測(水位)
Improvement of
PBL
parameterization
年平均相対湿度:850hPa
モデルバイアス
(改良 MY – 従来版)
0
Response of ice sheet model to global warming,
Improving the ice sheet model
(1) 次世代モデルの開発
(shallow ice approx. より
高次の項の考慮)
(2) 差分スキームの高度化に
よる氷床縁辺形の改良
(3) グリーンランド氷床融解の
時間や程度は気候感度や
氷床物理過程に依存
Q u ic k T im e ý Dz
T I F F Å ià •
è k Ç» ǵ Å j ê L í £ É v É ç É O É â É Ä
Ç™ DZ ÇÃ É s É NÉ ` É É Ç¾ å ©Ç È
Ç ž ǽ Ç… ÇÕ ï K ó v Ç­ Ç •
ÅB
観測との差
改良前
改良後
Coupling of Chemistry Model and Aerosol Model
対流圏オゾンの
放射強制力分布
炭素性エアロゾル
の放射強制力分布
A①01. Long-term projection of global change
using an integrated earth system model
大気
<第2次ESMの改良点など>
モデルバイアス軽減による気候感度の改良(大気境界層、大
規模凝結、雲の微物理など)
第2次ESM
hybrid鉛直座標の導入(水蒸気量、圏界面の気温の改善)
海洋の水平座標の改良
カプラー、水の流出部分
重力波効果 ➝ 赤道QBO
放射、エーロゾルの改良
海氷モデルの改良
氷床モデルの改良
陸面物理過程の改善(蒸散、凍土、積雪のaging 他)
海洋
大気化学過程 ➝ オゾンホール
炭素循環部分の検討
土地利用データ、エーロゾル前駆物質排出データなどの品質
向上
陸面
・第2次ESM*による長期(300~500年先まで)の地球
温暖化予測実験の実施
・炭素循環およびその他の過程(オゾンホールなど)と気
候との相互作用の理解
・20世紀気候変動の更なる理解
高精度の気候感度を実現
オゾンホール、QBOを再現できるモデルによる予測
(オゾンホールと温暖化の相互作用の評価)
熱帯域陸面変化を高精度に予測
動的全球植生モデルによる植生変化を予測
氷床変化、海氷変化の正確な予測(水位)
A①01 Schedule
19年度
20年度
21年度
22年度
23年度
生物地球化学過程改良・パラメータ調整
高解像度化に伴う生物
地球化学過程修正
温暖化実験結果解析
論文執筆・とりまとめ
気候モデル高解像度化(T42‐>T63、
パラメータ調整
高解像度(T63‐>T106)モデル開発・実験
論文執筆・とりまとめ
実験準備(モデル入力データ整理等)
20世紀気候変動再現・温暖化実験、解析
論文執筆・とりまとめ
(1)生物・地球化学過程改良
(2)物理気候過程改良
(3)20世紀気候変動再現・
温暖化予測実験
階層的モデル実験による長期気候変化予測の不確実性定量化
19年度
20年度
簡略気候モデルへの炭素循環過程導入
(1)簡略気候モデル
統合モデルパラメータ調整
21年度
22年度
23年度
多変量最適化を用いた 統合モデルによるアンサン
論文執筆・とりまとめ
ブル実験結果取り込み
不確実性評価
統合モデルによる温暖化アンサンブル実験
(2)地球システム統合モデル
地球シミュレータの更新
論文執筆・とりまとめ
ES resource
地球シミュレータ更新(平成20年10月)後
の計算時間確保
・更新後のマシンの性能は実効速度で約2倍程度を想定
・今年度30万ノード・時間の割り当て→更新後は現ESの
60万ノード・時間に対応(計画の最下限達成レベル)
T42L80を用いた場合150ノード・時間/年
であるので300年ランを10例行うだけで45万ノード・時間を要する
・H20年度後半以降における時間配分において、現行の
割り当て率を上回る確保の努力が必要
Coupler Development for Earth System
Modeling
(荒川:RIST)
研究の目的
地球システム統合モデルを構成する個々のサブシステムモデル(要素モ
デル)に関しては未だ十分性能評価がされていないものが多いし、評価
が容易でないものも含まれている。そういう際に異なるモデルの相互比
較から個々の要素モデルの特徴、及び全体に及ぼす影響の差異を理解
しておくことは有益である。このために、地球システム統合モデルを構成
する要素モデルのソフトウェア上の特性を明らかにした上で、データ構
造、制御構造、座標系の異なる要素モデルの相互交換を可
能とするカップラーを開発する。
Genetic coupler and evaluation of component models
カップラーの概要
要素モデルの評価
データ構造、制御構造、座標系の異な
るモデル間で、物理量の交換を行うた
めのソフトウェア
大気モデル
水
運
動
量
放
射
潜
熱
海洋モデル
顕
熱
カップラー導入
によって、モデ
ルの結合や入
れ替えが容易
になる
カップラーを介した要素モデル交換による要
素モデルの特徴の理解の基盤の提供
要素モデル
の交換によっ
て、要素モデ
ルの相違が
結果に及ぼ
す影響を評
価
C
大気
C
炭素循環A
カップラーを介することによって、要素モデ
ルの交換が容易になる。従って、カップ
ラー開発により、要素モデルの相違が予
測結果に及ぼす影響を評価するソフトウェ
ア基盤が確立される。
C
C
C
海洋A
海洋B
炭素循環B
Outline of the project
成層圏への拡張
左図に示す地球システムモデルを対
象とし、各モデル(要素モデル)を結合
するカップラーを開発、地球システム
モデルに適用することを目標とする。
C
C
C
C
研究は、
C
C
19年度
カップラー設計
20年度
1)要素モデルのソフトウェア上の特性
を明らかにし、簡易性・高速性・柔軟性
を高次に実現するようなカップラーの
設計を行う
C
21年度
実装と性能評価
22年度
23年度
地球システム 性能評価
モデル適用
とりまとめ
2)設計に基づいてカップラーを実装し
モデルに適用、性能を評価し結果を
フィードバックする
3)完成したカップラーを地球システム
モデルに適用し有効性を評価する
というステップで行う。研究の年次計
画は左図のようになる。
Plan for FY2007
平成19年度は地球システムモデルを構成する個々の要素モデルについて
特性を明らかにし、カップラー設計を行うことを目標とする。
方法としては、
1)要素モデルのプログラムについてデータ構造、制御構造、並列化の手
法を重点に調査し、ソフトウェア上の特性を明らかにする。
2)調査結果に基づきカップラーの設計を行う。設計に際しては既存の要素
モデルへの影響を最小限にとどめつつ、地球シミュレータ上で十分な実行
性能を確保する。
ことを重視する。
4
5
6
7
8
要素モデル特性調査
9
10 11 12
1
2
カップラー設計
3
Uncertainty estimation by Model intercomparison (for carbon cycle)
仲敷(CRIEPI)
研究開始3年後の達成目標:
炭素循環や生態系などの生物化学過程に着目したモデル間相互比較実験を行い、
モデルの高度化を図る。気候モデルと全球の炭素循環過程を結合し地球システムモデ
ルを構築する。現状の再現計算を行い、気候や植生、その他、海洋や大気中の物質の
分布について、再現性を検討する。
H19
H20
地球システム統合モデル
H21
H22
H23
(地球フロンティア)
比較によるモデルの不確実性の把握
(1)地球システムモデルの相互比較によるモデルの高度化
・炭素循環モデルにおける各要素過程のモデル化の比較
(海洋、陸域生物)
・地球システムモデルの比較
IPCC/AR5への貢献
モデルの適用
(2)新エネルギーシナリオを用いたCO2排出量の推定
・エネルギーシナリオに基づく温暖化予測
・CO2排出量 の推定
エネルギーシナリオの提案
将来のエネルギーシナリオの検討
(経済産業省)
地球システムモデルの開発
(電中研:NCARとの共同研究)
Uncertainty estimation by Model intercomparison (for carbon cycle)
仲敷(CRIEPI)
研究開始3年後の達成目標:
炭素循環や生態系などの生物化学過程に着目したモデル間相互比較実験を行い、モデルの
高度化を図る。気候モデルと全球の炭素循環過程を結合し地球システムモデルを構築する。現
状の再現計算を行い、気候や植生、その他、海洋や大気中の物質の分布について、再現性を
検討する。
研究1年目:
海洋における炭素循環過程の取り扱いについて検討を行う。地球フロンティアで開発している
地球システム統合モデルと同様の条件で計算を行い、計算された海洋中の栄養塩や化学トレー
サーの分布を比較し、各モデルの特性を明らかにする。
(前半)
リン酸塩と鉄を予測変数として解く海洋炭素循環モデル(OCMIP’モデル)による現状再現計算
および、大気中CO2濃度の変化を考慮した将来予測計算を実施する。特に、微量栄養素である
鉄の供給量に対する海洋の応答に着目する。
(後半)
リン酸塩、硝酸塩、アンモニウム、シリカ、鉄などの栄養塩、3種類の植物プランクトン、2種類の
動物プランクトン、およびデトリタスを考慮した海洋生態系モデルによる現状再現計算を実施す
る。さらに大気中CO2濃度の変化を考慮した将来予測計算を実施する。窒素固定の影響など、
海洋炭素循環モデル(OCMIP’モデル)で再現されなかった現象について比較を行う。
Research Plan for FY2007
生物化学過程の取り扱いによる不確実性の定量化
– 海洋炭素循環・生態系など
海洋生物化学過程
ocean carbon cycle
ocn
ice
marine ecosystem
陸域生物化学過程
terrestrial carbon cycle
cpl
dynamic vegetation
atmospheric chemistry
aerosols
atm
lnd
wetland methane
ice sheets
大気海洋結合モデル
Incorporation of Fe into the ocean ecosystem model
海洋モデルに、Feの効果を取り入れた生物・地球化学モデルを
導入し、以下の検討を行う。
1) 現在の海洋の再現性(全球、北太平洋)
・栄養塩、
・鉄、
・CO2吸収量など
2) 区分
物理過程や生物・地球化学モデルの差異による再現性の違い
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
「モデルアンサンブルによる
地球システムモデルの不確
実性定量化」
OCMIPモデルを用いた海洋
炭素循環の検討
生態系モデル(BEC)を用いた
海洋炭素循環の検討
フロンティアのモデルとの比
較と結果の取りまとめ
2
3
Model description
海洋モデル:
POP
解像度 水平約100km、 鉛直40層)
物理過程 aniso-GM, aniso-Viscosity, KPP,
NSEF(near surface eddy flux )など
生物・地球化学過程: OCMIP’
(OCMIPモデルにFeの効果を付加、リン酸塩
と鉄を予測変数として解く)
または
BEC (Biogeochemistry/ecosystem/circulation)
電中研
地球フロンティア
海洋モデル
POP
POP
COCO
生物・地球化学過程
OCMIP’
BEC
NPDZ-type
Oceanic biogeochemistry
• 海洋炭素循環モデル
– 表層リン酸塩分布の再現結果

CO2の吸収量分布の再現結果
観測
(Takahashi et al., 2002)
モデル
解像度
300km
Uncertainty estimation using a
hierarchy of models
研究代表者:河宮未知生
(独)海洋研究開発機構
地球環境フロンティア研究センター
Hierarchy of Earth System Models
概念モデル
プロセス
相互作用
GCMベースのモデル
Models used
・GCM(MIROC)ベースのモデル:
→K2地球システム統合モデル
大気
海洋
陸面
・簡略気候モデル:炭素循環モデルは、上の地球システ
ム統合モデルと共通なものを導入
→ MIROC-Lite , T21大気+海洋混合層, など
MIROC-Lite
標準的な海洋GCM
+
水平拡散でつながった「スラブ大気」
エネルギーと水蒸気
のバランスは考慮
海洋GCM
MIROC-Lite: some outputs
SST and SSS (annual mean)
標準実験
高解像度版
ESMの物理モデル
部分、及び生物・地
球化学モデル部分
の不確実性を考慮し、
そこから生ずる予測
の不確実性を評価
不確実性
の幅の推
定:低解像
度版
“Quasi-inversion” of permissible CO2 emission
社会経済変数
Socio-economic variables
社会経済変数
Socio-economic
variables
排出量
排出量
濃度
地上気温
Concentrations
Surface
temperature
濃度
Surface
temperature
Concentrations
時間
地上気温
Uncertainty in the permissible
CO2 emission
GCMの結果でキャリブレーションし
た経験式によるCO2排出量計算
Mitigation cost
Jones et al. (2006)
Millions of $2005
8,000,000
6,000,000
4,000,000
2,000,000
0
Low Feedback Mid. Feedback High Feedback
Smith and Edmonds (2006)
簡略社会経済モデルによる
温暖化緩和コスト計算
→GCMや統計手法を用いた
より精緻な不確実性評価へ
Conceptual roadmap
GCMグループ
O(~10)
Ensembles
Histogram
簡略モデル
グループ
Combined
PDF
O(~100)
Ensembles
PDF
Possible results of this project
• CO2排出シナリオからCO2濃度シナリオへの変換
時の不確実性
• 各種フィードバックを取り入れた温暖化予測の不確
実性
• 濃度安定化をもたらすCO2排出量の不確実性
↓
• 状況の変化に随時対応できる、柔軟な温暖化対策
立案の基盤
• IPCC AR5への貢献
Plan for FY2007
• GCMベースモデルによるCO2の「準逆計算」
予備的実験完了
• 簡略モデルの物理気候場チューニング完了
• 「気候感度」計算における「混合層」使用の妥
当性検証
Impact assessment of natural
disaster due to climate change on
the stability of crop supply
(独) 農業環境技術研究所
横沢正幸
坂本利弘
金 元植
Background
世界の主要穀物:トウモロコシ・大豆・小麦
生産地・輸出国が空間的に偏在している
中国、アメリカ、オーストラリア、ブラジル
生産の不安定化圧力
自然災害(低温、高温、多雨、少雨)
気候温暖化によるブロッキング現象、
エルニーニョ/ラニーニャ現象の出現パターンの変化
これまでは、生産の安定が保たれていたが
これからは?
Target
気候変動による同時不作の可能性
主要生産国の不作が重なるとすれば、
たとえそれが数百年に一回であっても重
大な影響を引き起こすだろう
気候変動が世界の穀物生産の安定性
に及ぼす影響について解析・評価を行う
対象とする穀物:トウモロコシ・ダイズ
Distribution of production areas and
climate change
エルニーニョ発生時の気象偏差
トウモロコシ生産地 (1992年)
ダイズ生産地 (1992年)
気象庁 HPより
Model for estimating the impact of natural
disaster on food production
収量 Y (t/ha)
平均单产(t/hm2)
7
6
生産量の減少を環境変動
と関連づける
T:気温,S:日射,P:降水
社会経済要因は除く
◆
◎● ●
5
4
◎
●
●◆
3
2
1
●
●
●
●
●
● 冷害
◎ 洪水
◆ 干ばつ
0
1961 1965 1969 1973 1977 1981 1985 1989 1993 1997 2001
Year
图7:黑龙江省水稻单产变化
(年)
Stress influence differs
depending on the growth phase
栽培期間
100
80
EVI
収量比
90
収 70
量
比
60
50
出穂
分げつ
40
発芽
10
20
30
Boot
40
60
50
発芽後日数
乳熟
開花
70
80
成熟
90
100
発芽後日数
生育段階ごとのストレスの影響
(農学的知見)
DOY
栽培期間・生育段階の決定
(衛星・GISデータの利用)
生育段階を気象条件から推定 (フェノロジーモデル)
生育段階ごとのストレスの影響 (ストレスモデル)
Estimation of production
variability due to climate variation
生産量の気象災害影響
推定モデル
生産量変動の時空間分布
不確実性を考慮した全球気候
モデルによる気候変動シナリオ
気候モデル関連の課題と連携
気候変動による穀物生産の安定性解析・評価
Research Plan
19年度
20年度
基礎データ整備・気象災害影響
モデルの作成,検証および改良
21年度
22年度
気候変化シナリオに基づく
影響予測と解析
23年度
とりまとめ
19年度計画:中国,アメリカを対象
・トウモロコシ・ダイズの主要生産地域の特性
生産地帯の抽出 (空間的)
過去の災害履歴 (時間的)
・データ収集
農業統計データ (生産量,インフラ)
衛星・GISデータ (栽培パターン,土地利用)
気象データ (降水,気温,日射)など
・モデル骨格決定 (統計的・機構的)
Expected results
• 最新かつ高精度の気候変化予測に基づき,
世界の主要穀物生産供給国,地域の生産量
変動について,近未来から長期にわたり,そ
の安定性について不確実性を考慮した評価
をすることができる
• このような研究は,地球シミュレータの結果を
利用して初めて可能となり,IPCCへの貢献を
始めとし,わが国の将来の食料安全保証に
ついて,有益な情報を提供できる.
21世紀気候変動予測革新プログラム
Global estimation of disaster
risk for coastal region in view of
long-term climate change
2007年5月23日
課題代表者
茨城大学 横木裕宗
Objectives
海面上昇と台風・高潮を外力とする沿岸域災害リスク
1. 世界規模の水没・高潮氾濫リスク
2. アジアのメガデルタへの複合的災害リスク
– 災害リスクとは:
•
災害発生期待値→水没可能性地域(最大値)
– 複合災害とは:
•
水没・氾濫+地盤沈下,地下水塩水化,海岸侵食,
生態系
Goals
• 世界規模で1kmスケールの水没・氾濫マップ
– 世界で最も詳細な結果と期待される.
– 環境省地球環境総合推進費との連携
• 高潮の予測計算から,異常気象の影響評価
– 世界的に関心が高い.
– AR5,ポスト京都の気候政策の枠組み検討
– 適応策の検討
• アジアのメガシティへの影響評価
– アジアは世界の経済の牽引車
– 全球的な高度総合評価が可能となる
Sub-theme 1: Submergence risk
assessment
海面上昇による平常時の浸水リスク(浸水面積,人口)
A①の出力結果(海面上昇,潮位)
GTOPO30/SRTM(地盤高)
LANDSAT(植生)
Global Map(土地利用)
世銀/CIESN(人口)
2030年,2100年,2300年時点で評価
Sub-theme 2: Flood risk
assessment
既往の高潮予測:過去の実在台風の中心位置や
中心気圧を用いて簡易的
A②,A③の出力結果から,気圧と風速分布をダイレクトに利用
(高潮数値シミュレーション、統計処理)
↓
高精度の高潮浸水域、浸水域人口予測
気象研/気象庁/地球科学技術総合
推進機構による
地球シミュレーターを用いた
2096年8月の巨大台風
↓
高潮予測
NHKスペシャル、気候大異変(解析データ提供)
現在の護岸でかなり守られる
(NHKスペシャルに解析結果提供)
Sub-theme 3: Impact on Asian megadeltas
メガデルタ自然環境・生態情報DB
(メガデルタデータベース)
サブテーマ1・2
水没リスク
氾濫リスク
評価結果
長期的将来予測
地盤沈下・地下水塩水化・
海岸侵食・生態系
チャオプラヤ川
メコン川
珠江
メガデルタ・メガシティに対する沿岸域災害リスク
2030年・2100年・2300年
長期的気候変動による複合的影響の評価
Roadmap
サブ
1
2
3
担当者
横木裕宗・桑原祐史
信岡尚道
村上 哲・安原一哉
~2009
(3年目)
地理情報データセッ
トの更新
常時浸水リスクの算
定
高潮氾濫解析手法
の確立(全球,メガ
デルタ)
既存のデータを用い
た氾濫リスクの算定
メガデルタ自然・生
態情報DB構築
地盤沈下などの長
期予測手法の開発
水没・氾濫リスクの
統合化手法
~2011
(5年目)
精密地盤データによ
る常時浸水リスク評
価(全球,メガデル
タ)
影響人口,土地被
覆,自然生態系の
影響(メガデルタ)
世界高潮氾濫リスク
マップ
氾濫リスクの拡大,
地域・国毎の評価
2030,2100,2300
年時点でのメガデル
タにおける沿岸域災
害リスク評価
Plan for FY2007
• サブ(1)世界水没リスク
– 地理情報の準備
• サブ(2)高潮氾濫リスクの世界評価
– 全球対応型高潮予測モデルの構築
• サブ(3)アジア・メガデルタへの影響
– メガデルタDBの準備
– 地盤沈下将来予測
Carbon cycle feedback
陸域CO2吸収量
~3.5PgC/yr
~1.5PgC/yr
高精度のESMによる
予測が必要
海域CO2吸収量
無機炭素貯留量
Climate - carbon
cycle feedback
(FRCGC ESM)
大気中CO2濃度
~120ppmv
~0.8℃
Couple
地上気温
Uncoupled
“Implied ⊿T” for Uncoupled
~3.2℃
100年スケールでも無視できない
大きなフィードバック
海・陸域に吸収されるCO2
~5PgC/yr
Point Barrow
Obs.
Model
Reproduction of atm.
CO2 by ESM
Mauna Loa
South Pole