宮津市バイオマスタウン構想

「宮津市バイオマスタウン構想について」
第8回京都自治体学校第1教室
自立循環型経済社会推進室
環境政策係長 小西正樹
平成23年11月13日
目 次
1 宮津市の課題とまちづくりの方向
2 バイオマスタウン構想
3 メタン発酵施設の導入に向けた取組
4 竹資源有効活用プロジェクト
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2
1 宮津市の課題とまちづくりの方向
■都市へのヒト、モノ、カネの流出
・人口 S30 36,200人⇒ H21 19,942人(45%減少)
・高齢化率 33%
まちの課題
■産業活動の停滞
・製造品出荷額 103億円(S48年頃のレベル)
・年間商品販売額 110.5億円(S63年から半減)
・観光消費額 84億円(横ばい状態)
■農林水産業の低迷
・高齢化、後継者不足、耕作放棄地の増加
・森林の荒廃、水源涵養機能低下、水質悪化
・土砂災害、鳥獣害増加
■財政状況の悪化 市税収入減 義務的経費増加
■地域力の衰退
マイナススパイラルの渦中
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3
宮津の強みを活かしたまちづくり
◎地域資源活用型の「自立循環型経済社会構造」への
ダイナミックな転換が必要!! ⇒ 「産業ルネッサンス」
新エネルギーによるエネルギーの自給自足
新産業の創出と農林水産業等既存産業との
コラボレーション
バイオマスに着目した新たな観光・健康産業の創出

「元気な宮津づくり」
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4
宮津再生の道筋
市民アンケートの結果
宮津に住み続けたい・・・約80%
⇔働く場が不足
(市が重点的に進めるべき施策と
して市民の要望が最多)
人口減少に歯止めをかける
定住促進戦略
元気な宮津をつくる
経済力を高める
自立循環型経済社会構造への転換
自立
経済の域内循環
■雇用の場の確保
■若者定住戦略
■UIターン促進
■健康づくり
■観光の振興(外貨を稼ぐ)
■内発的産業起こし
(産業ルネサンス)
■農林水産業の6次産業化
■地産地商
■食糧とエネルギーの自給率の向上
福祉教育の充実
■介護施設の整備
■子育て支援
■学校の耐震化
■学校給食の充実
■人材育成
住んでよし訪れてよしの宮津
みやづビジョン2011
「住んでよし訪れてよしの宮津」
重点戦略
地域経済力を高めるための
自立循環型経済社会構造への転換戦略
人口減少に歯止めをかけるための
定住促進戦略
・観光革命
・産業ルネサンス
・農業革命
・バイオマス革命
・情報革命
・UIターン促進事業
・健康づくり事業
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6
宮津市の環境政策~地球温暖化対策~
■IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次報告
2007.1
これまでの100年間で0.74℃上昇
今後2100年には最大で6.4℃、最低でも1.1℃上昇予測
⇒ 海面は1m上昇 天橋立は水没?
■気温の上昇が2℃を超えると人類の危機(水不足、
食糧問題…)
■2℃突破を防ぐため、2015年までの対策が重要、残
された時間は…
■化石資源の枯渇
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7
国レベルの地球温暖化防止への取組経過
 1997.12 地球温暖化防止京都会議(COP3)「京都議定書」採択
2008~2012 1990比 △6%
 1998.10 地球温暖化対策の推進に関する法律制定
 2002.2 日本、京都議定書批准
 2005.2.16 京都議定書発効 182の国とEUが批准
 2005.4 京都議定書目標達成計画策定
 2008.6 福田ビジョン 2050年に60%~80%削減
 2009.9 鳩山イニシアチブ 2020年 1990比 △25%
 2009.12 COP15 コペンハーゲン 2013以降の枠組
法的拘束力のない政治合意に終わる COP16へ
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8
宮津市の地球温暖化防止への取組経過
結果22.6
 1999.6(H11)
 2000.6(H12)







宮津市エコネットワーク設立
%達成
宮津市地球温暖化防止計画
2001~2010 2000比 △25%
2001.3(H13) 宮津市地域省エネルギービジョン
2004.3(H16) 宮津市役所地球温暖化対策実行計画
2004~2008 2002比 △25%
2006.12(H18) 由良小学校地球温暖化防止活動環境大臣表彰受賞
2008.2(H20)
宮津市地域新エネルギービジョン
2009.2(H21)
宮津市木質バイオマス活用ビジョン
2010.4.30(H22)
宮津市バイオマスタウン構想公表
2011.12(H23)
第2期宮津市地球温暖化防止計画・宮津市役所
地球温暖化対策実行計画(予定)
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9
再生可能エネルギー対策
○宮津市地域新エネルギービジョン(H19年度策定)
◇宮津市における自然エネルギーの導入方針
⇒ 自然エネルギーの導入の可能性と方向性
⇒ 自然エネルギーの導入方針
⇒ 自然エネルギーの導入プロジェクト
太陽光発電・太陽熱利用
自然エネルギー
再生可能
エネルギー
風力発電
雪氷熱利用
バイオマス発電・バイオマス熱利用・バイオマス燃料製造
リサイクルエネルギー
廃棄物発電・廃棄物熱利用・廃棄物燃料製造
温度差エネルギー
クリーンエネルギー自動車
従来型エネルギーの新利用形態
天然ガス・コジェネレーション
燃料電池
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10
2 バイオマスタウン構想
バイオマスとは…
 再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの
 太陽のエネルギーを使って生物が合成したもので、生命と太陽がある
限り、枯渇しない資源
 焼却等をしても大気中のCO2を増加させないカーボンニュートラルな資源
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11
バイオマスタウンとは…
 地域の関係者の幅広い連携の下、バイオマスを
総合的に利活用している地域
バイオマス・ニッポン総合戦略
○ 平成14年12月に政府は、バイオマスの利活用を政府一体となって
総合的かつ計画的に進めるため、本戦略を閣議決定(関係7府省)
○ 京都議定書の発効やバイオマスの利用状況を踏まえ、平成18年3月
に見直し。
○ 全国からバイオマスタウン構想を募集
平成22年4月30日 宮津市 認定 平成23年4月末 318地域
【終了】
今後⇒バイオマス活用推進基本法(平成21年9月施行)
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12
バイオマスタウン構想のねらい
地球温暖化の
防止
バイオマスはカーボンニュートラルという特性をもつ。
化石資源を抑制し、地球温暖化防止に貢献
循環型社会の
形成
廃棄物の発生を抑制し、限りある資源を有効活用する循環
型社会へ移行
戦略的産業の
育成
バイオマスの利活用が新たなエネルギー、新素材等に向け
られることにより、全く新しい産業と新たな雇用の創出が期待
環境問題は世界的な課題であり、日本発の戦略的産業とし
て将来的な発展も期待
農山漁村の活
性化
我が国は、温暖・多雨な気候で、バイオマスが豊富。
バイオマスの利活用を推進することで、農業、農村社会の新
たな可能性を拓く
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13
宮津市バイオマスタウン構想
策定までの経過
「庁内バイオマス企画調整会議」 3回
「宮津市バイオマスタウン構想検討会議」
3回
【構成員】 14名

◇有識者◇(社)天橋立観光協会◇丹後の豊かな
環境づくり応援ネットワーク◇宮津市エコネットワーク
◇宮津市自治連合協議会◇宮津市農業委員会◇
宮津商工会議所◇宮津市連合婦人会◇宮津地方
森林組合◇イナバ(株) ◇(株)大村工務店◇循環
型社会研究会◇地球主義な暮らし方研究会◇ハ
クレイ酒造(株)
【オブザーバー】
◇振興局農林商工部◇海洋センター ◇保健所
◇市関係室
⇒宮津市バイオマスタウン構想
http://biomasstown.biomass-hq.jp/biomasstowns/announce/42
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A4:25枚
14
宮津市バイオマスタウン構想
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15
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16
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17
廃棄物系バイオマス 11% ⇒ 92%
未利用バイオマス
3% ⇒ 34%
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2 メタン発酵施設の導入に向けた取組
○し尿処理施設の整備
○ S39年11月稼動 25kℓ/日
○ S49~50年 増設改修 60kℓ/日
○ 最初の稼動から約半世紀が経過
○ 水槽類、配管、ダクト設備の
老朽化が進み、更新時期が到来
宮津市し尿処理施設
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19
し尿・浄化槽汚泥、生ごみの状況
【宮津市水洗化計画】
・
・
・
・
・
平成5年から供用開始
計画区域の整備率 57.1%(面積)
人口普及率 57.1%
整備区域 接続人口 75.9%
将来下水道未整備区域人口 5,923人
地区
田井・矢原・獅子
上記以外
皆原・山中
上記以外
上宮津小学校より南
整備手法
浄化槽
公共下水道
浄化槽
浄化槽
公共下水道
浄化槽
補助対象
対象
対象外
対象
対象
対象外
対象
上宮津小学校より北
公共下水道
対象外
阿蘇海沿岸の一部
上記以外
浄化槽
公共下水道
公共下水道
浄化槽
浄化槽
浄化槽
浄化槽
対象
対象外
対象外
対象
対象
対象
由良地区
栗田地区
宮津地区
上宮津地
区
吉津地区
府中地区
日置地区
世屋地区
養老地区
日ヶ谷地区
H21年度末現在
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20
し尿・浄化槽汚泥の状況
【し尿・浄化槽汚泥量の見込み】
60.0
Kℓ/日
50.0
推計
H21年度
し尿:27.8kℓ/日
浄化槽:11.9kℓ/日
合計:39.7kℓ/日
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30
H30年度
し尿等
合計:29.3kℓ/日
資料:宮津市試算資料「計画処理量の推移」
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21
生ごみの状況
【可燃ごみ量の見込み】
t/日
30.0
推計
25.0
H21年度
可燃ごみ:17.2t/日
うち生ごみ比率20%
生ごみ:3.4t/日
20.0
15.0
10.0
H30年度
可燃ごみ:13.6t/日
うち生ごみ比率20%
生ごみ: 2.7t/日
5.0
0.0
H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30
資料:宮津市試算資料「宮津市の将来ごみ排出量」
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22
施設整備の考え方
廃棄物処理施設の整備は四半世紀に一度の
大きな公共投資事業
○ これまでは、
⇒ 安全・安心な衛生施設
⇒ 「廃棄物処理施設」という考え方
○「汚泥再生処理センター」の整備が一般的
・し尿処理施設+資源化処理
(エネルギー回収・利用、たい肥化等)
・建設費用 約18.8億円(H22調査結果)
次期施設も本当に同じでいいのか!?
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23
メタン発酵施設とは
メタン発酵とは…
有機物を酸素のない条件(嫌気状態)で微生物(メタン菌)の活動により分解し、
最終的にメタンガスと二酸化炭素を生成するもの。このメタンガスは発電に利
用することが可能である。また、メタン発酵後の消化液は、液肥として利用が
可能。
し尿
浄化槽汚泥
生ごみ
前
処
理
原
水
槽
エン
ジン
メタン発酵槽
電力
場内
利用
ガスホルダー
温水
農地
利用
消化液貯留槽
液肥(堆肥)
施設フロー図(イメージ)
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モデル~福岡県大木町の取組~
環をつなぐ協働のしくみ
給食の様子
し尿・浄
化槽汚泥
生ごみの分別
家庭の台所・学校給食
で生ごみを分別
10
地元農産物の供給
循環
有機液肥を使った農
産物を給食や家庭の
台所へ
発酵させ資源化
バイオガスプラントで発
酵させ、バイオガスと有
機液肥を生成
液肥の農地利用
有機液肥を農地へ
返す
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25
○全国の導入事例(抜粋)
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メタン発酵施設導入のメリット
【考え方】
○ し尿や生ごみ等を
「廃棄物」から「資源」へ、「処理」から「循環」へ発想の
大転換
【導入効果】
○ エネルギーや有機質肥料 ⇒ 資源の有効利用
・発電で経費削減、環境にやさしい農業を実践
○ 脱焼却・脱排水処理 ⇒ 環境負荷を低減
・地球温暖化防止に寄与 施設のCO2排出量は1/2
○ 施設建設や維持管理コストの削減
・メタン発酵施設 約11.4億円 ⇒市民の負担軽減
○ 持続可能なまちづくり
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メタン発酵施設の導入の課題
○ メタン発酵消化液(液肥)の利用
利用が前提 農業者
⇒ 液肥の
○ 消化液利用生産物の販売・消費・流通
市民、事業者、農業者、行政
○ 生ごみの分別収集 市民、事業者
○ これまでにない新たな「社会システム」の構築 行政
⇒ 循環しない場合の水処理リスク大
⇒ 液肥利用の促進、散布方法の検討
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導入可能性調査
■宮津市メタン発酵施設導入調査委員会(H22.8~)
宮津市メタン発酵施設導入調査委員会(委員長 京都大学特任教授・名誉教授 梅田幹雄
氏ほか16名)において、導入の可能性を検証→本市において施設導入が可能か、しっか
り調査。
■調査内容
▽建設費・維持管理費の検証 ▽全国の事例調査 ▽メリット・デメリット等の整理
▽先進地視察 ▽課題・懸案事項の洗出し ▽液肥散布の検証 ▽実証設備での消化液
等の検証 ▽ほ場実証 ▽生ごみの分別収集 ▽意識調査 ▽運営体制の検討
■実証試験の必要性
消化液は、他地域からも入手が可能であるが、
○ 宮津市内から排出されるし尿、浄化槽汚泥、
生ごみの質・量に応じた消化液で確認(成分
により散布量が変化)
○ 消化液をほ場に散布しての水稲の生育状況の把握
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実証試験について
■設備の設置場所
宮津市し尿処理施設内 投入室横ロータリー内
(設置面積:約70㎡)
■設備の概要
○ 発酵方式 中温発酵
○ 処理量 約50ℓ/日(し尿・浄化槽汚泥44.5ℓ、生ごみ3.7kg)→約1㎥/月
○ 温度制御 恒温槽による37℃保持
○ 運転条件
・ 自動制御による24時間運転
・ 原料投入は月・水・金曜日の間欠運転
・ 臭気対策等公害防止基準遵守、現有施設に支障のない範囲
■設置期間 平成22年11月~平成24年8月(最大23月)
※液肥の散布を2シーズン実施
■メタン消化液による水稲栽培ほ場実証
平成23年度は、今福地区に実証ほ場を設置し、水稲の基肥及び穂肥に活用
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○小型メタン発酵実証試験設備
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○メタン発酵消化液の成分分析結果
No.
分類
1
肥料成分
分析項目
※規制値
宮津市
単位
先進地
分析結果平均値
大木町
南丹市
全窒素
%
0.20
0.27
0.31
2
アンモニア態窒素
%
0.12
0.16
0.16
3
硝酸態窒素
%
0.0036
0.0057
0.0084
4
リン(P2O5)
%
0.067
0.091
0.13
5
カリウム(K2O)
%
0.035
0.047
0.29
6
水分
%
98.0
98.4
96.9
7
pH
8
全炭素
9
重金属等
ヒ素
8.2
-
%
0.55
-
※0.005
%
0.0004
10
カドミウム
※0.0005
%
0.0001
11
水銀
※0.0002
%
0.00002
12
ニッケル
※0.03
%
0.002
13
クロム
※0.05
%
0.0007
14
鉛
※0.01
%
0.001
15
大腸菌群類
16
塩化物イオン
※※3,000 個/cm3
-
1.3
125
%
0.10
※肥料取締法における含有を許される有害物質の最大量
※※水質汚濁防止法上の基準値
.
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.
32
水稲栽培ほ場実証
試験区
① 基肥一発施用(面積:460m2)
基肥を田植え1週間前に施用
追肥は行わない。
② 基肥+追肥施用(面積:460m2)
基肥を田植え1週間前に施用
追肥として穂肥を出穂18日前を目安に施用
取水口
KTR側
大江山側
②
①
追肥あり
追肥なし
府道側
:波板
6月21日設置
宮津側
排水口
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33
今後の目標と課題
【目標】
○ 次世代にツケを残さない 低炭素社会の構築
○ 環境にやさしい持続可能な循環型農業を実践し、地産地消(商)のまちづくり
○ 減農薬・減化学肥料による試みで、新たな付加価値(ブランド)を生産品に
⇒ 販売力を高め、安定した需用を確保
○ 農業で地域経済を活性化し、雇用の拡大につながるような取組に
【課題】
○ メタン発酵消化液の利用
○ 米の流通経路の確保
○ 生ごみの分別収集
消化液利用のリスクとしっかり向き合う
⇒ そのために、川下部分(出口論)をしっかり見極めます!
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34
4 竹資源有効活用プロジェクト
■ 森林(竹林)の現状
○宮津市の総土地面積の約80%(13,379ha)を森林が占めている。
○代替品の普及や急激な外材依存と石油へのエネルギー革命を
受けて、国内の木材の需用が減少
○林業(森林整備)の担い手も高齢化や後継者不足により、手入れ
がされない荒廃した山々が多く存在
○今も放置竹林は、拡大し続けている。
■ 荒廃竹林の問題
● 森林環境の悪化
急速に成長する竹によって、放置竹林は、周辺の森林に侵入・拡大し、森林の上に竹の樹冠を形成して暗い森
となり、樹木を枯らすなどの影響を及ぼす。また、森林環境の悪循環を招き、自然生態系への影響や森林の公
益的機能の低下につながる。
● 里山景観の変化・有害鳥獣被害
竹の高密度化が進み、立ち枯れによる倒伏などにより里山の景観が損なわれるとともに、野生獣による農作物
被害 をもたらす。
● 山地災害の危険・水源の涵養機能の低下
竹林では、地表下30㎝程度に地下茎が集中し、斜面や地下茎に沿った水の流れが多くなり、保水能力の低下を
招く。荒廃竹林においては、地下茎が枯死し、浅い根になる傾向から、土壌浸食や土砂崩壊の危険性が高くなる。
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35
○事業スキーム
○竹は成長が早いことからCO2の吸収量が多いと言われており、適切に管理することで地球環境保全に益する。
○伐採された竹を廃棄物として処理するのではなく、竹の特性を生かし、バイオマス資源として有効活用する。
○竹の価値を創造することにより、竹林所有者に利益を還元し、自発的な竹林の管理を促進させる。
現在までの取組
将来的に検討中の取組
竹林管理
伐採
・市内全域で、路網整備計画を策定
(10エリア程度を予定)
・1地区をモデル地区として路網
整備
・路網整備計画に基づいた路網
整備
(地元住民での管理体制の促進)
・民間の力を活用した竹産業
の創出
・公共施設での竹関連製品の
活用
・竹の製品開発を調査・研究
・竹関連製品の試作、試験的販売
・アンテナショップ等の検討
竹資源の
マテリアル
利用
竹資源の
エネルギー
利用
・農林バイオマス3号機実証試験
・エネルギー転換(メタノール化)
後の利用実証など
・実証試験を踏まえた大規模エ
ネルギー転換施設の整備
竹林の保全
新産業の創出
エネルギーの地産地消
放置竹林の間伐、管理を進めることによ
り竹林を適切な状態に保全する。
竹資源を活用した製品(マテリアル利用)
を事業化させることにより、市内で新産
業を創出し、経済の活性化を図る。
豊富な竹資源をエネルギー化することにより
、エネルギー面の地産地消を図り、自立循
環型のまちづくりを目指す。
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36
○竹林再生整備計画の策定
(平成22年度緑の分権改革推進事業)
市内の自治会を対象に公募をかけ、100自治会中32自治会から応募があり、市内173か所、164ha
を対象に整備計画を策定
≪事業フロー≫
【宮津市】
竹林再生整備計画の作成
【地域協議会】
【専門事業者】
① 委託
竹林再生整備計画策定業務
【業務内容】
竹林再生整備計画書の作成
■調査概要の記述
■路網計画
■概略設計・積算
② 連携・協力
① 委託
住民参加型竹林再生整備計画作成
業務
【構成】
委員:自治会長、財産区委員、森林
精通者など
【業務内容】
■事前調査、現地踏査、地元調整
○路網整備と竹の伐採・搬出(平成23年度)
竹林再生整備計画に基づき、約8haの竹林から30,000本の竹を伐採、搬出する。
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37
○具体の竹の活用方法
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38
○施設の概要
宮津市に賦存する未利用竹資源のチップ加工、粉体加工及び液体燃料化に関する技
術実証を行うための、農林バイオマス3号技術を活用したバイオメタノール及び電力製造
施設
原料製造施設
竹の投入可能量:1t/時
(約25本~30本)
竹チップ製造量:850kg/時
竹粉製造量 :150kg/時
乾燥施設
農林バイオマス
3号機
バイオメタノール
9ℓ/時(最大)
電力
30kwh/時(最大)
事 業 名 :竹資源等木質バイオマスによるバイオメタノール製造及び電力利活用促進事業
事業主体:宮津バイオマス・エネルギー事業地域協議会
総事業費:383,982千円(国助成金 284,382千円)
内、施設整備費
235,725千円(国助成金 143,205千円)
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○施設の系統図
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今後の目標と課題
【目標】
国内初の竹ガス化技術による竹の液体燃料(メタノール)化を中心に、竹の総
合利活用モデルを構築することで、地域経済の活性化と新たな産業の創出を
図り、雇用の拡大につなげていく。
【課題】
○ 竹資源の安定した供給
⇒より安価な伐採・搬出方法の確立
⇒竹林管理のための仕組みづくり
○ 竹資源の価値向上(活用先の確立)
⇒竹資源を有効に活用できる市外企業とのマッチング(企業誘致)
経済性のある事業として最適な手法を確立
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まとめ
■人口減少、産業停滞、地域力衰退というマイナススパイラル
からの脱却が大命題
■ 「環境」「健康」「観光」の3分野での産業ルネッサンスの実現「宮津モデル」
■ 「観光」をその牽引役として位置付け、農林水産物の加工製品化など、
地域資源の付加価値を高めて外貨を稼ぎ、食料やエネルギーなどの
自給率を高めていくことで、稼いだ外貨をできる限り市内で循環・再投資
■ COP3から10年以上経過 普及啓発段階 から 実践段階 へ
■ 地球温暖化防止をキーワードにした低炭素型で、持続可能なまちづくり
■ 宮津らしさを活かした市民協働、全員参加による取組に
農林バイオマス3号機から
メタン発酵施設を拠点に!!
地域の経済力を高め、元気な宮津を実現
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御静聴誠にありがとうございました!!
御意見・御質問は…
宮津市自立循環型経済社会推進室 環境政策係
0772-45-1609(直通)
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