入学者選抜制度の現状及び課題

資 料
入学者選抜制度の現状及び課題
【平成23年度選抜結果のポイントと検討方向】
受検者意識の変化

公立高校間で二極化の傾向
「早く進路先を決めたい」という受検者の気
持ちが顕在化
後期選抜で約3,000人の不合格者
二次選抜終了時で49校約1,500人の志願
割れ
前提とすべき論点
めざすべき方向性




受検者に適切な学校選択の機会を提供
公立高校が多くの生徒・保護者に選ばれ
るよう改善
検
討
項
目

現行制度で確保されている複数の受検機
会を維持する必要性
 受検者の動向により一層合致した日程や
選抜方法への変更の是非
(1)前期・後期選抜の再編
(2)多様な選抜方法
(3)選抜日程の繰り上げ
1
(1) 選抜区分
推薦入試
一般入試
特色入試
一般推薦
区分 受検者の学力を中
心に評価
受検者の多様な能
力を評価
特別推薦
受検者の多様な能力をより一層評価
募集人員や選抜基
準を広く設定
募集人員や選抜基
準を限定
例)普通科:
募集人員の20%程度
例)種目等ごとに2~3名
選抜 •学力検査(5教科)
資料 •調査書
•学力検査
•調査書
•面接、小論文、実
技検査など
•各高校が示す推薦基準(望ましい生徒
像)を踏まえた中学校長による推薦
•調査書
•面接、小論文、実技検査など
府の 主として後期選抜
現状 で実施
前期選抜で実施
実施していない
2
(2) 大阪府における選抜制度
◎:必須 ○:学校選択 ※一部の学科で必須
学力検査欄の数字は、実施科目数
【現行の選抜制度の概要①】
前期選抜
学校群
学力検査
調
査
書
面
接
小
論
文
後期選抜
実
学力検査
技
調
査
書
面
◎
クリエイティブスクール
◎3
◎
普通科
◎5
◎
専門コース設置校(普通科)
◎5
◎
普通科総合選択制
◎5
◎
◎5
◎
普通科単位制
◎5
◎
専門高校
◎3
◎
◎3
◎
◎5
◎
専門学科(前期)・
普通科(後期)併置校
総合学科
接
総合造形
文理学
◎
体育
音楽
芸能文化
◎
3
【現行の選抜制度の概要②】
前期選抜
区分
選
抜
資
料
後期選抜
特色ある学校・学科の選抜
学ぶ時間帯を選択できる選抜
学力検査
学科によって教科数が異なる
(3教科または5教科)
主として5教科(一部3教科)
調査書
必須
必須
その他
学科によって導入状況が異なる
(面接、小論文、実技)
クリエイティブスクールでは面接を実施
普通科単位制、専門高校、専門学科
総合学科
普通科、普通科総合選択制
専門学科併置校(普通科)
専門コース設置校、クリエイティブスクール
実施する学科等
【平成24年度の選抜日程】
前期選抜
後期選抜
出 願 期 間
2/16~17
3/7~3/9
学 力検査等
2/23
3/16
合 格 発 表
3/1
3/23
4
【現行の選抜制度の課題】


「早く進路先を決めたい」という受検者の気持ちに十分対応していない。
受検者の興味・関心や学習意欲、進路・適性など、多様な観点による選抜が
十分実施されていない。
 学科によって選抜時期や資料が異なり、選抜制度がわかりにくい。
【検討のポイント】
① 現行の選抜制度の再編を図る必要があるか。
② さらに多様な選抜方法を導入する意義はあるか。
③ 選抜の実施時期を変更する必要はあるか。
5
(3) 検討ポイントの整理
検討ポイント① 前期・後期選抜の再編
○募集人員を前期へシフトした場合
利
課
点
• 「早く進路先を決めたい」という受検者の気持ちに対応。
• 公私の競争条件が一定改善。
題
• 前期の募集人員が多すぎると、公立の後期選抜がセーフティネットの
役割を果たせなくなる。
• 進路先決定時期が早くなる生徒が増え、中学校の学習環境に影響。
○ 同 想定される手法
① 学校単位で前期募集する場合
② 募集人員の一部を前期で募集する場合
〈受検者の志望先による公平性〉
①学校単位<②募集人員の一部
〈選抜制度のわかりやすさ〉
①学校単位≧②募集人員の一部
6
検討ポイント② 多様な選抜方法
○推薦入試の種別
※他府県の推薦入試の事例から例示
一般推薦入試
特別推薦入試
区分
募集人員や選抜基準を広く設定
募集人員や選抜基準を限定
募集人員
(例)
• 普通科:募集人員の20%程度
• 専門学科:募集人員の30%程度
• 総合学科:募集人員の50%程度
• 種目等ごとに2~3名
推薦基準
(例)
• 出席状況が良好な者
• 各種検定取得に成果をあげた者
• 学習習慣や基本的な生活ルールを身
に付けている者
• リーダーシップを発揮し他の模範となる
ことができる者
• ○○部において活動の中心となった者
• 指定するスポーツ種目で特筆すべき実績を
もつ者
○特色入試と推薦入試の違い
特色入試
推薦入試
利点
• 受検者にとっては、多様な力が評価さ
れる。
• 高校にとっては、アドミッションポリシー
による受検者の確保が可能。
• 受検者にとっては、多様な力が評価される。
• 中学校にとっては、進路指導における指導
性が高まる。
• 高校にとっては、アドミッションポリシーによ
る受検者の確保が可能。
課題
• 受検者にとっては、小論文や面接など、
選抜方法が複雑化すれば、その対応が
必要。
• 受検者にとっては、小論文や面接など、新た
な選抜方法への対応が必要。
• 推薦基準の公平性の確保。
• 学力面の不安への対応。
7
検討ポイント③ 選抜日程の繰り上げ
○公立日程の繰り上げについて
• 「早く進路先を決めたい」という受検者の気持ちに対応。
• 公私の競争条件が一定改善。
利
点
課
題 • 進路先の決定時期が早くなり、中学校の学習環境に影響。
○私立高校の入試日程よりも前に繰り上げた場合の影響
• 私立高校よりも後の日程で繰り上げた場合と比べ、利点・課題ともに拡大。
• 私立高校との間で選抜日程の繰り上げ競争になる恐れ。
8