ニッカリンTのぶどう酒への混入実験表紙

1日もはやく名張毒ぶどう酒事件の再審開始を!
昨年4月、名古屋高裁は、名張毒ぶどう酒事件の再審開始を決定
しました。しかし、検察が異議を申し立てた為、再審を開始するかど
うか決めるための異議審が1年半も続いています。
名張毒ぶどう酒事件は、三重県名張市で1961年3月、白ぶどう酒
に入れられた農薬で女性5人が死亡し、12人が中毒症状になった事
件です。奥西勝氏が逮捕、起訴され、一審の津地裁では無罪となり
ましたが、名古屋高裁で死刑判決を宣告され、1972年2月に死刑が
確定しました。
奥西死刑囚は無実を訴え続け、今回の7次再審請求でようやく再
審と死刑執行の停止が決定されました。実に33年もの間、奥西死刑
囚は死刑執行の恐怖にさらされてきたのです。
弁護団の資料によると、使われた農薬は奥西氏が「自白」したニッ
カリンTではなかった疑いがあります。その理由として弁護団は、
ニッカリンTにはフクシンという物質により赤く着色されているが、ぶ
どう酒を飲んだ女性は無色と証言している、と指摘しています(裏面
参照)。
事件当時35歳だった奥西死刑囚は、来年1月には81歳という高齢
になります。1日もはやく再審裁判を開始して、真実を明らかにしな
ければなりません。
私たちは、死刑が生きる権利を侵害する刑罰であり、認められな
いと考えています。誤判があった場合に取り返しがつかないというこ
とからも、再審はできるだけ 広く認めるべきです。名張事件につい
ても、有罪が疑わしいという証拠が提出されている以上、速やかに
再審を開始するべきであると考えています。
「奥西自供」を伝える新聞記事
【発行】社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
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