日本ハム株式会社の理論株価推定

日本ハム株式会社の理論株価推定
1
2009年9月7日 06F0821
黒川洵樹
目次
初めに
 企業の基本情報
 分析方法
 将来の予測FCFの推定
 WACCの算出
 理論株価
 バリュードライバーの評価
 総評
 終わりに
 参考文献

2
初めに

このテーマを選んだ理由
1.
去年のミニプロでWACCの算出方法を発表したので、
WACCを利用した分析を実際の企業で行ってみたいと
思ったからです。
2.
サブプライム・ローン問題などで混乱した市場の場合、
これらの指標はどれほど有効なのか知りたいからです。
3
企業の基本情報
企業名
英文名
特色
連結事業
本社所在地
電話番号
業種分類
代表者名
設立年月日
上場市場
上場年月
決算
単元株数
従業員数(単独)
従業員数(連結)
平均年齢
平均年収
日本ハム株式会社
NIPPON MEAT PACKERS, INC.
食肉、ハム・ソーセージで首位。食肉生産から加工、販売までの一貫体制。水産品を拡大
加工事業本部30、食肉事業本部58、関連企業本部13(2009.3)
〒541-0054 大阪市中央区南本町3-6-14
06-6282-3031
食料品
小林 浩
1949年5月30日
東証1部、大証1部
1961年10月
3月末日
1,000株
1,984人
14,772人
41.3歳
7,750千円
4
分析方法
1.
過去の財務諸表から平均成長率を割り出します。
2.
平均成長率をもとに将来の予測財務諸表を作成し、予測FCFを
推定します。
3.
WACCを算出します。
4.
WACCを割引率として予測FCFを現在価値に置き換え、事業
価値を推定します。
5.
現在の企業価値と足し合わせ、発行済株式数で割ることで理論
株価を導き出します。
また、理論株価を分解することでの財務諸表からみて改善すべき
点を見つけ出します。
5
1. 平均成長率の割り出し
将来のFCFを予測するにあたって、企業がどのように成
長していくのかを推測することは非常に重要になってき
ます。
本来ならば業界や事業、市場全体など様々な内容を考
慮して企業の成長率を割り出します。
しかし、今回は細かい分析ができなかったので、過去の
財務諸表のみを利用して平均成長率を割り出していき
ます。
今回は、売上高を基礎とした比率を使い、平均成長率を
割り出します。
6
2. 予測財務諸表と予測FCFの推定
割り出した平均成長率をもとに、予測財務諸表を作成し
ます。
そして、予測財務諸表から予測FCFを算出します。
FCF =
NOPAT + 減価償却費 - 有形固定資産取得による支出 - 増加運転資本
FCFとは?
FCFとは企業が自由に使うことができるお金のことです。
FCFは本業で得たキャッシュフローから、運転資本など現状維持に必要とされる
キャッシュフローを差し引いたものであると定義されています。
7
FCF =
NOPAT + 減価償却費 - 有形固定資産取得による支出 - 増加運転資本
NOPAT(税引後営業利益) = 営業利益×(1 - 実効税率)
実効税率 = 税金÷営業利益
実効税率とは、営業利益に対して実際に企業が支払った税金の割合を示し
ます。
増加運転資本 = 期末運転資本 – 期首運転資本
運転資本 = 売上債権 + 棚卸資産 – 買入債務
運転資本とは、企業を運営するにあたって必要な資産のことを指します。
ここでは運転資本を求めることで、増加した運転資本分のキャッシュを差し引
きます。
8
3. WACC(加重平均資本コスト)の算出
WACC = 資本コスト×自己資本比率 + 負債コスト×負債比率
WACCを求める際に必要な3項目
1. 負債コスト
WACC
2. 資本コスト
3. 負債と資本との構成比率
1.
負債コスト
負債コストは企業が債権者に支払う利子率のことです。
ただし、利払いに対する税効果があるため、法人税率を差し引きます。
今回使用した数式
負債コスト = 支払利息÷平均有利子負債×(1 – 法人税率)
9
2. 資本コスト
資本コスト = リスクフリー・レート + 個別銘柄リスク・プレミアム
年度内国債平均利回り
個別銘柄リスク・プレミアム
= 企業のβ値×マーケットリスク・プレミアム
= 企業のβ値×(TOPIX年間上昇率 – 年度内国債平均利回り)
今月終値÷1年前の月終値 - 1
企業とTOPIXの月間成長率を最小二乗法
資本コスト
= 年度内国債平均利回り
+ 企業のβ値×(TOPIX年間上昇率 – 年度内国債平均利回り)
これは資本資産価格モデル(CAPM)と呼ばれる資本コストを導き出す
方程式です。
10
3. 負債と資本の構成比率
今回使用した数式
資本比率 = 自己資本比率
負債比率 = 1 – 自己資本比率
例題
負債コスト 8%、法人税率 35%、リスクフリー・レート 5%、β値 1.2
マーケット・リスク・プレミアム 6%自己資本比率 60%
この企業のWACCを求めよ。
解答
1. 税引後の負債コスト
8×(1-0.35)=5.2%
2. 株主資本コスト
5+(1.2×6)=12.2%
3.自己資本比率
60%
4.負債比率
40%
5. WACC
5.2×0.4+12.2×0.6=9.4%
11
資本100ドル、WACC9.4%の時
債権者
株主
要求リターン=8.0%
要求リターン=12.2%
資本=40ドル
1年あたりリターン
=3.20ドル
1年あたりリターン
=7.32ドル
資本=60ドル
1年あたりリターンの総額
=10.52ドル
負債利子の税額控除による税効果/年
=1.12ドル
1年あたりリターン
=9.40ドル
資本=100ドル
事業
要求リターン=9.4%
12
4. 事業価値
事業価値 =
残存価値 + 予測した将来キャッシュフロー合計
事業価値とは、現在行っている事業にどれほどの価値があるかを表したもの
で、残存価値と予測したFCFの合計からなります。
残存価値とは、予測した期間以降のFCFを現在価値に置き換えたもので、
式は、
残存価値 = 計算した最終年度のFCF÷(WACC - 永続成長率)
となります。
今回は、永続成長率に予測財務諸表の基本なる平均売上成長率を使用し
ました。
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5. 理論株価
株主価値 =
事業価値 + 金融資産 - 有利子負債 - 少数株主持分
株主価値とは、文字通り株主に帰属する企業の価値を表したもので、事業価
値に金融資産を加え、第三者に帰属する有利子負債や少数株主持分を
差し引いた値になります。
金融資産は、[現金及び現金同等物、定期預金、有価証券、棚卸資産、投資
及び長期債権、有形固定資産]の合計となります。
そして株主価値を発行済株式数で割った値が理論株価となります。
理論株価 = 株主価値÷発行済株式数
14
日本ハム株式会社の理論株価推定
15
将来の予測FCFの推定
使用する過去データと比率
過去データ
回次
第60期
第61期
第62期
第63期
第64期
決算年度
平成17年3月 平成18年3月 平成19年3月 平成20年3月 平成21年3月
売上高(百万)
934,678
963,664
977,296
1,032,291
1,028,449
営業利益(百万)
27,241
10,074
16,422
17,491
21,417
税金(百万)
10,535
2,318
2,049
3,358
4,651
減価償却費(百万)
23,578
24,452
23,774
24,486
24,646
有形固定資産取得による支出(百万)
24,625
19,809
16,544
16,008
18,632
売上債権(百万)
97,283
102,832
116,248
110,084
102,791
棚卸資産(百万)
95,646
117,011
114,638
112,218
115,765
買入債務(百万)
91,077
88,141
94,021
87,296
85,377
運転資本(百万)
101,852
131,702
136,865
135,006
133,179
運転資本増減(百万)
2,525
29,850
5,163
△ 1,859
△ 1,827
比率
回次
決算年度
売上高成長率(%)
売上高営業利益率(%)
売上高償却費率(%)
売上高設備投資率(%)
売上高売上債権率(%)
売上高棚卸資産率(%)
売上高買入債務率(%)
実効税率(%)
第60期
第61期
第62期
第63期
第64期
平成17年3月 平成18年3月 平成19年3月 平成20年3月 平成21年3月
3.10%
1.41%
5.63%
-0.37%
2.91%
1.05%
1.68%
1.69%
2.08%
2.52%
2.54%
2.43%
2.37%
2.40%
2.63%
2.06%
1.69%
1.55%
1.81%
10.41%
10.67%
11.89%
10.66%
9.99%
10.23%
12.14%
11.73%
10.87%
11.26%
9.74%
9.15%
9.62%
8.46%
8.30%
38.67%
23.01%
12.48%
19.20%
21.72%
平均
2.44%
1.88%
2.45%
1.95%
10.73%
11.25%
9.05%
23.02%
16
比率の平均値を使い、算出した将来の予測データ
回次
第65期
第66期
第67期
第68期
第69期
決算年度
平成22年3月 平成23年3月 平成24年3月 平成25年3月 平成26年3月
売上高(百万)
1,053,571
1,079,307
1,105,671
1,132,680
1,160,348
営業利益(百万)
19,843
20,328
20,824
21,333
21,854
減価償却費(百万)
25,836
26,467
27,113
27,776
28,454
有形固定資産取得による支出(百万)
20,535
21,037
21,550
22,077
22,616
売上債権(百万)
113,012
115,772
118,600
121,498
124,465
棚卸資産(百万)
118,490
121,384
124,349
127,387
130,499
買入債務(百万)
95,389
97,719
100,106
102,551
105,056
運転資本(百万)
136,113
139,438
142,844
146,333
149,908
運転資本増減(百万)
2,934
3,325
3,406
3,489
3,575
実効税率(%)
23.02%
23.02%
23.02%
23.02%
23.02%
NOPAT(百万)
15,276
15,649
16,032
16,423
16,824
FCF(百万)
17,643
17,755
18,188
18,633
19,088
FCF =
NOPAT + 減価償却費 - 有形固定資産取得による支出 - 増加運転資本
17
WACCの算出
TOPIX年間上昇率とβ値の算出
TOPIX
13
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
TOPIX終値の成長率
日本ハム
日付
終値
調整後終値*
2008年8月
1,254.71
1,780
2008年9月
1,087.41
1,584
2008年10月
867.12
1,322
2008年11月
834.82
1,196
2008年12月
859.24
1,347
2009年1月
794.03
1,152
2009年2月
756.71
960
2009年3月
773.66
1,025
2009年4月
837.79
1,013
2009年5月
897.91
1,147
2009年6月
929.76
1,219
2009年7月
950.26
1,160
2009年8月
965.73
1,126
-0.13334
-0.20258
-0.03725
0.029252
-0.07589
-0.047
0.0224
0.082892
0.07176
0.035471
0.022049
0.01628
-0.11011
-0.1654
-0.09531
0.126254
-0.14477
-0.16667
0.067708
-0.01171
0.13228
0.062772
-0.0484
-0.02931
2008年8月~ 2008年10月~
TOPIX年間上昇率(%)
-23.03%
11.37%
国債利回り(%)
1.38%
1.38%
β値
0.98
1.63
個別銘柄
調整後終値の成長率
18
過去データ
回次
決算年度
資産合計(百万)
資本合計(百万)
自己資本比率(%)
支払利息(百万)
平均有利子負債(百万)
法人税率(%)
第64期
平成21年3月
583,684
270,439
46.33%
2,521
176,245
40.00%
2008年8月~ 2008年10月~
TOPIX年間上昇率(%)
-23.03%
11.37%
国債利回り(%)
1.38%
1.38%
β値
0.98
1.63
WACC = 資本コスト×自己資本比率 + 負債コスト×負債比率
2008年8月~
市場リスク・プレミアム
個別銘柄リスク・プレミアム
資本コスト
負債コスト
WACC
-24.41%
-23.92%
-22.55%
0.86%
-10.09%
2008年10月~
9.99%
16.33%
17.70%
0.86%
8.56%
19
計算不可
理論株価
2008年10月~
回次
決算年度
FCF(百万)
割引現在価値(百万)
第65期
第66期
第67期
第68期
第69期
平成22年3月 平成23年3月 平成24年3月 平成25年3月 平成26年3月
17,643
17,755
18,188
18,633
19,088 残存価値 事業価値
16,251
15,064
14,215
13,414
12,657
206,793
278,394
過去データ
回次
決算年度
現金及び現金同等物
定期預金
有価証券
棚卸資産
投資及び長期債権合計
有形固定資産合計
有利子負債
少数株主持分
株主価値
発行済株式数
算定株価
第64期
平成21年3月
41,323
4,923
10,051
115,765
28,355
232,862
168,950
1,937
残存価値 =
予測した最終年度FCF÷(割引率 – 永続成長率)
事業価値 = 残存価値 + 予測したFCF
株主価値 =
事業価値 + 金融資産
– 有利子負債 – 少数株主持分
540,786
228,445,350
2,367
理論株価
= 株主価値 – 発行済株式数
20
理論株価 = 2,367円
実際の株価 = 1,072円(9月4日終値)
現在は割安な株である!!
しかし、過去のデータのみを参照にした場合、β値を測定した時
の結果からわかるように、市場の影響があまりにも大きいため、
予測に使う過去データの期間などにより大きく数値が変わっ
てしまう。
混乱した市場においては、さらに市場や、業界の分析
が必要不可欠である。
21
バリュードライバーの評価
FCFの分解
FCF
NOPAT + 減価償却費 - 有形固定資産取得による支出 - 増加運転資本
営業利益 × 実効税率
税金
売上債権 + 棚卸資産 - 買入債務
売上高 - 売上原価 - 販売費および一般管理費
22
過去データと成長率
過去データ
回次
第60期
第61期
第62期
第63期
第64期
決算年度
平成17年3月 平成18年3月 平成19年3月 平成20年3月 平成21年3月
売上高(百万)
934,678
963,664
977,296
1,032,291
1,028,449
営業利益(百万)
27,241
10,074
16,422
17,491
21,417
税金(百万)
10,535
2,318
2,049
3,358
4,651
NOPAT(百万)
16,706
7,756
14,373
14,133
16,766
減価償却費(百万)
23,578
24,452
23,774
24,486
24,646
有形固定資産取得による支出(百万)
24,625
19,809
16,544
16,008
18,632
売上債権(百万)
97,283
102,832
116,248
110,084
102,791
棚卸資産(百万)
95,646
117,011
114,638
112,218
115,765
買入債務(百万)
91,077
88,141
94,021
87,296
85,377
運転資本(百万)
101,852
131,702
136,865
135,006
133,179
運転資本増減(百万)
2,525
29,850
5,163
△ 1,859
△ 1,827
売上原価(百万)
736,119
789,411
789,809
843,007
833,564
販売費および一般管理費(百万)
171,318
187,732
171,065
171,793
173,468
成長率
回次
第61期
第62期
第63期
第64期
平均
伸び率
決算年度
平成18年3月 平成19年3月 平成20年3月 平成21年3月
売上高(%)
3.10%
1.41%
5.63%
-0.37%
2.44%
10.03%
営業利益(%)
-63.02%
63.01%
6.51%
22.45%
7.24% -21.38%
税金(%)
-78.00%
-11.60%
63.88%
38.51%
3.20% -55.85%
NOPAT(%)
-53.57%
85.31%
-1.67%
18.63%
12.18%
0.36%
減価償却費(%)
3.71%
-2.77%
2.99%
0.65%
1.15%
4.53%
有形固定資産取得による支出(%)
-19.56%
-16.48%
-3.24%
16.39%
-5.72% -24.34%
売上債権(%)
5.70%
13.05%
-5.30%
-6.62%
1.71%
5.66%
棚卸資産(%)
22.34%
-2.03%
-2.11%
3.16%
5.34%
21.03%
買入債務(%)
-3.22%
6.67%
-7.15%
-2.20%
-1.48%
-6.26%
運転資本(%)
29.31%
3.92%
-1.36%
-1.35%
7.63%
30.76%
売上原価(%)
7.24%
0.05%
6.74%
-1.12%
3.23%
13.24%
販売費および一般管理費(%)
9.58%
-8.88%
0.43%
0.98%
0.53%
1.25%
23
営業利益が伸び悩む原因
・売上高の8割強を売上原価が占める。
売上高がある程度順調に成長している反面、売
上原価が売上成長率以上に増加
BSEや鳥インフルエンザによる政府の
輸入禁止措置による原料肉の高騰
・海外営業利益
回次
決算年度
国内売上高(百万)
国内営業利益(百万)
海外売上高(百万)
海外営業利益(百万)
第60期
第61期
第62期
第63期
第64期
平成17年3月 平成18年3月 平成19年3月 平成20年3月 平成21年3月
864,165
877615
883837
936855
953245
23,065
11013
16864
22053
21248
144095
172016
182763
187876
161655
4235
-1008
-608
-4722
411
原油高によるエネルギーコストの高騰
為替
24
予想される改善策
・棚卸資産の適正化
・・・原料費の高騰が続いているため、無駄な仕入れの削減
・中国など需要の高まりがある海外売上比率の増加
・・・日本は価格競争激化
・海外拠点の増加
・・・為替、税金対策
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WACCの分解
WACC
自己資本比率 × 資本コスト + 負債コスト × 負債比率
資本 ÷ 総資産
負債
支払利息 ÷ 有利子負債 ×(1- 法人税率 )
国債利回り + 個別銘柄リスク・プレミアム
β値 × 市場リスク・プレミアム
TOPIX年間上昇率
26
過去データと成長率
過去データ
回次
決算年度
資産合計(百万)
資本合計(百万)
自己資本比率(%)
支払利息(百万)
有利子負債(百万)
法人税率(%)
第60期
第61期
第62期
第63期
第64期
平成17年3月 平成18年3月 平成19年3月 平成20年3月 平成21年3月
611,250
591,426
612,933
608,809
583,684
268,621
291,580
298,428
287,457
270,439
43.95%
49.30%
48.69%
47.22%
46.33%
2,675
2,450
2,919
2,705
2,521
167,019
169,701
171,211
183,539
168,950
40.00%
40.00%
40.00%
40.00%
40.00%
成長率
回次
決算年度
資産合計(%)
資本合計(%)
自己資本比率(%)
支払利息(%)
有利子負債(%)
第61期
第62期
第63期
第64期
平成18年3月 平成19年3月 平成20年3月 平成21年3月
-3.24%
3.64%
-0.67%
-4.13%
8.55%
2.35%
-3.68%
-5.92%
12.19%
-1.24%
-3.02%
-1.87%
-8.41%
19.14%
-7.33%
-6.80%
1.61%
0.89%
7.20%
-7.95%
平均
-1.10%
0.32%
1.51%
-0.85%
0.44%
伸び率
-4.51%
0.68%
5.43%
-5.76%
1.16%
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問題点と予想される改善点
・資産の減少
・・・固定資産現存損失によるものが多い
⇒選択と集中
・有利子負債の増加
・・・必要資金の大部分が借入金によるもの
⇒有利子負債の適正化
簡易的に運転資本 = 必要資金とした場合、
168,950(有利子負債) + 41,323(現金及び現金同等物)
– 133,179(運転資本) = 77,094百万円
77,094百万円分の有利子負債が過剰である。
28
総評
分解してみて、特に営業利益が低いことが気になりました。
売上原価が8割強を占めているので、市場の影響が強く
出てしまうのはある程度仕方がないことだと思います。
しかし、棚卸資産や有利子負債の適正化や成長分野(特
に海外)への投資などにより、収益の増加、費用の減少
はまだまだ可能であるとも思います。
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終わりに
今回初めて実際の企業の理論株価の推定をしましたが、
過去のデータでの分析だけでは限界があるように感じま
した。
特に市場全体や業界の状況は予測に大きく影響し、現在
のような混乱した市場では過去のデータのみからでは
予測するのが困難であると思いました。
しかしながら、今までやってきた指標とは違い、財務諸表
からリスクやリターンなど様々な数値を導き出し、自身で
理論株価など数値がはっきりと出せる面白い分析だと
思いました。
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参考文献
・経営戦略のためのファイナンス入門
M.P.ナラヤナン/ビクラム・K.ナンダ
・日本ハム株式会社ホームページ
(http://www.nipponham.co.jp/index.html)
・株式投資帝國
(http://sun-investor.com/)
Etc…
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