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文法
言葉には文法がある。
人間の言葉は、少ない要素で無限に多くの事態を表現
できる。
私は水を飲む。
一つの事態を表現するためには、「私」「は」「水」「を」
「飲む」五つの要素を必要とする。それの組み合わせででき
あがる。
人間が多くのさまざまな事態を表現できるのは、このように
一つの事態をいくつかの要素に分け、それらを組み合わせて
いるからである。
文は、分けられた要素を組み合わせて作られる。
飲むはを私水
のように要素をただ寄せ集めれば文になるわけではない。
文を構成するとき、私たちは無意識ではあるが、決まりに
従って要素を配列している。そして、その決まりをもたらす文
の仕組みを文法という。
私たちは、文法にしたがって日本語を組み立て、毎日の
言語生活を行っている。
文法論とは、日本語を日本人自分がどのように使っている
か、その規則性を探り出し、その規則性を理論的にまとめた
ものである。
一般的には、文法論を文法とも呼んでいる。学校で教わ
る文法を学校文法というが、これも文法論の一つである。
言語生活というのは、言葉を使って思いを表し、情報を相
手に伝えること。こうした言語生活の単位は何かといえば、
文である。文には、一つの要素だけのものもあれば何行にも
わたる複雑なものもある。
文法の単位
文の構造を考えるために、文よりも小さな単位が設定
されるが、一般的には、文より小さく、文を直接に構成する
単位は、文の成分と呼ばれる。
文の成分は、文を構成するのに必要な意味や働きを
持つものとして分析される。
文の成分が文の意味的な構造をも重視する単位である。
文の成分の下のレベルで、文の成分を構成する
単位を語(単語)という。
形態素は、意味を表す要素としてもっとも小さな単位。
文法の研究
文法の研究は、語についての研究と文についての研究とに
分けられる。
・語の仕組み
新しい語の作られ方を考えるには、語を形成する要素で
ある形態素についての知識が必要である。
・形態素 : 語基と接辞
・語基:実質的な内容を表すもの。
・接辞:語基に付着して使われるもの。
接頭辞と接尾辞
語のしくみ
単純語:形態素一つからなる語。
(例) あめ(雨)、ゆき(雪)
合成語:複数の形態素に分析できる語。
二種類ある。
複合語:語基+語基
(例)あお-しんごう(青信号)、
くみ-あわせる(組み合わせる)
派生語:語基+接辞、接辞+語基
(例)お-にく(お肉)、不-自然
おいし-さ、健康-的