The Economics of Alien Species Invasions Rosamond L.Naylor 経済理論はどのように役立つ? • 侵入問題の原因を突き止める • 侵入種をいつ、どこでどのように管理するのか • 管理計画のコスト最小化、効果最大化 but、 • 理論は進んでいるものの実際に適用された例は 少ない (侵入を)経済的に評価する Valuation • どのように分析?→多くはbenefit-cost(利益と費用のバラ ンス)に基づく手法 • 侵入種への管理計画を実行したときと侵入を許したとき の費用・利益を比較 • Step1:侵入が他の種や生態系サービス、経済活動等に どの様に影響するかを把握 Step2:それらの種、生態系サービス、経済活動の金銭的 価値を算出 価値の種類 • 直接的(消費的・非消費的)に利用される 価値 Direct(Consumptive and Nonconsumptive)-Use Values • 間接的に利用される価値 Indirect-Use Values • 利用できない価値 Non-use Values 消費的に利用される価値 Consumptive-Use Values • 一番分析が容易、いわゆる「金銭価格」に基づく • 私的(金融)費用 VS 社会的(経済的)費用 Social(economic)value vs private(financial)value • Cost-benefit analysisには社会的費用を採用 非消費的に利用される価値 Nonconsumptive-values • 例えば・・・ 鳥類の減少→バードウォッチング不可 →野鳥観察を趣味とする人に損害 • Travel cost or survey methods (旅行費用からの 推定方法?)等、間接的なアプローチから算出 間接的に利用される価値 Indirect-Use Values • 侵入により失われた生態系サービスを含む • 代替費用(replacement cost)と機会費用 (opportunity cost) • 代替費用:必ずしも生態系サービスの価値と関 係しない • 機会費用:給水と温室効果ガスシンクについて 侵入が無い生態系と比較 利用できない価値 Non-use values • 利用できず、時に見ることもできない価値 • 存在価値、オプション価値、準オプション価値 • 存在価値ーガラパゴス諸島の固有性 • オプション価値ー快適な環境への保険料 • 準オプション価値ー生態系についての知識、将 来の活動の選択肢 • 仮想評価法により推定 総費用 vs 限界費用 Total vs marginal values • 限界費用ー1つ目のリンゴと101個目のリンゴ • 総費用と限界費用は区別すべき • 限界費用:侵入によって起きる変化から推定 侵入パターンの予測 • 侵入の成否は種の特徴だけでなく、侵入される 生態系の性質、履歴、ダイナミクスにも影響され る(Hobbs and Humphries 1995) • 爆発的な侵入の前には長期の潜伏期間がある (Hobbs and Humphries 1995)(Figure11.1) 管理戦略 Control strategies NPV t 0 ( B C )e rt • NPV=正味現在価値 NPV ( B C )e t=時間 b=利益 c=費用 e=自然対数 r=公定歩合 t rt 0 • 侵入の防止や管理にかかる費用:Figure11.2 • 侵入による被害:Figure11.3 • 予防、早期の管理、遅めの管理 →修復困難な被害の発生が鍵 予防を推奨する根拠 • 修復困難な被害の発生は不確実 • 2つの管理戦略ー安定か、博打か • 準オプション価値(条件付) • 東南アジアのマングローブの例 • 南アフリカのフィンボス群落の例 事例1:東南アジアのマングローブ林 • マングローブを伐採、エビの養殖場を設置 →エビの病気が発生し、生産量低下 • マングローブ林を修復? or別の魚(イズミダイ)を養殖? • イズミダイの養殖:不確実な危険性、潜在的な修 復困難性 事例2:南アフリカのフィンボス群落の例 • フィンボス: 矮性の低木 水利用効率が高く、現地の水文機能に重要な役目 バイオマス小さく、火災が大きくなりにくい 土壌固定 • 侵入後: 火災増加、山岳地帯の水要求量増加 →水の単価が15%上昇(Figure11.4a,b) 結論 • Cost-benefit analysisは正しく適用すれば有用で あり、恐らくは多くの場面で予防的な戦略を推奨 する • 準オプション価値の概念は、不確実性や不可逆 性を含む問題における「転ばぬ先の杖」の必要 性を確立する • 損害算出の分野と解決策を特定する分野の協 力が一層求められる
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